科学技術未来戦略ワークショップ報告書
  • 情報・システム

CPS技術とその社会への導入に関するワークショップ

エグゼクティブサマリー

CPS(Cyber Physical System)は、実世界や人間から得られるデータを収集・処理・活用し、単に情報の世界のみでなく、物や人の動きをふくむあらゆる社会システムの効率化、新産業の育成、知的生産性の向上をもたらすものとして期待されている。しかし、CPSは社会や人間とのかかわりが強く、情報通信技術だけでは世の中への展開、定着は進まない。利用者の視点も含めた、総合的な研究開発が望まれている。また、交通システムや農業のIT化など個別のCPSはそれぞれの研究開発が行われているが、センサや情報呈示機器、サイバー空間でのモデル化、状況把握方法など共通部分の共同開発や既存知識を連携融合することによって、効率的な研究開発や更なる付加価値の向上が期待できる。そのためには異分野連携の総合的なアプローチが必要である。JST/CRDS電子情報通信ユニットにおいては、以上のような状況に鑑み、高齢者の社会参加促進と動作支援という、日本として対応していかなければならない喫緊の課題を取り上げ、それをケーススタディとして、上記のCPSの社会定着に関する研究開発方法論の構築を目指している。
これまでの諸活動を踏まえ、CPSを中心とした技術の社会定着と、そのために必要な技術開発内容を明確にし、戦略プロポーザルの作成に資することを目的に「CPS技術とその社会への導入に関するワークショップ」を開催した。