研究体制

創発研究者(2021年度採択)

あ行

藍川 志津

天谷パネル

着床期胚浸潤に着目した妊娠成立機構の解明
体外受精などの高度生殖医療の需要がますます高まる中、良好な胚であっても妊娠が成立しない着床障害が問題となっています。着床がうまくいかない要因として子宮内膜に何らかの異常があることが想定されますが、その分子機構はブラックボックスです。本研究では胚の子宮内膜への浸潤の過程に着目し、子宮内膜がどのような分子シグナルによって胚・子宮内膜間相互作用を制御しているのかを探ります。

浅井 秀太

阿部パネル

植物病原菌寄生成立機構の解明と圃場での応用
植物の病害は、病気にかかる体質をもつ植物、これを侵すことができる病原菌、ならびに病気の発生に必要な環境条件がそろった時に発生します。本研究では、土壌微生物のゲノム情報を基に、病原性の特定を可能にする手法(モニターシステム)を開発し、全国の圃場環境調査による、植物を取り巻く環境のビックデータに基づいた病害発生予測モデル(予測システム)を構築することで、病害防除に繋がるシステム基盤の構築を目指します。

浅井 健彦

堀パネル

浮体式大規模構造物の高効率制振発電技術の開拓
四方を海で囲まれた我が国では海洋での自然エネルギーの有効利用が温室効果ガス排出量実質ゼロの目標達成のために必要不可欠であり、遠浅の海域が少ない日本近海では、着床式でない浮体式洋上風車の開発が求められています。そこで、本研究では浮体式の弱点である振動を低減するため、振動エネルギーを波力発電により吸収し振動制御も同時に行う制振発電装置を開発し、信頼性と安全性を飛躍的に向上させた浮体式洋上風車の実用化を目指します。

東 俊一

井村パネル

オープン群知能学の創成:「群の制御」から「群で制御」へ
本研究では、センサやアクチュエータにより外界に開かれた群知能として「オープン群知能」の概念を提案し、その学理を確立します。特に、データ科学とマルチエージェントシステムの制御理論を融合し、未知の環境を同定しながら制御するための基礎理論を開発します。また、我々の生活に欠かせない存在になりつつあるプラットフォームサービスはオープン群知能の一種だと捉えることができますが、本研究で開発する理論をその解析と設計に展開することを目指します。

熱田 勇士

塩見パネル

”蛇足”創出ロードマップ
手足を持たないヘビの細胞を、手足の元となる四肢前駆細胞へと転換し、ヘビ四肢、すなわち本物の“蛇足”を構築することはできないか。本研究では、これまで蓄積された発生生物学の知見と、ダイレクトリプログラミング、ゲノム編集など近年開発された革新的技術を結集することにより、この「仮想器官」の人工創出に挑戦します。この試みから得られる成果は、決して(故事の)蛇足とはならず、器官発生原理理解の深化および細胞再生治療技術の開発促進に資することが期待されます。

阿部 圭晃

異なる物理を繋ぐデータ駆動型の連成数理モデルの創出
人間が活用出来る自然現象の多くは2つ以上の物理系が組み合わさった「連成現象」です。流体力学など単一の物理系に関する高度な数値解析技術が確立されつつある一方、それらを複雑な連成現象に適用することは未だ容易ではありません。本研究ではデータ駆動型手法を活用した連成数理モデルを創出し、高度な数値解析と実験計測の融合による航空機機体設計への適用を端緒に、複雑連成現象の新たな学理と工学応用への路を拓きます。

有薗 美沙

合田パネル

シナプスの「横のつながり」を作るアストロサイト
本研究ではベースライン、シナプス可塑性および記憶・学習における「アストロサイトの活動・構造」と「シナプスクラスター」の相関・因果関係を明らかにします。グルタミン酸アンケージングや化学遺伝学的アプローチを用いてシナプスやアストロサイトの活動を操作する一方で、これらの活動をCa2+イメージング、構造を超解像イメージングや2光子in vivoイメージングでそれぞれ観察します。

