研究体制

創発研究者(2021年度採択)

た行

鷹尾 祥典

(井村パネル)

90%超の効率を維持した推力可変な宇宙推進機
近年、利用が急増している超小型衛星や将来の有人宇宙探査に必要な大量物資輸送機に使える電気推進機の注目が高まっています。本研究では、その中でも推進剤から直接高速イオンビームを引き出すことで、究極的にはほぼ損失の無い加速が可能なエレクトロスプレー推進機を対象にします。プラズマ利用の従来機と比較して高効率な利点に加え、推力密度を飛躍的に向上させることで幅広い用途に活用できる宇宙推進機の実現を目指します。

高木 悠花

(吉田パネル)

海洋の光共生が織りなす異生物間ネットワークの解明
海洋のプランクトンは、周囲の環境や他生物と相互作用しながら生態系を支え、物質循環の一端を担っています。特に「光共生(藻類との細胞内共生)」を行う種は、貧栄養海域のキープレーヤーです。本研究では、この光共生が織りなす未知なるネットワークの解明に挑みます。多様な宿主と共生するハブ共生藻の特定や、光共生のマーカー遺伝子の特定などを通じ、光共生ネットワークの構造や強度、その物質循環への寄与を解明します。

高橋 阿貴

(合田パネル)

怒りの爆発を抑える生物学的基盤の解明
怒りの爆発による過剰な攻撃行動は大きな社会問題である一方、攻撃性を特異的に抑制する薬物は存在しません。私は、マウスを用いて過剰な攻撃行動を誘発する神経回路の全貌を明らかにするとともに、その性差を明らかにします。そして、内分泌系や免疫系、腸内細菌などの末梢因子が、どのように過剰な攻撃行動の神経回路の働きに影響を与えるかを明らかにすることで、その介入法の開発につなげることを目指します。

高橋 和貴

(井村パネル)

大電力磁気ノズルプラズマ推進機による宇宙輸送革新
宇宙ミッションの多様化が進む中で、大規模ミッション実現に向けた宇宙輸送技術の重要性が高まっています。本研究では、高周波プラズマ生成と磁気ノズル中のプラズマ加速・運動量変換過程を利用した大電力・無電極のプラズマ推進機に関して、プラズマ流の学術基盤構築、特にプラズマ中の乱れや構造形成による動的輸送の理解と制御、それらの知見に基づいた推進機の高性能化へと挑戦し、革新的な宇宙輸送技術を創出します。

高橋 史憲

(塩見パネル)

小分子分泌による長距離乾燥応答の制御解明
植物は脳や神経をもたずして、離れた器官間で情報を伝達・共有し、劣悪環境でも生き抜いていますが、その詳細な分子メカニズムは不明です。本研究では、植物の乾燥ストレス応答における小分子分泌を介した根と葉間での長距離情報伝達機構を明らかにし、高等生物がもつ個体レベルでの情報統合システムの普遍性と多様性を解き明かします。さらに、分泌型小分子が持つ生理活性を活用し、乾燥耐性植物の創出につなげます。

高橋 陽太郎

(川村パネル)

ナノスピン構造とトポロジーがつくる光スピントロニクス
光と物質の相互作用は自然科学の主要な研究テーマの一つです。近年、ナノメートルサイズのスピン構造やトポロジカルな電子構造から新奇な電磁気応答が生じることが明らかになってきました。私はこれらの電磁気応答を最先端のレーザーテクノロジーを駆使して研究し、物質の持つ新しい光応答の開拓に取り組みます。この研究の成果は、新たな学術領域を創出と、デバイス技術にも直結する革新的な光機能の実現につながります。

高山 雄貴

(堀パネル)

空間経済分析枠組の再構築
本研究は、現実に観測されてきた「都市人口分布の変化(ミクロな変化)」と「都市規模分布の冪乗則(マクロな規則性)」の両方を再現できる、過去に類を見ない政策評価手法を開発することを目的としています。そのために、既存の空間経済分析枠組を根本から再構築し、「実現象との整合性」を確保し、「社会基盤整備や地域・都市政策がもたらす長期的効果の空間分布の把握」を可能かつ容易にする政策分析の基盤を確立させます。

太口 敦博

(水島パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

脱分化細胞の再分化誘導法の確立による機能蘇生医学の創発
慢性臓器障害は様々な原因をきっかけとして恒常的に臓器の機能が低下した病態です。現状ではその進行を遅らせる治療が主体で、機能を回復させることは困難です。本研究では、臓器の細胞が生理的な発生段階で機能を獲得する過程と、病的な環境下で機能を喪失する過程の両面からその分子機構に迫ることで、障害細胞に機能回復を誘導し得る制御因子を見出し、機能蘇生医学という新たな慢性疾患の治療戦略を創出することを目指します。

