研究体制

創発研究者(2020年度採択)

あ行

青井 伸也

(井村パネル)

不安定性から読み解く歩行の過去・現在・未来
歩行は安定に実現される現象ですが、その身体力学系には不安定性が内在します。神経系がこの不安定性を利用して様々な状況に柔軟に対応し、多様な歩行の形成や機能を発現することを作業仮説に、直立二足歩行の起源や加齢・脳疾患による歩行障害、宇宙活動での環境変化などヒトの歩行に関わる問題を過去・現在・未来の観点で捉え、数理的なモデリングや解析手法より、不安定性を基盤とする歩行形成・機能発現メカニズムを解明します。

青木 航

(塩見パネル)

生命科学における還元的方法と構成的方法の統合による多様な生命現象の理解
生命には、いまだ多数のブラックボックスが存在します。そこで本研究では、生命科学の二大方法論-還元と構成-を統合した新規方法論「ボトムアップジェネティクス」を確立し、任意の生命システムが機能するための必要十分条件を迅速に決定可能とします。さらに、ボトムアップジェネティクスを用いて多様な生命システムの再構成を実現し、高い改良性と移植可能性を付与することで、革新的バイオテクノロジーを連続的に創出します。

浅井 禎吾

(水島パネル)

合成生物学を基盤とする革新的天然物創製研究
生物が創り出す天然物は、歴史的にも比類なき医薬資源である。一方で、複雑な構造や供給の難しさなど、利便性の低さから創薬研究の第一線から退いている状況にある。本研究では、遺伝子資源を包括的に活用する天然物の合成生物学研究を基盤として、天然物の探索・創製、構造展開および供給に関してイノベーションを段階的に引き起こし、天然物を再び創薬研究に実用可能にする技術開発、ノウハウの蓄積および人材育成を推進する。

阿南 静佳

(北川パネル)

液晶と金属-有機構造体の異種相間複合化と機能開拓
液晶は電場や磁場などの外場により配向方向を動的に制御可能ですが、結晶中の分子配列は外場による大きな影響を受けない静的な配列と考えられます。本研究では多孔性の結晶と液晶という二つの異なる相を複合化し、結晶の静的な分子配列を外場として利用することで液晶の多方向への配向制御と、電場に応答する動的な光学結晶の実現に取り組みます。従来の複雑な光学デバイスの単純・小型化につながる技術となることが期待されます。

新井 敏

(伊丹パネル)

細胞熱工学の深化と生命システム制御
細胞1個のミクロな世界の温度を精密に制御する革新的な技術を開発します(細胞熱工学)。これを根幹技術として、細胞で起きている事象を熱力学の新しい視点で紐解きながら、生命システムを細胞レベルから制御する実践的研究へ大きく展開します。動物や植物などの種の垣根を超えた普遍的なバイオテクノロジーとして確立、医療・食料・エネルギー分野も含め、多様なシーズが湧き出るプラットフォームの創出を目指します。

荒磯 裕平

(天谷パネル)

ミトコンドリア動態に着目した初期発生の研究
ミトコンドリアは細胞の恒常性維持に必須なオルガネラです。本研究では、ミトコンドリアへのタンパク質輸送制御に着目し、その破綻により生じる異常ミトコンドリアが胚発生に与える影響を網羅的に解析します。ゼブラフィッシュを用いて、胚発生を阻害するミトコンドリア関連遺伝子をライブラリー化します。ミトコンドリア動態という切り口から、不妊症等の受精卵に関する病態を解明し、医療技術のシーズを創出します。

荒木 徹平

(井村パネル)

超柔軟・高透明デバイスの集積実装と微小信号処理の研究
従来の電子デバイスには、硬くて不透明な電極や半導体が利用されており、無機的なエレクトロニクスの存在感がありました。本研究では、人肌のような柔軟性や、水のような透明性を発現する電子デバイスの研究開発を行うことにより、人肌に溶け込む次世代パーソナルセンサの基盤技術を構築します。主に、デバイス集積実装と微小信号処理の研究を推進して、疾患の早期発見などオンサイト状況判断の効率化に資する技術開発を行います。

有川 安信

(川村パネル)