安楽 泰孝

脳内情報を血液中に持ち帰る自立駆動型ナノマシンの開発
私は精密設計した高分子を構成分子とする集合体(ナノマシン)を薬物送達システムとし、脳への薬剤輸送を制限する血液脳関門(BBB)を効率良く通過させることに成功しています。本研究では、このBBB通過型ナノマシンを基盤技術とし、高分子化学、材料科学、分子生物学的観点から洗練し、既存技術では着想もしない「脳分子を回収」、「血液中に帰還」する自立駆動型ナノマシンを構築し、中枢神経系疾患の治療・診断法へと展開します。

飯嶋 益巳

阿部パネル

新規食品品質マーカーの探索とその高感度検出
「食の安全・安心」を実現するためには、科学的根拠に基づく食品の検証が必要不可欠なだけではなく、簡便かつ高感度に検証できることが重要です。本研究では、食べ頃や賞味期限が主観的に決定されている熟成肉等の熟成食品を例に、品質管理の指標となる新規低分子マーカーを探索し、さらにそのマーカーと、独自のバイオ分子整列化足場技術を活用して、製造現場でも簡便かつ高感度に食品の検証ができる新規評価技術を開発します。

池内 桃子

塩見パネル

植物の器官新生過程における細胞運命決定と自己組織化機構の解明
植物は驚くべき再生能力を持っており、組織片を培養することで多能性幹細胞を新生し個体を再構築できます。人類は植物の再生能力を組織培養などの場面で長年利用してきたにも関わらず、植物はなぜ細胞の分化状態を柔軟に変化させて幹細胞を新生できるのか、またどうやって幹細胞は新たな秩序を再構築できるのか、という大きな謎をいまだに解明できていません。本研究では、再生の制御因子の機能解析と器官新生過程の多細胞動態解明を通して、器官再生メカニズムを多角的に解明することを目指します。本研究の成果は、組織培養技術の飛躍的な効率化につながることが大いに期待できます。

石井 智

北川パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

光学微細構造を用いたサーマルフォトニクス
熱放射を担う赤外光を波長より小さな微細構造によって制御し、実効的に高屈折率を得たり非平衡状態を創出したりすることで、熱放射による熱輸送を飛躍的に増大することを目指します。本研究によって熱放射が増大することで、放熱や放射冷却を高効率で行えるようになることが期待されます。また、微細構造の光熱変換を用いた局所加熱にも取り組みます。本研究を通してサーマルフォトニクスの分野開拓を進め、新たなシーズ創出に繋げます。

石川 麻乃

塩見パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

トップダウン型制御ネットワークの進化原理と生態系改変機構の解明
生物は、自らの形や性質を環境に応じて変化させることで、自然環境にうまく対応できるよう進化してきました。私は、この生物の環境応答性の進化や多様化を促進する機構として、トップダウン型遺伝子制御ネットワークに着目し、その機能と進化における有用性を検証します。さらに、これらが種間相互作用や生態系全体に影響する作用機構を解析することで、少数の遺伝子による生態系の自在な改変や、気候変動等に対する生物進化の未来予測を可能にする新たな学際的領域の確立を目指します。

石本 健太

川村パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

流れを介した細胞間コミュニケーション力学
細胞スケールの生物は、周囲の流体を通してその環境を認識しています。本研究では、流体方程式に内在する数理的な構造に着目することで、生物の見る世界の「形」と「動き」の数理的な記述法の構築に取り組みます。様々な細胞間流体相互作用に現れる力学的素過程の解明を通して、多種多様な生物の基本行動原理を記述する枠組みとなる細胞間コミュニケーション力学の創出を目指します。

井田 大貴

塩見パネル

細胞研究を革新する汎用アト流量制御基盤の創出
顕微鏡技術の発展によって、細胞内にあるオルガネラなどの非常に小さな構造が観察できるようになりました。一方で、観察している微小構造の内容物や構成成分などを直接評価する事は難しく、観察と評価にスケール的なギャップが存在します。私は、ナノスケールに先鋭化したガラスピペットを用いた極少の流量制御技術によって、細胞内の構造を直接操作・評価し前述のギャップの解消を目指しています。

