俯瞰ワークショップ報告書
  • 材料・デバイス

ナノテクノロジー・材料分野 ものづくり基盤技術分科会

エグゼクティブサマリー

本報告書は、(独)科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が平成26 年 5 月 9 日に開催したナノテクノロジー・材料分野俯瞰ワークショップ「ものづくり基盤技術分科会」に関してまとめたものである。CRDS ではナノテクノロジー・材料分野の俯瞰報告書を2年毎に発行しており、直近では 2013 年に「研究開発の俯瞰報告書ナノテクノロジー・材料分野(2013 年)」を発行している。これに続く 2015 年度版を検討するにあたって、光、物質・材料、ナノ計測、製造・加工技術、バイオ・ナノテクノロジーの 5 つの領域に焦点をあてた活動を行っている。
 今回、その一環として「設計・製造技術領域」を取り上げたのは、我が国の部素材産業は、市場規模が相対的に小さくても世界的に高いシェアを確保している製品を多数有しており、これは日本の企業が材料のプロセス(製造・加工)技術に揺ぎ無いノウハウを確立させてきたから他ならない一方で、近年、設計・製造技術の上位概念である「ものづくり」が、新たな様相を呈していることから、ナノスケールの設計・製造技術という枠を超えて、ものづくり全般に対して俯瞰を行うという立場での議論を試みたものである。この背景には驚異的な進展を見せる IT 技術とものづくりとの融合、生産拠点を核とするものづくりのグローバルなバリューチェーンの再編、産学連携で後押しされたドイツなど欧州のものづくり競争力の強化、3D 成形などの新たな技術の登場を挙げることができる。
 今回のワークショップでの議論を通じて、「ものづくりに関する世界・社会のトレンド」、「ものづくり革新の方向性」、「産学連携や研究環境への示唆」に関し、以下に示すような論点が浮き彫りになった。これらの活動の結果は、さらに検討を加え、2014 年度末に発行を予定する「ナノテクノロジー・材料分野の俯瞰報告書(2015 年)」に反映させていく予定である。