小型レーザー装置による高指向性スピン偏極熱中性子の直接発生と産業応用研究
ものづくり、安全安心の産業を支える新材料、医薬品、たんぱく質の開発には新しい分析技術が必要である。本研究では、指向性が非常に高く、エネルギーが単色で可変、磁気モーメントがそろった中性子を小型装置で発生させる。この手法を1〜3メートルテーブルにすべて、レーザー装置と中性子発生装置からなる装置を納めて、一企業でも所有できる装置を開発する。

有澤 美枝子

(水島パネル)

生体親和性分子が担う環境ストレス応答医農薬品の創生
地球規模の環境ストレスに適切に応答する医薬品および食物生産法の開発が求められています。本研究では、多様な生物現象に対応できる生体親和性の極めて高い新規有機小分子化合物の開発を基盤として、バイオスティミュラント・脳疾患改善薬・免疫制御薬/抗アレルギー薬・抗ウイルス薬などの創製に挑戦します。このような医農薬品開発のアプローチは世界的に見て例がなく、学術と産業の二面から貢献することが期待されます。

安藤 和也

(北川パネル)

角運動量流電子技術
電流に基づく現代のエレクトロニクスに対し、電流に加え、電子スピンの流れ「スピン流」により革新的機能を実現するスピントロニクスがあります。本研究は、さらに軌道角運動量の流れ「軌道流」の基礎物性を開拓し、スピン流・軌道流を包括する概念 「角運動量流」に基づく新たな電子技術を切り拓きます。これにより、電流・スピン流・軌道流に基づく新たなテクノロジー体系の基盤構築を目指します。

池谷 直樹

(堀パネル)

都市域風環境の革新的評価手法の研究開発
都市域に発生する風は再現性が非常に低いランダムな現象であることから、十分に長く観測することではじめて、風の強さと発生頻度を正しく予測することができます。しかし、そのための長時間の観測が、実験や数値解析の試行負荷を非常に大きくしています。そこで、都市域の強風や弱風を予測する風環境評価を具体例として、ランダム性の高い現象の強さと発生頻度を、長時間観測を行わずに推定する新しい評価方法を提案します。

池ノ内 順一

(塩見パネル)

細胞質の区画化と流動性を制御する分子機構の解明
癌細胞はブレブと呼ばれる動的な細胞膜構造を形成して運動します。本研究では、ブレブに着目することによって明らかになった「細胞質を区画化し、その一部においての特定のタンパク質の組成を変化させる分子機構」や「細胞質の流動性を局所的に変化させる分子機構」など、細胞質の持つユニークな性質を解き明かします。そして、それらの異常がどのような病態を引き起こすかについて明らかにします。

石井 孝佳

(阿部パネル)

染色体脱落の克服による遺伝資源概念の拡張
育種において最も重要な課題は交雑による多様性の導入です。しかし、交雑後の胚発生で片親の染色体が選択的に脱落する染色体脱落現象により、多様性の導入が不可能な場合があります。本研究では、雌親にパンコムギとエンバクを使用した際の染色体脱落の程度が異なるペニセタム属の起源地での多様性を解明します。最終的には、染色体脱落を克服する方法の確立を目指します。染色体脱落を克服し、遺伝資源概念の拡張をもたらします。

石川 香

(塩見パネル)

ミトコンドリア病の未知の病態形成機構の解明
ミトコンドリア独自のゲノム、mtDNAの突然変異により発症するミトコンドリア病は、病態が多様かつ複雑で、病態形成機構も不明です。その解明にはモデルマウスを用いた病態解析が有効ですが、mtDNAの改変は非常に困難でミトコンドリア病モデルマウスの樹立は進んでいません。本研究では、独自の手法を用いて新規ミトコンドリア病モデルマウスを複数樹立し、その病態比較を通じてミトコンドリア病の病態形成機構の理解を目指します。

石川 亮

(北川パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

3次元・ダイナミック原子分解能電子顕微鏡法の開発
従来の2次元に投影された原子構造解析から脱却し、3次元での立体原子構造解析手法および原子ダイナミクスを捉える高速電子顕微鏡法の開発・高度化を行います。これらの最先端電子顕微鏡法を用い、代表的な不均一触媒である貴金属ナノ粒子と酸化物基板の間に形成されるナノ界面の原子・電子構造を明らかにし、ナノ粒子の凝集・反応過程の直接観察、触媒活性点および劣化機構の解明を目指します。

