研究体制

創発研究者(2020年度採択)

さ行

齋尾 智英

(塩見パネル)

分子シャペロンから理解する動的生命システム
本研究では、分子シャペロンという新たな切り口から、生命の理解のための鍵として注目される「液-液相分離現象」の制御と機能発現のメカニズム解明に取り組みます。そのために、立体構造解析、光操作ツール開発、細胞内および生体組織・生物個体の相分離光操作、から構成される包括的な研究を推進します。本研究によって、従来の学術体系が刷新され、医療や化学工業など多分野における革新的イノベーションを生むと期待されます。

斉藤 一哉

(北川パネル)

デジタルとフィジカルが融合した生物模倣スマートマテリアル
世界の持続可能性のため、完全な炭素循環型社会を実現している生物の技術体系に学ぶ必要があります。生物の骨格や巣に見られる複雑な3次元構造は「かたち」そのものが様々な「機能」を持っており、この仕組みの解明が3次元の生物模倣工学における技術革新の鍵となります。本研究では最新のデジタルファブリケーション技術と折紙や木工などの伝統技術との融合によりこの自然のシステムを工業的に再現する技術体系を構築します。

齊藤 尚平

(伊丹/福島パネル)

分子技術によるπスタック機能分子系の刷新
分子の動きを活かしつつ、πスタックの多重化・多方向化を試み、狙い通りに高分子・液晶・超分子などの凝集系で配列させることで、従前のπ共役分子系の機能を超越します。分子骨格からオーダーメイドで作りげる独自の分子技術により、他の系では達成できない光・力学・電子機能をもつ材料を開発し、社会的価値を創出します。また、機械学習がもたらすゲームチェンジを柔軟に取り込み、従来の研究推進法を根本から刷新します。

酒井 雄也

(堀パネル)

地球外での建設にも利用可能な次世代コンクリートの開発
どこにでもある砂を用いて、コンクリートの代替となる建設材料を製造する方法を開発します。アルコールと触媒を用いて、砂表面の化学結合の切断と再生を制御することで、砂同士を直接接合します。これにより、世界的なコンクリートの原料不足の解決や、セメントの製造で発生する大量のCO2排出の削減に貢献します。砂の成分は地球上でも月や火星上でも大きくは変わらないことから、月面基地など宇宙開発での応用も期待できます。

坂本 雅典

(伊丹/福島パネル)

赤外光をエネルギーに変える透明太陽電池の開発
太陽光の約半分を占める未開発エネルギー資源である赤外光(熱線)を電力に変換する透明なデバイス(透明太陽電池)の開発を通じて熱線のエネルギー資源化を目指します。地球温暖化の原因である熱線をエネルギー資源に変える科学技術の開発を通じて、熱線制御(省エネ)、未利用再生可能エネルギーの開発(創エネ)という二つの面で、太陽光利用に関連する研究、産業に大きなインパクトを与える破壊的イノベーションを創出します。

坂本 良太

(北川パネル)

分子性ナノシートの合理的応用展開の追究
新規ナノ材料としての二次元物質「ナノシート」の重要性・注目度は近年飛躍的に増大しています。「分子性ナノシート」は有機分子・金属イオンから二次元構造を直接構築する新ナノ材料候補ですが、現状ではその機能創出と応用展開は不十分です。本研究では、解決すべき学術的問題点も考慮しながら、社会・産業に破壊的イノベーションをもたらす分子性ナノシートの応用展開を追究します。

相良 剛光

(伊丹/福島パネル)

超分子メカノフォアライブラリーの構築と新分野創発
ロタキサンなどの特殊な超分子構造を積極活用した超分子メカノフォアを多数作製し、超分子メカノフォアライブラリーを構築します。これらの超分子メカノフォアは、pNオーダーの力を可視化・評価することができ、他分野での微細な力を観察したいというニーズにオンデマンドで応えることができます。最終的には我々の体を構成する細胞などの生体組織が1分子レベルで生み出す力の高精度解析を目指します。

佐久間 知佐子

(石塚パネル)

感染症媒介蚊の吸血を制御する口吻味覚基盤の包括的理解
蚊によって媒介される感染症の脅威は年々深刻化しています。蚊の吸血行動は、病原体が体内へと送り込まれる根源の行動で、分子メカニズムの理解が求められます。宿主へと誘引された蚊が、どのように血液を感知して吸血を始め、満腹になり、吸血を終えるかは未解明な点が多くあります。本研究では、蚊の味覚に注目して、一連の吸血行動がどのように制御されるかを解明することで、将来的に蚊の行動を制御するための知見を得ます。