井手上 敏也

北川パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

2次元結晶ナノ構造の設計原理と量子機能性開拓
本研究では、2次元結晶の曲率構造やヘテロ界面、ツイスト積層界面といったナノ構造を利用して、通常の結晶では実現できないユニークな非周期構造や対称性を創発し、それらを反映した様々な量子機能性の開拓に取り組みます。2次元結晶特有のナノ構造の設計原理を基軸としたナノ物質科学の学理構築を行うと同時に、それを様々な量子自由度へと応用し、量子流の自在制御に向けた物質科学の新潮流の構築を目指します。

伊藤 哲史

田中パネル

「ことば」音認知とその障害の神経基盤の解明
言語音認知障害は有病者が多く、患者のQOLを下げる重大な問題です。言語音弁別の鍵は音の時間変化で、これを検出する時間変化検出細胞や聴覚注意細胞を選択的に制御できれば言語音認知障害改善や脳内言語音再生技術開発につながります。本研究は時間変化検出細胞や聴覚注意細胞を選択的に操作する技術を開発し、コミュニケーション音声認知とその障害の神経基盤を解明することで、言語音認知障害の治療戦略を打ち出していきます。

伊藤 美菜子

天谷パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

脳の発達・老化・病態時における免疫細胞の意義の解明
免疫特権と言われてきた「脳」の発達や老化、病態時において、様々な免疫細胞が関与することが明らかになってきました。本研究では胎生期・幼少期といった発達段階と老化マウス・脳梗塞やアルツハイマー・自閉症モデルマウスを用いて、脳内免疫反応全体像をシングルセル解析によって網羅的に解析するとともに、脳内T細胞やB細胞が認識する脳内抗原・抗体を同定し、それらの神経系発達や老化・修復過程における意義を解明します。

稲木 信介

伊丹/福島パネル

無給電式バイポーラ電解反応システムの構築
外部電場の影響によりワイヤレスで駆動するバイポーラ電極を利用する電気化学系が注目されています。本研究では、流路への送液により生じる流動電位を用いてバイポーラ電極を駆動することを着想し、電解反応でありながら給電を必要としない電気化学系の構築に挑戦します。駆動原理の本質的理解と技術の確立に加え、新規反応場や微小エネルギー利用の観点を含め広く無給電電解反応システムの応用分野を探索しながら、社会的価値創出を目指します。

井上 飛鳥

水島パネル

GPCRシグナルの自在な切り分けから目指す安全性の高い創薬
既存薬の多くは、細胞表面センサーであるGタンパク質共役型受容体(G-protein-coupled receptor、GPCR)に作用して薬効を発揮します。本研究で、GPCRを起点とする多様な細胞内情報(シグナル)伝達の作動原理を解明することを目指します。この研究成果は、薬効を担う特定のシグナル因子を選択的に誘導しながら副作用に関わるシグナル因子を発動しない安全性の高い「バイアス型」GPCR作動薬の開発に貢献します。

井上 和俊

北川パネル

マルチスケール粒界理論の構築による新材料開拓
結晶同士の界面である粒界の原子構造と機能特性との間には、深い相関性があります。本研究では、幾何学および整数論に基づく原子論的アプローチにより、すべての粒界構造を普遍的に記述する理論を完成させ、原子構造予測を効率化します。さらに、微分幾何学に基づくメソスケール粒界理論の構築により、多結晶体の機能予測に挑みます。そして双方の粒界理論を統合し、粒界構造を制御した材料設計指針の確立に貢献します。