石津 綾子

(天谷パネル)

造血幹細胞運命における新規予知因子の解明
本研究は、一生涯の血球産生に必要な造血幹細胞の維持機構を発生期、成人期、老年期に徹底的に解析し、造血幹細胞の運命決定因子と方法を解明することを目的とします。発生期、成人期マウスの解析を軸に、サイトカイン依存・非依存の造血幹細胞代謝制御、オルガネラ機能・動態・ネットワーク、epigenetic制御を分析し、生理的特性に強く連結した新規因子の解明に挑みます。

石田 明

(川村パネル)

反物質量子凝縮体によるガンマ線レーザーの実現
電子とその反粒子である陽電子が対になったポジトロニウム原子によって、反物質を含む系における新しい量子縮退状態であるボース・アインシュタイン凝縮を実現し、これを光源に用いてガンマ線レーザーを実現します。既存技術より桁違いに高い周波数領域のレーザー技術を確立することで、光科学・素粒子・原子核・原子・宇宙物理学・材料科学・精密機械計測の各分野にまたがる新奇研究領域を創出します。

石本 崇胤

(天谷パネル)

シングルセル・マルチオミックス解析による線維化シグナルネットワークの全貌解明
スキルス胃癌を代表とする高度線維化を伴う癌が“難治がん“である理由は未だ不明です。本研究では、腫瘍間質の多様性に注目しシングルセル解析と疾患モデルマウスを用いた機能解析の融合により、腫瘍組織の線維化シグナルネットワークの全貌解明に挑みます。得られた網羅的データを基盤として、癌以外の組織線維化に適応可能なシグナルの創出、さらに線維化組織から高頻度に起こる発癌のメカニズム解明に繋がる事が期待されます。

板倉 英祐

(塩見パネル)

血中異常タンパク質分解系の普遍性確立と応用展開
細胞の中の異常なタンパク質を適時厳密に分解することは恒常性維持に重要です。しかしほ乳類の細胞外領域(血液中など)のタンパク質は、漠然と勝手に分解されると考えられ、その詳細は見過ごされてきました。申請者は細胞外の異常タンパク質を選択的に分解へ導くCRED経路を世界に先駆けて発見しました。本研究はこの血中異常タンパク質分解システムなる新領域をイノベーションし、新たな研究分野を開拓します。

市來 淨與

(川村パネル)

散乱光を用いた新しい観測的宇宙論への挑戦
宇宙論では光速度が有限であることから、遠くの宇宙を観測することで過去の宇宙および宇宙の時間進化を調べてきました。この方法は宇宙が統計的に一様等方であるという仮定に基づいているものの、宇宙の異なる場所で比較することになり、どうしても偶然性を排除することができません。本研究では、散乱光を用いることにより、同じ場所の異なる時刻での直接比較を可能とすることで質的に新しい宇宙論の開拓を目指します。

市原 大輔

(田中パネル)

印刷型ブラスト波源で実現する針なし注射
本研究では導電性インク印刷技術を用いた針なし注射装置を開発します。パルス電流による微小領域のジュール加熱でブラスト波を生成し、非定常圧縮された膜面から薬剤粒子を生体組織に向け高速で射出します。本手法により貫入に必要な速度まで粒子を簡便に加速でき、従来の注射と同等の効果を医療機関に掛からず低侵襲に達成します。これはセルフメディケーションの促進に繋がり、健康的な生活の確保と福祉の推進に貢献します。

伊藤 勇太

(八木パネル)

光線場変調による人の現実世界認識の拡張
本研究では、【存在と場の拡張】という研究ビジョンのもと、人々が現実世界の認識を能動的に拡張し、新たな価値観を自由に創出できる未来を模索します。その要素技術として特に、人の視覚と現実世界の光線場を自在に制御する技術と、ヴァーチャルと物質空間の相互作用を行う技術を探究します。これらにより現実とそん色のないAR映像、空間光変調による知覚操作、ヴァーチャルな物体とのリアルな相互作用が可能になります。

稲葉 央

(北川パネル)

内部構造操作による微小管の機能進化
細胞骨格の一種である微小管は、骨格としての強固な構造や運動システム、形成・解離などの特異な機能を有し、生命活動に重要な役割を果たしています。その性質を利用することで、微小管は運動性材料の部品や細胞操作のための標的として注目を集めています。本研究では、独自に開発した微小管の内部空間に分子を導入する技術を活用することで、これら微小管の機能を人工的に進化させる新手法を開拓します。