佐藤 和秀

(石塚パネル)

時間・空間光励起制御による革新的疾患モデル開発解明研究
近年慢性難治疾患が高齢化や環境・食生活の変化で増加しており、その罹患期間の長さ、医療的治療の限界、医療経済上の負担増から、ますます問題となってきています。本研究では、光を用いた特定機能細胞の空間的・時間的な除去技術を開発し応用することで、臓器特異的難治慢性疾患の新しい疾患動物モデルを作成し、治療法や診断への応用へと結びつける挑戦的な研究です。

佐藤 伸一

(阿部パネル)

生物活性分子のプローブ化不要な結合タンパク質網羅的同定
生物活性分子の標的タンパク質同定は、生体関連化学分野における最も重要な研究課題の一つであり、多くの研究者の共通の研究対象です。従来の標的タンパク質同定研究では生物活性分子のプローブ化工程が大きな研究障壁となっています。本研究では独自のタンパク質化学修飾技術を活かしたケミカルプロテオミクス技術により、生物活性分子のプローブ化を必要とせず、未知の標的タンパク質を網羅的に同定する革新的手法を開発します。

佐藤 真一郎

(北川パネル)

ランタノイド・ナノフォトニクス量子デバイス
高品質かつ高い微細加工・デバイス技術を有する窒化ガリウムを基盤材料とし、量子ビットとして優れた特性をもつランタノイドイオンの発光とスピン状態を高度に制御する量子デバイスを開発することで、これまで達成されていない「室温で電気的に制御する光通信波長帯の単一光子源」「オンチップ量子もつれ光源」「量子センシングによるデバイス内部リアルタイム診断」を実現し、Society5.0のための量子技術基盤を構築することを目指します。

實友 玲奈

(阿部パネル)

バレイショF1育種に向けた近交系の作出とヘテロシスの解明
バレイショでは、塊茎での増殖率の低さやウイルス病感染リスクなどの問題から、種子を利用するF1育種(種まき育種)に大きな期待がかかっています。これが可能になれば、今までの育種・増殖・生産体系を崩壊させる夢のバレイショ生産となります。本課題では実用的なバレイショF1雑種の作出と、雑種が両親よりも生育旺盛になる雑種強勢(ヘテロシス)の解明に取り組むことで、農業生産性の飛躍的な向上に貢献します。

澤田 洋平

(堀パネル)

数値社会空間予測の創発による社会変革の先導
激甚化する傾向にある巨大水災害を始めとした人類文明史上未曾有の災厄から私たちの社会を守るためには、気象などの自然現象のみならず、経済活動・避難行動といった社会現象をも含めてその未来を予測することが重要です。本研究ではこれまで天気予報で培われてきた未来予測手法の技術開発を加速させ、自然と社会を一体として観測・予測・制御する新たな技術「数値社会空間予測」を生み出し、人類の持続可能な発展に貢献します。

塩田 拓也

(水島パネル)

EMMアセンブリーアッセイによるグラム陰性菌制御法の創出
微生物と我々の関係は、抗菌薬が効かない耐性菌の発生や、様々な疾病に関わる体内微生物のバランスをどう維持していくかなど様々な問題を抱えています。本研究では、微生物が外界にと関わる際に必要な外膜タンパク質に注目し、これを制御する技術の確立を目指します。この実現は、新規抗菌薬の開発はもちろん、菌を殺さず制御する事を可能にし、健康寿命の延伸という大きな課題について破壊的イノベーションを起こします。

塩田 倫史

(合田パネル)

グアニン四重鎖によるプリオノイド・イノベーション
アルツハイマー病やパーキンソン病には共通の発症要因があります。脳内でのプリオノイドタンパク質(タウ、α シヌクレイン等)の凝集とその細胞間伝播です。しかし、その機構は未解明です。私は、RNA 構造体のグアニン四重鎖 (G4) が核となりプリオノイドタンパク質の凝集・伝搬を引き起こすことを発見しました。本研究では、革新的細胞内メカニズム「G4 プリオノイド」を実証し、神経変性疾患の治療薬開発に繋げます。

塩見 雄毅

(北川パネル)