井上 久美

バイポーラ電気化学顕微鏡による生命システムの計測
細胞間の物質伝達を直接観察できる、これまでにない解像度(250 nm)と高速性(75 fps)を併せ持つ電気化学顕微鏡を創出します。バイポーラ電極素子を工夫することで、自由行動ラットの脳内情報やエネルギー物質伝達の可視化に挑戦します。本技術は、バイオイメージング法の新しい学術領域を創成するとともに、生命システム解明への道を開き、生命を模した超省エネルギー化など、イノベーション創出の基盤となります。

井上 貴雄

田中パネル

局所脳温の制御技術確立とその垂直水平展開
頭痛がすれば額を氷嚢で冷やし、火傷をすればその箇所を流水で冷やすと思います。冷却は症状を緩和させ、悪化を抑制します。しかし、病気の症状は体の外側だけでなく内側でも起きます。そして、体内の部位を体外から冷却することは困難です。私は脳局所にある病気の部位を冷却で治療する研究をしてきました。本課題では、脳を含む生体内の局所を冷却するデバイスを開発し、その冷却手法や治療効果の原理を含めて研究を実施します。

井上 剛

天谷パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

アセチルコリンで切り拓く新たな恒常性維持機構の解明
神経伝達物質であるアセチルコリンは、副交感神経神経終末から放出され、生体の恒常性維持に大きく寄与しています。今回私達はこれまでに知られていない腎臓内のアセチルコリン産生細胞の存在を見出すことができました。そこで本研究では、まず腎臓内のアセチルコリン産生細胞に着目し、その後、全身のアセチルコリン産生細胞にも範囲を広げ、これらの細胞がどのようにして生体の恒常性を維持するのかを明らかにしていきます。

猪熊 泰英

「中分子ひも」を鍵とする巨大機能性分子の創成
本研究では単分散ポリケトン分子を、小さい分子の精密さと高分子の大きさを合わせ持つ「中分子ひも」と位置づけ、より巨大な分子を多彩かつ高精度に作り出す合成技術を開発します。この新しい合成技術により、光によって導電性を変化させる分子ワイヤーやイオンを選択的に抽出する巨大環状化合物、分子を柔軟に取り込んで構造解析を実現する単結晶といった巨大機能性分子材料を作り出します。

今泉 允聡

八木パネル

深層学習の原理記述に向けた構造汎化理論スキームの開発
本研究は、深層学習の原理を記述する理論の新しいスキームを開発します。深層学習の汎化性能(予測性能)の理論は、近年の発展にもかかわらず未解決問題も多く、この不理解が深層学習の効率的な実運用を阻害しています。本研究は、統計数学や確率論の基礎研究によって既存理論の限界を解決し、深層学習の汎化理論を体系化します。深層学習時代の統計的学習理論を確立し、加えて理論に基づいた深層学習の効率的運用を目指します。

今崎 剛

塩見パネル

微小管を軸とした細胞極性形成機構の解明
細胞極性形成において、細胞骨格形成を担う微小管は主要なプレイヤーの一つです。そのため微小管のネットワーク形成機構の解明は、細胞の極性形成を理解する上で非常に重要です。私は動植物に存在する非中心体性微小管ネットワーク形成に注目し、その形成機構を試験管内で再構成し、最新のクライオ電子顕微鏡で解析します。さらには細胞でもクライオ電子線トモグラフィー法による解析を行い、微小管を軸とした細胞極性形成機構の解明を目指します。

今見 考志

タンパク質翻訳機構のプロテオームレベルでの再考
翻訳中の新生タンパク質は、修飾・フォールディング・オルガネラ移行といった反応場を提供し、タンパク質の動態や量を調節しています。最近では、新生タンパク質の異常が疾病因子となることも明らかにされています。本研究では、既存技術では到達できなかった「翻訳中」に起きる生化学的イベントをこれまでにない深度と解像度で捉え、その意義を解明します。