岩川 弘宙

(塩見パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

植物RNAiの理解と応用:自在な人工ゲノム発現にむけて
植物のRNA干渉(RNAi)は外来遺伝子の発現を抑制するため、人工ゲノムを用いた次世代作物の創出は困難が予想されます。本研究は、独自の生化学アッセイ系の開発を通して植物RNAiを深く理解します。また、その知識を基盤として、望まないRNAiの阻害技術、そして遺伝子発現制御拡張ツールの開発を目指します。これらの新技術は今後人類が直面するさまざま課題を解決するためのシードになると期待されます。

岩田 欧介

(天谷パネル)

新生児の痛み・苦痛を客観定量する簡便なモニタリング法の確立
人は避け得る苦痛から自由であるべきですが、意思疎通が難しい乳幼児では、苦痛の許容か過剰鎮静かの両極を強いられる局面が少なくありません。本研究では、NICU入院児の生体情報の揺らぎから、痛みが抑制する成分を抽出し、苦痛の定量につなげます。同様に、吸痰や身体抑制などの持続する苦痛の定量にも挑戦します。意思表示困難な全人類の生命の質向上に貢献する革新技術の基礎を作ります。

岩部 真人

(田中パネル)

運動バイオマーカーの確立と革新的運動模倣薬の開発
社会全般のオートメーション化による運動不足は生活習慣病の根本的な原因です。一方で運動は健康長寿に向けた最善の方略の一つですが、その作用メカニズムの多くが未解明のままです。本研究課題では、運動によって血中濃度が増加する生理活性物質(新規運動バイオマーカー)を同定します。また、運動の作用メカニズムに基づく革新的運動模倣薬を開発し、疾病を未病の段階で防ぐ究極の健康長寿社会の実現を目指します。

魏 范研

(水島パネル)

RNA修飾が創発する生命原理の理解と応用
RNAには多様な化学修飾が存在し、転写後遺伝子発現を調節し、高次生命機能に不可欠である。最近、RNAが代謝された後、化学修飾を含むRNA塩基(以下、修飾ヌクレオシド)が細胞外に分泌され、なかには代謝や免疫応答など生体恒常性を調節しうるものも存在することが明らかになりつつある。本研究はこれら修飾ヌクレオシドの生理機能の解明と生体機能制御への応用を目的として、新たな生命科学分野の創発と創薬イノベーションに挑戦する。

打田 正輝

(川村パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

極限エピタキシー技術が拓く量子輸送の物理
化合物半導体に象徴されるように薄膜作製技術の向上は常に新しい量子輸送の物理を開拓してきました。本研究では、これまで結晶性・純度がそれぞれ課題となってきたヒ化物・酸化物の分子線エピタキシー成長技術を極限まで追求することで、トポロジカル・強相関物質の高品質なエピタキシャル薄膜とヘテロ構造の作製について強固な技術基盤を構築し、将来のエレクトロニクスの可能性を切り拓く革新的量子輸送機能の創出を目指します。

植村 隆文

(北川パネル)

シート型バイオモニタリングシステムによる生体代謝物計測
本研究では「超軽量・フレキシブル電子回路技術」と「バイオテクノロジー」の融合により「シート型バイオモニタリングシステム」を実現します。このシステムは、生活習慣病予防、未知の感染症への備えに繋がる種々の生理指標(生体代謝物)を日内変動も含めて「低侵襲かつ常時計測」するための革新的技術です。この技術革新により、将来的な予防医療・遠隔医療につながる破壊的イノベーションを創出します。

梅津 大輝

(塩見パネル)

筋組織リモデリングにおける細胞の若返り現象の解明
私たちの臓器は新しく生まれた細胞によって常に入れ替えられています。通常この過程には幹細胞の増殖と分化が重要です。一方、私は、昆虫では古い骨格筋がバラバラになって生じた筋断片が遊走・再集合し、新たな骨格筋に生まれ変わっている可能性を独自に見出しました。本研究では、細胞運命の転換から集団的細胞動態までの一連の過程を制御する分子メカニズムを明らかにし、細胞の若返りによる組織再構築原理の理解を目指します。