相変化材料を用いたスピントロニクス機能開拓
物質中の電子スピンを利用したスピントロニクス技術と相変化メモリで用いられる技術・材料を組み合わせることで、これまでにないスピントロニクス機能の創出を目指します。相変化材料の結晶相とアモルファス相の間の相変化を利用して、電流よりも低消費電力であるスピン流の高速スイッチや、次世代メモリへの応用が期待される磁気ナノ構造の生成・伝搬、さらには新しい複合メモリとして相変化磁気メモリを実現します。

渋川 敦史

(田中パネル)

世界最速光波面シェイピングによる光散乱との共生
本研究では、すりガラスや生体組織などによって生じる光散乱と共存・共生する光技術を開発します。具体的には、生体組織における従来のアクセス空間1×1×1mm3を、最大10×10×3mm3まで拡大することを目指します。最終的に、この能力を生きたマウス脳などに適用することで、極めて広範囲な空間における神経活動を光操作・観察します。

島田 緑

(水島パネル)

プロリン異性化による立体的ヒストンコードの解明
DNA を適切に折りたたむヒストンの化学修飾は、遺伝子発現に重要であり、生命現象の根幹をなします。本研究では、プロリンの異性化による立体構造変化によって引き起こされる遺伝子発現制御を実証し、その生物学・医学的意義を解明します。プロリン異性化が担う生命現象の解明という独創的な研究分野を開拓します。そしてがん等のヒト疾患発症、病態重篤化との関連性を追求し、新たな創薬研究へと展開します。

清水 逸平

(天谷パネル)

加齢関連線維性疾患治療法確立に向けた包括的研究
本研究課題で、1)加齢関連線維性疾患(Age-related Fibrotic Disorder(A-FiD))の疾患概念の確立、2)分泌型線維化促進分子のA-FiDバイオマーカーとしての確立、3)A-FiDを標的とした臓器・疾患横断的治療法の開発、に挑みます。老化及び肥満時に血液中で上昇し、心臓や肝臓の線維化を促進する分泌型線維化促進分子を標的とした治療法の開発を目指します。

清水 裕樹

(井村パネル)

次世代「つながる」超精密光計測学構築への挑戦
最先端計測・加工機に用いられる長さの「ものさし」光学式スケールの目盛り精度を保証する「差動型デュアル回折光検出法」を確立する。光コムレーザとGPS通信を利用して長さ国家標準とリンクすることで、距離・時間に制約を受けない次世代「つながる」超精密計測のフレームワークを実現して従来のものづくり計測に破壊的イノベーションを起こし、あらゆる分野への波及効果が高い最先端ものづくり計測の実現を目指す。

志村 智也

(堀パネル)

データリッチな海洋への挑戦とそれに基づく台風高波の実態解明
台風による高波に関して、これまでのような観測の少ないData Poorな海洋から豊富な観測のあるData Richな海洋への方向転換を、最新の技術の活用した観測および地震波という全く違った観点からの観測手法で挑戦します。Data Richな海洋の知見から波浪を含む台風モデリングの刷新により、高波および高潮、さらに台風自体の予報および将来想定を劇的に改善させ、想定外の台風災害の低減を目指します。

庄司 観

(井村パネル)

分子機械が繋ぐ生物と機械の融合システム
本研究では、生体材料をボトムアップ的に構築した分子機械を生物と機械を繋ぐインターフェイスとして応用することで、生物と機械が綿密に融合したバイオハイブリッドシステムの創製を目指します。具体的には、人工細胞様組織である巨大リポソームを機能化することで、「生体エネルギから発電する分子機械」「情報通信を行う分子機械」「局所化学刺激を行う分子機械」そして「分子機械の移動メカニズム」を開発します。

正直 花奈子

(北川パネル)

半導体の結晶歪みを利用したオペランドチューニング可能な量子光源の開発
高セキュリティおよび大容量化のため、量子計算機および量子情報通信技術の構築が求められています。現在商品化される量子計算機は、絶対零度に近い低温かつ低ノイズが必要な超伝導材料を基本に動作しています。これに対し本研究では、光の粒子を基本とする室温動作可能かつ小型な半導体材料を用いた量子光源の実現を目指します。本研究は、現在の量子計算機の置き換えに加え、安全性の高い量子暗号通信への発展に寄与します。

末原 義之

(天谷パネル)

希少がん骨軟部腫瘍の融合遺伝子と相互排他性に注目した研究開発
課題1) 直接の治療標的となり難い融合遺伝子を“driver-oncogene”として有する骨軟部腫瘍における、 内因性小胞体ストレス阻害剤を含む分子標的阻害剤・殺細胞型抗がん剤の治療抵抗性とMYC遺伝子の相互作用の解明と、課題 2) 非融合遺伝子腫瘍に分類される骨軟部腫瘍における直接の治療標的“driver-oncogene”と成り得るTK融合遺伝子探索などの全面的解明を進め、その骨軟部腫瘍の創発的研究成果を礎に全癌的な新規治療法開発へと繋げていく。