武市 拓也

(天谷パネル)

完全な炎症制御による先天性魚鱗癬の克服
私は、難病である先天性魚鱗癬の克服を目指して、各患者さんの病態の免疫学的な側面を多角的にプロファイリングし、炎症の完全な制御に挑戦します。臨床検体に加えて、疾患のモデルマウスも作製し、シングルセル解析等の研究方法を用い、各患者さんでの病状形成の深淵に迫ります。皮膚の脂質異常・バリア障害と炎症の相互作用に着目することで、発症機序と病態を包括的に解明し、テーラーメイド医療にまで発展させることを目指します。

竹内 尚輝

(井村パネル)

断熱超伝導回路による革新的量子ビット制御技術
実用的な大規模量子計算機を実現するためには、冷凍機内の極低温下において多数の量子ビットの状態を制御可能な低電力回路技術が必要になります。そこで本研究は、低電力超伝導ロジックAQFPを用いた、超低電力量子ビット制御回路を創出します。これにより、冷凍機内での効率的な量子ビット制御技術を確立し、量子計算機のスケーラビリティに関する課題の解決を目指します。

武田 はるな

(水島パネル)

大腸がんの転移機構の解明
転移性大腸がん形成の分子機序は依然として不明な点が多くあります。本研究では慢性炎症ががん悪性化促進作用を持つことに着目し、トランスポゾンを用いたマウス生体内スクリーニングを行い、転移関連遺伝子を網羅的に同定します。さらに、サイトカイン刺激した大腸オルガノイドのオミクス解析を行い、慢性炎症刺激に対して大腸上皮細胞がどのように応答するかを明らかにします。これらの統合解析により転移を制御する分子機序解明し、新規治療法解明を目指します。

竹原 宏明

(井村パネル)

超低侵襲電子デバイス技術によるデジタル生体エンジニアリング
本研究では、次世代の体内医療機器創出に向けた医用エレクトロニクス基盤技術の研究に取り組みます。いつでも、どこでも、だれでも、日常的に自分の健康状態を把握し、身体の異常を察知及び予測し、予防的に適切なタイミングで治療が施されることにより、人々が健康な状態を維持することを可能とする技術の創出を目指します。

田中 伸弥

(天谷パネル)

自己関連疾患を制御する末梢自己反応性CD4+T細胞についての包括的理解
末梢リンパ組織に存在するT細胞の大部分は、病原微生物 (非自己) を認識し、活性化することにより生体防御に必須の役割を担うことが明らかになっております。一方、同リンパ組織には、自分の組織 (自己) に反応性を持つ(自己反応性)T細胞も、少数ながら存在することが知られており、自己反応性CD4+T細胞は、自己免疫疾患を制御するばかりでなく、ガン免疫に寄与する可能性が示唆されております。本研究では、自己反応性CD4+T細胞の分子制御を明らかにすることで、自己反応性の自在制御を実現する分子基盤の解明を目指します。

田中 雅臣

(川村パネル)

宇宙における重元素の起源の解明
原子物理学・プラズマ物理学と宇宙物理学を融合して、網羅的な重元素の原子データを構築し、重力波天体である中性子星合体からの電磁波シグナルを解読します。その結果を重力波観測と電磁波観測を融合した「マルチメッセンジャー天文学」観測データに応用することで、中性子星合体における元素合成を明らかにし、宇宙における重元素の起源の解明を目指します。

田中 嘉人

(北川パネル)

ナノ構造が拓くマクロな物体の光マニピュレーション
ナノ構造による光制御によって光圧・光トルクをエンジニアリングする、私独自のアイデアに基づき、レーザービーム内のマクロな円板の位置と姿勢をナノ構造によりパッシブ制御する新しい方法を創出し、マクロな光マニピュレーションを実現します。これは、レーザーの優れた指向性を活かした宇宙船のレーザー推進や光学浮上させた光バネ振動子による超高感度力センサなど、次世代技術・デバイスの要素になることが期待されます。

谷本 祥

(川村パネル)

高次元代数幾何と数論幾何の相互作用による新展開
円のように多項式で定義される図形を代数多様体と呼び、その上の座標が有理数になる点を有理点と呼びます。本研究では、高次元代数多様体を研究する高次元代数幾何学を有理点の問題に応用し、逆に有理点を研究する数論幾何学のアイデアを代数幾何の問題に適用して、代数多様体や有理点の基本原理の解明や知の発見を達成します。それにより、高次元代数幾何と数論幾何が融合した高次元数論幾何学の創出・発展を目指します。