入枝 泰樹

阿部パネル

病原糸状菌群に対する重層的植物免疫システムの解明と体系化
環境中の大多数の病原糸状菌を撃退する植物の非宿主抵抗性は多くの免疫経路(因子)により重層的に構築されます。しかし、遠縁の糸状菌株ほど有効な植物免疫に差が生じ、糸状菌群に対する非宿主抵抗性の体系的な構造把握は困難です。私は、シロイヌナズナの変異体スクリーニングによる免疫因子の網羅的同定を、植物侵入能に差を示す多様な菌株が活用できる炭疽病菌群を用いて実施します。同じ植物侵入様式を示す同一属の糸状菌群に対する植物免疫の水平および垂直方向の重層構造を解明します。

上田 瑛美

田中パネル

生体網膜イメージング技術の開発と認知症医療への応用
眼の網膜は唯一観察可能な神経で、認知症発症前から神経変性の原因物質が沈着することが報告されています。網膜内の異常蛋白を直接的に検知できれば、早期かつ特異的な認知症の診断につながります。本研究では、脳との連関からみる網膜のポテンシャルに着目し、工学分野と融合的研究を行い、新たな生体網膜イメージング技術を開発し、既存技術を付与することで、眼からどこまで認知症の診断、早期発見に迫れるか挑戦します。

上野 祐司

天谷パネル

テイラーメイドエクソソームによる脳梗塞新規治療の開発
脳梗塞により多くの患者さんが後遺症に苦慮しています。脳梗塞急性期の炎症、慢性期神経再生に寄与するグリア・神経細胞統合ネットワークを解明し、その病態を司るエクソソームを解析します。エクソソームに含まれるmicroRNAや蛋白質を機能解析し、それらを増幅することで治療効果の高いエクソソームを開発します。急性期炎症制御や慢性期神経再生促進等の脳梗塞の病態に応じたテイラーメイドエクソソーム治療の樹立、臨床応用を目指します。

海塩 渉

田中パネル

寒冷負債の解明とモデル化による高血圧予見医学への挑戦
本研究では「寒冷負債:寒い住宅への長期居住による血管へのダメージの蓄積」の影響を解明し、寒冷による短期・長期の血圧変動を予測するヒト循環器系の工学モデルを開発します。モデルを基に、建物設備の故障を予測する「予知保全」を応用することで循環器疾患の危険因子である高血圧を先回りで回避する「予見医学」実現を目指します。新たな概念:寒冷負債の構築、医工融合による予見医学の両輪で、健康長寿に貢献します。

遠西 大輔

天谷パネル

ハイブリッド遺伝子変異の全貌解明に基づく次世代がん精密医療の開発
私たちがこれまで発見してきた、がん細胞の内部と外部を同時に制御する「ハイブリッド遺伝子変異」は、新たながん免疫療法の標的として注目されています。この研究では、一細胞解析と空間マルチオミクス・プロファイルを組み合わせることで、ハイブリッド遺伝子変異の全貌を明らかにし、新たな遺伝子変異の概念の確立を目指します。さらに、ハイブリッド遺伝子変異を標的とする次世代型のがん個別化免疫治療を開発します。

王 謙

北川パネル

ソーラー燃料の高効率製造に向けた波長帯域の補完的技術の融合
本研究では、高性能光触媒材料を利用した高効率人工光合成に、太陽熱技術などの補完的技術を融合した革新的なエネルギー変換システムの実現を目指します。このシステムでは、太陽光の全スペクトルを利用することで、従来技術を凌駕する高い効率で、二酸化炭素と水からソーラー燃料を合成することが期待されます。本研究の成果を実用化できれば、脱炭素社会の早期実現に貢献できます。

大石 篤郎

水島パネル

オーファンGPCRのリガンド発見と新たながん治療の創生
体内で離れた細胞同士が通信する手段にリガンドと受容体があります。合図を送る細胞から放たれたリガンドは、離れた細胞にある特定の受容体に結合し信号を送ります。現在臨床で使われる薬の3割は受容体の一つG蛋白質共役型受容体(GPCR)を標的としていますが、その中でリガンドが見つかっていないオーファンGPCRが約100個あります。私たちはオーファンGPCRのリガンドを探し新しいがん治療開発に挑みます。