須賀 英隆

(天谷パネル)

ヒト脳神経発生を正確に再現し、測れなかったものを測る
生き物を理解するために胎児の形作られる様子を観察する方法がありますが、ヒトの胎児を実験に用いる訳にはいきません。そこでES/iPS細胞を利用します。これまでにES/iPS細胞から脳の一部分を作ることは可能になっていますが、一気に全部を作ることはまだできません。本研究ではここを解決します。ヒトの脳をまるごと一気に試験管内で作りそれを観察・研究することでヒトというものへの理解を深めるのが最終目的です。

菅原 春菜

(川村パネル)

微生物変成実験とバイオマーカー分析から目指す火星生命痕跡の検出
火星衛星探査計画(MMX)による火星衛星フォボスからのリターンサンプルの中に、火星粒子が存在することが示唆されています。本研究では、この火星粒子から火星生命の痕跡を検出することを目指し、微生物を人工的に化石化・変成させる実験を行い、物理化学的な変化を明らかにすると共に、有用なバイオマーカーを選定し、極微小の火星粒子から最も確実に火星生命の痕跡を検出するための有機化学分析技術開発を行います。

杉本 宜昭

(北川パネル)

原子間力顕微鏡を用いたナノ磁性の力学制御
磁気記録媒体に用いられるナノ磁石の磁気を、電流を用いずに読み出して書き込むことができれば、省エネルギー、低発熱、超大容量な磁気記録デバイスという破壊的イノベーションが実現します。そこで、本研究では、原子間力顕微鏡を用いて個々のナノ磁石の磁気を力学的に検出し操作できることを示します。その機構を明らかにして、磁気記録の力学的読み出しと書き込みの指導原理を与えます。

杉山 麿人

(八木パネル)

過剰パラメータ化が導く学習原理の再設計
機械学習におけるモデル設計では、単純すぎず、かつ複雑すぎないモデルが望ましいとされてきました。しかし、過剰パラメータ化によってモデルを大きくすると、再び性能が良くなるという現象が報告されています。これまでの基準が覆り、データサイエンスを用いるあらゆる分野に影響を与える可能性があります。本研究では、モデル体積に着目した理論解析でこの現象を解明し、実問題で利用可能な形式へ昇華することを目指します。

鈴木 はるか(丹治 はるか)

(川村パネル)

真空場の積極活用による量子技術の開拓
空間には、光子(光のエネルギーの最小単位である粒子)が存在しない場合でも光子1/2個分のエネルギーを持つ場(真空場)が存在します。本研究では、真空場を通常の光子と同じように活用するための基盤技術を開拓し、真空場による光や物質の制御の可能性を探ります。これらを通じて、産業や医療などの様々な分野で多くの波及効果をもたらしたレーザーに続く、社会において有用な新たな“光”としての真空場の活用を目指します。

砂川 玄志郎

(水島パネル)

休眠が惹起する低代謝適応のメカニズムの解明とヒト組織への実装化
休眠は低代謝状態になることで動物がエネルギー供給不足を切り抜ける生存戦略です。休眠中は通常では死に至るような低代謝状態となりますが、その低代謝適応能の原理を解明し応用することで、現在の医療では救命できない症例を減らせると考えています。冬眠は最も長期の休眠です。私たちは冬眠しないマウスを冬眠様状態に誘導することに成功しており、この冬眠モデルマウスを活用し、世界に先駆けて低代謝医療の実現を目指します。

芹田 和則

(井村パネル)

近接場テラヘルツ励起プローブ顕微鏡による1細胞・1分子分光イメージング解析とその応用
非共有結合性の弱い相互作用エネルギーに相当するテラヘルツ(THz)光は、生命現象を司る様々な機能発現メカニズムを解明する光として注目されていますが、生理環境下での利用が非常に難しいとされています。本研究では、光・THz変換で生成する微小THz光源を利用して、これまで実現が難しかった1細胞・1分子観察が可能なTHzプローブ顕微鏡を開発し、分光イメージングにより、生命機能メカニズムに関する知見取得とその応用に挑戦します。

Researchmap 本サイトの研究者情報はResearchmap登録情報に基づき更新されます。