田村 彰吾

(田中パネル)

骨髄発生の再現により達成する骨髄オルガノイド開発
本研究は人類がいまだ開発の糸口を見いだせていない骨髄オルガノイドの開発に挑みます。オルガノイドは発生生物学、疾患病理学、再生医療などの研究ツールとして期待されますが、骨髄オルガノイドの開発はほとんど進んでいません。骨髄オルガノイドは、骨髄発生の基盤的研究、血液腫瘍や造血不全疾患の疾患モデル、さらには骨髄移植に代替しうる新たな再生医療マテリアルの革新的シーズとして発展することが大いに期待できます。

田村 陽一

(川村パネル)

次世代大型サブミリ波望遠鏡の限界性能への挑戦
大型サブミリ波望遠鏡と新たな検出器技術の発展によって、世界最大の電波干渉計・アルマの1億倍も及ぶ、宇宙探査体積の破壊的な拡大がもたらされると期待されています。そこで本研究では、口径50m超級の大型サブミリ波望遠鏡の実現を目指し、建築構造学や統計科学、超伝導電子工学との融合により、巨大構造を前提とした高精度アンテナの製作技術や補償光学技術、検出技術の創発に挑戦し、2030年代の天文学を牽引します。

張 慧

(田中パネル)

計算科学とナノ微細加工技術を駆使した超高感度Si ナノワイヤバイオセンサシステムの創製
新型ウイルスの感染抑制が世界的課題となる中、PCR検査より短時間、抗原抗体検査より高精度な検査法が渇望されています。本研究では、計算科学とナノ微細加工技術を用いてSiナノワイヤバイオセンサを作製し、その構造、電気特性、表面状態を最適化して、検体に含まれる極微量の特定ウイルスの迅速・高精度検出を実現します。また、多チャネル同時計測システムを構築して、ハイスループットな革新的検出システムを創製します。

辻 直人

(川村パネル)

高エネルギー超伝導物性物理学の創出
本研究では、従来の低温・低エネルギーの平衡状態や基底状態において発現する超伝導とは全く発想の異なる、高エネルギー領域の励起状態・非平衡状態において超伝導を誘起すること、およびその物性物理学を創出することを目指します。量子散逸・光励起・電場駆動などを用いて固体電子系や冷却原子系に隠れている高エネルギー超伝導状態を探索し、その物理的性質の解明と安定的な生成方法の研究を行います。

恒松 雄太

(伊丹/福島パネル)

超炭素鎖有機分子の生合成
ポストゲノム時代にある今日においてもなお、その生合成遺伝子・酵素はおろか、真の生産者の正体すら謎に包まれている化合物群「超炭素鎖有機分子(SCCM)」について、その生成機構解明を目指します。SCCMが検出される渦鞭毛藻培養液中にて渦鞭毛藻―細菌の細胞内外共生系が成立している点を手掛かりとし、抗生物質等ツール化合物による本共生系の撹乱にて、SCCM産生に寄与する新規因子(微生物種・核酸・タンパク質・代謝産物)を同定し、その機能解明を目指します。

津村 遼介

(田中パネル)

形態化身体知を規範とした自動診断プラットフォームの創生
今後日本では高齢者割合の増加や現役世代の減少・地域偏在化が想定され、労働力に制約が出てくる中で、どのように医療サービスを持続的に地域間格差なく提供するかが課題となります。医療従事者のスキルの多寡や住んでいる場所に依存しない医療サービスの提供を目指し、本研究では、生活習慣病予防のための腹部超音波検査を対象に、ロボティクスを用いた術者の形態化身体知を規範と自動診断プラットフォームを構築します。

都留 智仁

(北川パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

欠陥ダイナミクスに基づく力学機能設計と材料開発への挑戦
現代社会では、構造材料として多くの金属材料が使われています。これらの合金は試行錯誤や経験的知見によって開発されてきましたが、多様な元素を含む最先端の材料では、最適な合金設計を行うことはできなくなっています。本研究では、金属材料の力学機能を決める欠陥構造とその動的挙動を、電子構造に基づいて記述する枠組みを構築し、経験的知見に頼ることなく、戦略的に力学機能を設計できる材料開発基盤の確立を目指します。

鶴岡 典子

(田中パネル)

