調査報告書
- 科学技術イノベーション政策
- 横断・融合
2009年3月
CRDS-FY2008-RR-01
ナショナル・イノベーション・エコシステム・スコアカード作成に向けた検討-日本のイノベーション創出に大きな影響を持つ要素の抽出-
エグゼクティブサマリー
本報告書は、「ナショナル・イノベーション・エコシステム・スコアカード」作成に向け、研究開発の成果が最終的に経済社会に価値をもたらす科学技術イノベーションに繋がるまでの一連の過程に影響を及ぼす様々な要素から、とりわけ大きな影響を持つと考えられる要素を抽出し、その現状の把握に役立つと考えられる指標について検討を行ったものである。検討に際し、本報告書ではワークショップの議論や有識者聞き取り調査から抽出された指摘を主な判断基準として、イノベーション創出に影響を与える要素-NIES要素-の抽出を試みた。その結果イノベーション創出にとってとくに影響の大きいと考えられる35個のNIES要素を抽出し、その現状の把握に役立つと考えられる指標について検討した。
本報告書が想定しているスコアカードは米国競争力評議会が2004年12月に公表した報告書「イノベート・アメリカ」(通称、「パルミサーノ報告」)の中でイノベーション成長戦略の国民的合意実現の方策として提言した「ナショナル・イノベーション・スコアカード」である。
本報告書で試みた手法は多かれ少なかれ恣意性を免れない。イノベーション創出に影響を与えるNIES要素であっても、有識者により機能していると認識されているものについては本報告書の手法では指摘されない、もしくは重要視されない可能性があることに留意する必要がある。