大石 陽

合田パネル

覚醒時の徐波生成機序解明による眠気発生原理の理解
睡眠不足による眠気の増加は、判断機能や作業効率を低下させるため、重大事故やそれに伴う経済的・社会的損失の原因となりますが、眠気の神経メカニズムは現在明らかではありません。我々は最近、眠気の指標である「徐波」を生成できるマウスモデルを独自に開発しました。本研究ではこのモデルを利用して、徐波生成機序を明らかにし、眠気発生原理の理解を目指します。

大上 雅史

八木パネル

マルチモダリティ創薬を拓くインフォマティクス基盤
多様化・高難易度化する創薬研究開発の状況を打開するため、本研究は薬のタネとなり得るさまざまな分子の種類(モダリティ)を、統一的な情報技術・手法によって扱うためのインフォマティクス基盤の実現に挑戦します。「マルチモダリティ創薬」という新たな学問分野を開拓し、情報技術の横断化・共通化によって得られる革新的技術により、将来の医薬品産業にブレイクスルーをもたらします。

大岡 忠生

田中パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

AIとオミックス情報の融合による先制医療の社会実装への挑戦
遺伝子やたんぱく質、代謝物といった人間の生体情報を網羅的に収集し、人工知能を用いた統合的な解析を行う事で、がんや生活習慣病の発症をいち早く検知し、病気の発症自体を予防出来る可能性があります。本研究では、実際の健康診断施設を活用して健康な人々から網羅的に生体情報を収集し解析する事で、様々な病気を発症前に検知・治療する新たな手法を開発し、更にそれらを社会実装する事で未来の医療システムの実現を目指します。

大岡 英史

北川パネル

非平衡状態における触媒反応ネットワーク理論の開拓
触媒は将来のクリーンエネルギー技術にとって不可欠であり、良い材料を見つけるためには、設計指針となる理論が必要です。本研究では、実際の反応環境(非平衡状態)による特性変化を予測できる新理論の確立を目指します。このため、応用数理の手法である化学反応ネットワーク理論を既存の触媒理論に取り入れます。このことにより、触媒開発を強力に推進し、数理・機械学習・物理化学の融合による新たな学問領域を樹立します。

大久保 潤

八木パネル

方程式と双対性でつなぐ革新的データ処理技術の創出
データ社会を支える情報基盤の効率化には、これまでとは発想が質的に異なる計算技術が必要です。本研究では双対性という数理を軸にして、方程式とデータを柔軟に結ぶ技術を提案します。方程式からのアプローチとデータからのアプローチを双対性で融合し、機械学習に必要なデータ量の低減や、方程式を軸にした機械同士の柔軟な接続を実現します。この「機械に優しい基盤技術」を確立し、柔軟な社会デザインの設計に貢献します。

大黒 亜美

石塚パネル

匂い物質感受性の変化や個人差の解明
私たちは日常、身の回りの香水や柔軟剤など様々な匂いを感知して生活しています。これらの匂いを過敏に感じ取り神経症状が現れる化学物質過敏症が社会的に問題となっており、私たちも体調が悪い時には、これらの匂いを過剰に感知し、不快に感じられることがあると思います。しかし、匂い物質の感受性の個人差や体調による変化がなぜ生じるのかは不明です。本研究では嗅覚系の薬物代謝酵素に着目することで、その解明を目指します。

太田 泰友

北川パネル

集積磁気ナノフォトニクスの開拓
単結晶からなる磁気光学薄膜を絶縁体層上に形成した光学基板をプラットフォームとして、磁気光学とナノフォトニクスを融合した集積磁気ナノフォトニクスを開拓します。誘電体のみではアクセスの難しい非相反な光物質相互作用を扱い、集積フォトニクスに有用なナノ光デバイスの創出を図ります。本研究では、ナノフォトニクスにおける新たな研究プラットフォームを構築することで、創発的研究を生み続ける土壌の形成を目指します。