梅村 将就

(田中パネル)

交流磁場の持つ抗腫瘍効果のメカニズム解析とがん治療への応用
我々は特定の周波数の交流磁場が、抗腫瘍効果を持つことを発見しました。これまでの研究では、発熱媒体を使わず、温熱効果でもなく、交流磁場刺激のみで抗腫瘍効果を示すことがわかっています。実際に様々ながん種の培養がん細胞や担癌マウスに対して強い抗腫瘍効果を示しています。一方、正常細胞ではこの効果は認められません。この限られた範囲の交流磁場が、なぜがんに対して抗腫瘍効果を持つのかについて調べます。

榎戸 輝揚

(川村パネル)

宇宙放射線による月の水資源探査から月面天文台への挑戦
月への進出には水資源の効率的な探査が重要です。月に降り注ぐ銀河宇宙線は表面下の核反応で中性子を生成し、水があれば熱中性子として漏れ出します。本研究では、宇宙放射線の測定技術を活用し、月面ローバーに搭載可能な非接触の中性子水モニタを開発します。これを高エネルギー大気物理学や地上の土壌検査にも応用し、超小型衛星による宇宙実証も狙います。さらに、月面での放射線の測定から史上初の月面天文台を目指します。

榎本 彩乃

(田中パネル)

臨床用OMRIの技術基盤の構築と実証研究
様々な疾病にはフリーラジカルが関係しています。基礎研究では多くのエビデンスが示される一方で、フリーラジカル計測器は臨床機器として確立されていません。本研究では大幅な低電力化のアイデアにより、初のフリーラジカル計測・診断医療機器プロトタイプを実現します。その結果、人体中でのフリーラジカルと疾病の関係が直接明らかになるため、創薬研究など医療分野において多大な発展をもたらすことが予想されます。

大倉 史生

(八木パネル)

Plant Twin: 育種・栽培のための植物仮想化
本研究の究極目標は、植物センシングデータからの植物体の完全仮想化、つまり植物のデジタルツインの生成です。本研究では特にコンピュータビジョンに関する技術要素に着目し、植物を撮影した画像群から、その形状のみならず、枝葉構造、時系列変化などを、遮蔽領域も含めて再現します。仮想化植物モデルは、シミュレーションや遺伝子との対応付けを可能にし、栽培の自動化、育種(品種改良)の高速化の強力なツールになります。

太田 雄策

(川村パネル)

超稠密海陸測地観測によるジオハザード連続監視
本研究では超稠密な海陸の測地観測網によるジオハザードの連続監視を実現し、地震による津波、火山噴火、集中豪雨等のジオハザードをリアルタイムで監視するとともに、その推移を即時的に、かつ誤差とともに予測する技術の獲得を目指します。同技術の社会実装により監視コストの劇的な低減およびジオハザードからの避難行動の様式に変革がもたらされ、ジオハザードに対する防災・減災に対して破壊的イノベーションが期待されます。

大野 誠吾

(北川パネル)

モアレ励起によるトポロジカル情報の物質系への転写
モアレは2つの周期が重なり干渉するときにできる新たな周期です。これまで2次元周期モアレはある種のベクトル場として扱うことができトポロジカルチャージと呼ばれる渦構造が並んでいることがわかってきました。本研究では、モアレのもつトポロジカルな性質を、光を媒介させて物質系へ転写する方法を提案します。もし実現できれば物質系に新たな振動状態の励起や秩序状態の発現など新たな物性物理の開拓へとつながります。

岡崎 朋彦

(塩見パネル)

抗ウイルス防御における細胞内カルボキシル化修飾の包括的理解
インフルエンザやSARS-CoV-2ウイルスはパンデミックを起こし人類の存続を脅かす為、ウイルス感染防御機構の解明は喫緊の課題である。本研究では、私が世界で初めて発見した「細胞内タンパク質カルボキシル化」によるウイルス抑制機構の包括的理解を目指すとともに、新たな抗ウイルス防御戦略を提案する。

岡本 一男

(水島パネル)

骨・免疫・がん連関に基づく、がん骨転移の病態理解と制御
がんの遠隔臓器への転移はがん患者の最大の死因であり、中でも骨転移は予後不良であり QOL を著しく損ないます。しかしながら未だ骨転移の根治療法は存在しません。本研究では、前転移段階において形成される転移誘導性骨環境を提唱し、その形成機構の解明に取り組むとともに、骨転移に対するがん免疫応答を骨構成細胞、免疫細胞、がんの三者関係から解き明かすことで、がん骨転移を予防し治療する画期的医療の開発を目指します。