極細径針1本で刺激・計測を行う極低侵襲局所負荷試験
本研究では、外径0.2mm、長さ1~2mm程度の微細針1本を皮膚に刺入し、皮膚局所に刺激(負荷)を与え、その反応を計測することで身体の状態を把握する、局所負荷試験針を開発します。全身の代表として皮膚局所で身体の状態をモニタリングし、負荷試験を行うことは、使用者の負担軽減につながるだけでなく、局所の皮膚に対する負荷試験という新たな手法により、皮膚のメカニズム解明に役立ち、新たな知の創出につながります。

寺尾 京平

(井村パネル)

生体を分解・構築する1分子機械加工の実現
現在、バイオサンプル調製に至る大部分の過程が、熱拡散に依存した偶然に頼らざるを得ず、細胞や生体分子に対して1個1個の解像度で処理を行うことはできません。本課題では機械工学的なアプローチを、細胞と生体分子にまで拡張することで、これまで扱うことのできなかった個々の細胞や分子を望み通りに加工します。本研究は、レーザー光で液中駆動する機能化ナノツール群を実現し、生体の分解と構築を実証します。

寺本 篤史

(堀パネル)

微生物を活用した居住者自身が行う建築材料の診断及び高耐久化方法の提案
本研究では微生物を活用して、居住者自身が建築物の性能を気軽に測ることができ、ニーズに応じて回復できる技術の開発に取り組みます。建築材料の表層部に生息する微生物は水分量やpH、養分となる有機物の付着状況により種類や量が変化すると推察されます。本研究では微生物の生息状況の変化から建築材料の経年劣化診断を行う方法を提案し、空隙を閉塞させる特徴を持つ特殊な微生物により表層部の緻密化、高耐久化を目指します。

所 裕子

(北川パネル)

ナノと双安定性の相関による新奇機能性物質の探索機構の創出
本研究では、環境や健康への害が少ないサスティナブルな材料を舞台とします。物質形状をナノスケールで制御して双安定性をコントロールすることで、新奇な物性および先端的な機能性を発掘し、環境問題およびエネルギー問題解決の礎となる物質を創出します。そして、本研究の“ナノと双安定性の関係を利用した物質探索機能”の有用性を実証し、世の中に提案することを目指します。

野老山 貴行

(井村パネル)

2.5次元炭素骨格が生みだす超省エネルギ表面の創製と探索
大気中における超低摩擦材料の実現には、摩擦を低減するグラファイトの2次元構造と、荷重を支える立体的なダイヤモンド3次元構造が必要です。しかし、雰囲気の酸素によってグラファイト構造が破壊され超低摩擦を維持できない欠点がありました。膜内への酸素侵入を防ぐ新たな手法として酸化タンタルを導入すると、摩擦によって酸素が脱離することと、雰囲気の酸素によってタンタルが酸化することが平衡状態に達し、グラファイト構造を保護できることがわかりました。

富永 依里子

(北川パネル)

海洋光合成細菌が化合物半導体を結晶成長する機構の全貌解明
本研究は、細菌が呼吸をする際に利用する呼吸鎖 (電子伝達系) のはたらきによる金属イオンの酸化還元反応を制御するという着眼点を基軸として遂行します。これまでの実験の過程で私が独自に得たIII-V族化合物を部分的に結晶として体外に合成する細菌を用いて、菌体最表層での酸化還元反応機構と合成重金属や化合物半導体の結晶化の過程を解明し、光照射による半導体結晶の合成効率の向上と結晶化の制御を達成します。

富安 亮子

(川村パネル)

生物由来の新しいパッキング生成法による離散モデリング
葉序・ひまわり頭部の形態モデリングに使用可能な密な点パッキングの生成方法として、黄金角を用いたものが知られています。この手法の適用範囲を、世界で初めて一般曲面および高次元に拡張したことで、同じ形を保って成長するという自己相似性を有する形態や、回折像に離散的な輝点を生成する離散構造の、新しい数理モデルが得られることが分かりました。本研究では、これらの現象の背景にある数理の研究を進めるとともに、生物・物質構造のモデリング・パターン生成、数値計算のメッシュ生成に手法を適用し、数理と科学的応用の相乗的発展を目指します。

鳥屋尾 隆

(伊丹/福島パネル)

外挿的探索が可能な機械学習を用いた未踏触媒空間の探索
人工知能(AI)技術を活用し、革新的な固体触媒を創出します。実験・理論・データ科学を融合した新しい触媒研究を展開し、学術的にも産業応用上も重要な反応に有効な触媒探索を行います。科学者の経験値と勘に基づいて行われてきた新触媒開発の手法を転換する、新しい触媒研究の方法論を提案することを目指します。

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