大谷 将士

川村パネル

小型ミューオン加速器による革新的イメージング技術の実現
これまで空から降り注ぐ宇宙線ミューオンを用いてピラミッドや原子炉などの透視が行われてきました。しかし、エネルギーも到来方向も分からない宇宙線ミューオンを用いた手法では、透視イメージングの分解能・測定時間ともに限界があります。一方、エネルギー・方向ともに制御可能な人工の加速ミューオンが実現すれば、短時間で高分解能の透過イメージングを得ることができます。本研究では、持ち運び可能な加速ミューオン装置を実現するうえでボトルネックになっているミューオン加速器の小型に挑戦します。

大藪 幾美

吉田パネル

南極氷床コアの気体分析から100年スケールで読み解く氷期-間氷期の全球気候変動
気候変動メカニズムの解明は人類共通の目標です。本研究では、過去最大級の自然変動である氷期-間氷期サイクルと急激な気候変動との関連解明を目指します。そのために、分析手法を開発・高度化し、南極の氷床コアから、全球スケールの気候変動を反映するCO2やメタン濃度などのデータを超高時間分解能で取得します。過去100万年の南北両半球の環境変動を100年スケールで復元し、複雑系である気候システムの解明に挑みます。

小笠原 徳子

天谷パネル

ヒトNALT新奇細胞群解析に基づいたニューモウイルス生活環の解明
同じ環境にいるにも関わらず、ウイルスに感染する人と感染しない人がいるのはなぜなのでしょうか?また、重症になる人やならない人がいるのはなぜなのでしょうか?それはウイルス側の感染力の強さや増殖する力の問題だけなのでしょうか?この疑問を解決するために、私達の鼻やのどにどのような細胞が存在し、その中でウイルスを受け入れやすい細胞があるのか、それらの存在・分布・働きは個人で差があるのか、また年齢や性別によって鼻やのどの細胞がどのように変化していくのかを知るためにこの研究を実行します。

岡田 智

伊丹/福島パネル

磁性分子による脳階層構造の統合解析
脳の機能は、シナプス結合、神経回路、脳領域などに分かれた階層構造によって統合されています。本研究では、複数の異なる神経活動を磁気共鳴イメージングで同時に検出したり、特定の神経回路のみを磁場で活性化したりする磁性分子の創出を目指します。開発した磁性分子によって、脳の異なった階層間で起こる活動の相関を明らかにし、個々の思考や行動を予測・制御する技術シーズの確立につなげます。

緒方 奨

ミクロ空間から紐解く亀裂岩体のふるまいと長期性能
地下岩体に地熱貯留層(亀裂網)を人工造成し、地熱エネルギーの継続的抽出を狙う貯留層造成型の地熱開発は持続可能な地熱発電の実現に重要です。本研究では、地熱貯留層の造成から状態変化まで、ミクロな亀裂内空間も含め正確に予測する数値解析技術を開発し、持続可能なエネルギー抽出をもたらす貯留層の確実な造成と維持管理を可能にします。これにより、我が国の膨大な地熱資源をフル活用可能な地熱大開発時代到来へ繋げます。

小川 剛伸

阿部パネル

AIを用いた俯瞰統合による食-生命システムの理解
食に係る生命システム(食-生命システム)は、非常に複雑であり、全体を真に理解するには、システムを構成する要素の把握だけでなく、各要素の関係を含めた包括的な解明が不可欠です。そのため、俯瞰統合的な扱いが可能な解析法において、パラダイムシフトが強く求められています。本研究では、新たな「AI網羅的・逆解析法」を構築し、食-生命システムにおける最重要課題の一つである「食の美味しさの認知」の解明に挑戦します。

沖野 友哉

伊丹/福島パネル

マルチスケール分子ダイナミクス計測法の開発
時間偏光写像法とマルチプレックス計測を駆使してマルチマス、マルチスケールおよびマルチモーダルな性質を有するイオン画像法を開発し、多原子分子におけるアト秒時間スケールで誘起される電子分布の変化からタンパク質分子等で見られるマイクロ秒の時間領域での三次元構造変化を統一的に理解することに資するマルチスケール分子ダイナミクス計測法の開発を行います。