小川 正晃

(合田パネル)

期待外れを乗り越える動機づけの神経メカニズム
本研究は、心理学で想定される「期待が外れてもそれを乗り越える動機づけ」に着目し、その動機づけを調べる動物行動モデルと生物学との先端的融合に挑戦して、動機づけの神経メカニズムの理解にブレークスルーをもたらします。また、こころの生物学的メカニズムを解明する新たな研究領域を創出します。その成果は、動機づけの異常が関わる精神・神経疾患の症状の理解や治療、教育法などの変革につながることが期待されます。

荻沼 政之

(塩見パネル)

エネルギー代謝による組織形態形成・維持機構の解明
本研究は、エネルギー代謝経路のエネルギー産生とは異なる生命制御における全く新しい機能の解明を目指します。そこで生体イメージング解析に適したゼブラフィッシュや新規モデル生物である超速老化魚ターコイズキリフィッシュを駆使し、エネルギー代謝によって生じた代謝物が化学勾配などの特徴的な化学分布パターンを作り、それがパターン形成因子として働くことで胚の組織形成や成体組織の老化防御に関わる事を示します。

奥村 正樹

(伊丹パネル)

細胞内高次会合体の動態解析
高次会合体とはタンパク質の不可逆的及び可逆的会合体形成によって生じたアミロイド線維や生物学的相分離を指します。高次会合体は正常な細胞で起きる生命現象だけでなく神経変性疾患等とも深く関わっていますが、未だ細胞内高次会合体の構造解析例は殆どなく、その動態の多くは謎に包まれています。そこでタンパク質分子が実際に働いている現場でのin situ構造解析に挑戦し、関連疾患の新たな治療戦略を目指します。

桶葭 興資

(伊丹パネル)

DRY & WET:界面分割法による多糖の再組織化技術
本研究では多糖の再組織化技術の確⽴を⽬指し、独⾃に⾒出した「界⾯分割法」によって物質拡散やエネルギーの⽅向制御材料を創製します。特に、⽔との歴史が⻑い⽣体⾼分⼦「多糖」に着⽬し、乾燥環境下で形成する幾何学パターンについて系統的に探求するとともに、階層的な秩序化法則を解明します。21世紀のネイチャーテクノロジーを創発するためにも、材料工学、物理、化学、および数理の観点から挑戦します。

鬼塚 和光

(阿部パネル)

革新的化学ツールによるRNA機能の制御と理解
RNAは次世代の医薬品標的分子として世界中で注目されています。RNAに関する正確かつ大規模な情報を簡便に取得できる化学ツールは、新しい制御分子の開発やRNAの新たな機能の発見を加速するため、非常に重要です。本研究で提案する化学ツールはRNA-小分子間相互作用と高次構造形成位置の新しい大規模情報取得法で、確立すれば革新的手法としてRNA標的創薬をはじめとした世界中のRNA関連研究を大幅に加速することが可能になります。

小野 悠介

(田中パネル)

骨格筋維持システムの解明と健康長寿戦略の創出
生涯にわたって自立した生活を送るためには、筋萎縮を抑制し筋量を維持することが重要です。しかし、筋萎縮を引き起こす上流因子(トリガー) となるメカニズムについてはあまりわかっていません。本研究では、不活動、糖尿病、加齢等により誘発される筋萎縮の共通トリガーを同定し介入標的を見出します。解明したメカニズムを応用することで、健康長寿社会の実現に資する技術基盤を構築します。

小原 良和

(井村パネル)

最先端超音波を駆使した3D欠陥可視化技術創成
本研究では、最先端超音波を駆使して「実構造物にセンサをあてるだけで、内部の複雑欠陥を瞬時に3D可視化する技術」を創成し、「3Dビッグデータ情報とAI技術の融合により人知を超えた高信頼性診断技術」を確立します。これにより、エネルギーインフラや自動車・航空産業の非破壊計測分野に破壊的イノベーションを引き起こし、安全・安心な社会と経済性の両立、我が国の産業の国際競争力強化に大きく貢献します。

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