奥野 将成

伊丹/福島パネル

新規非線形ラマン過程の開拓による振動分光の革新
新規非線形振動分光法であるコヒーレント・ハイパーラマン分光を開発します。“サイレントモード”およびテラヘルツ領域の高速測定により、これまで得られなかった分子構造情報を取得可能な次世代の振動分光法を創出し、その基盤を形成します。さらに、顕微分光法と組み合わせることでマルチモード・イメージング技術を開発し、先端物質科学分野およびライフサイエンス分野へと新たな分析ツールを提供します。

奥村 美紗子

塩見パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

動物における第4の光受容体が拓く光生物学の新領域
光を受容し応答することは生存にとって重要であり、動物では大きく分けて3種類の光受容体が報告されています。線虫は目を持たず、既知の光受容体も持っていませんが、光に対して忌避行動を示します。そのため、線虫は動物における第4の光受容体を持つと考えられ、私はこの未知の光受容体の同定に挑戦します。さらに光による発生制御、光による線虫防除に焦点を当て、光受容体を軸とした光生物学の新たな研究領域の創出を目指します。

奥山 輝大

合田パネル

「自己」と「他者」の脳内表象メカニズムの解明
本課題では、「自己」と「他者」を私たちの脳がどのように認識しているのかという謎に、行動神経科学・神経生理学によってアプローチします。デカルトの提唱した「我思う、ゆえに我あり」の神経メカニズムを、現代の精緻な神経科学を駆使して理学的に迫るだけでなく、将来的には、自己と他者の間に境界を作り出してしまう「自閉症スペクトラム」の新規治療法の開発に資する点で、イノベーション創出に繋がることを期待しています。

押木 守

吉田パネル

環境調和を実現するアンモニア再生・ヒドラジン合成技術の開発
「地球の限界」で指摘されているように地球上の窒素循環を是正することが喫緊の課題であり、現代社会における非効率的かつ超エネルギー多消費型窒素フローの抜本的な解決が必要です。本研究では、微生物から見いだされた反応機構を基盤とし、窒素化合物から(1)アンモニア(NH3)を再生する技術、(2)有価物を合成する革新的技術を開発し、窒素循環におけるグリーンイノベーションを目指します。

越智 正之

川村パネル

多体波動関数に基づく次世代第一原理計算手法の確立
物質の多種多様な性質を予言する第一原理計算は、現代の物性科学に必要不可欠な理論体系です。本研究では、多体波動関数の自由度を活用することで、従来は記述の難しかった電子相関効果の取り込める、新しい第一原理計算手法を開発します。現在は精度の限界からアプローチできない問題へ、第一原理計算の適用可能性を拡げることで、物性物理学の基礎研究から産業的応用にまで活用できる、革新的な基盤理論の構築を目指します。

小野 大輔

石塚パネル

厳しい地球環境に適応するための哺乳類生体機能の解明
冬の厳しい環境を乗り越えるための、ユニークな動物のシステムとして「冬眠・日内休眠」が知られています。一部の哺乳類では、日長や環境温度を感知し、過酷な環境が来る季節や時刻に合わせ生体機能を調節し、能動的低代謝を示しますが、そのメカニズムはよく分かっていません。本研究では、動物がどのように概日時計を使って、日長やその他環境変化を感知・記憶し、生体機能を変化させているかを神経回路レベルで明らかにします。

温 文

合田パネル

計算論的アプローチを用いた身体意識のモデル化と臨床検証
本研究は身体意識を中心とした認知神経科学の研究にシステム工学の手法を取り入れ、神経科学と臨床医学の両方から得られた実験データに基づき、身体意識の数理モデルを確立し、人間の行動や意識体験をモデルベースで理解し、介入する手法を提案することを目的とします。

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