研究体制

創発研究者(2021年度採択)

な行

内藤 英樹

(堀パネル)

AIを活用した社会基盤構造物の高精度健全性診断
道路、鉄道、空港などの社会インフラを末永く安全・快適に活用するためには、目には見えない構造物内部の劣化を早期発見することが重要です。本研究は、デジタル制御加振器を用いた高精度の非破壊検査技術とAIを搭載した走行式点検装置を開発します。この装置により、新幹線軌道、高速道路、橋梁、空港滑走路などを広範囲かつ高速に点検できるとともに、AIに必要な大量のデータを効率よく集めて点検精度の向上に繋げます。

中川 桂一

(田中パネル)

音と細胞に関する研究開発
医療において音は、痛みなく生体内を診断するのみならず、生体を刺激・制御するツールとして研究・応用が進められています。しかしながら、音と生体の相互作用、特に初期作用については計測の困難さから不明な点が多く残されています。本研究では、音と生物の構成単位である細胞の相互作用について、独自の可視化技術により現象の理解をすすめるとともに、音と細胞に関する医療アプリケーションの開発に挑みます。

長久保 白

(北川パネル)

nm/サブTHz領域における極限超音波技術の創出
私は光(フェムト秒パルスレーザ)を用いて音(サブTHz超音波)を操る究極の計測技術を開発します。音・超音波は身体内部のイメージング、配管の非破壊検査、材料の力学特性の計測など、幅広い分野で重宝されてきました。しかし従来の超音波技術は波長が長いためナノスケールでの計測には不向きでした。そこで私はフェムト秒パルスレーザを用いて可視光よりも波長が短い超音波を操り、更にナノスケールで焦点化する極限超音波技術の創出を目指します。この究極の超音波計測技術は半導体やタンパク質などの構造・力学特性・形態変化を計測することができるため、幅広い分野における科学技術の発展に大きく貢献します。

中嶋 藍

(合田パネル)

神経活動依存的な神経回路形成を支える情報表現機構の解明
神経細胞が発する電気的な活動は、遺伝子発現の制御を介して複雑かつ正確なネットワーク形成を保証しています。しかし、経時的に変動する神経活動パターンがどのように細胞内のシグナル伝達系に読み取られ、神経細胞の個性に応じた多様かつ特異的な遺伝子発現が達成されるのかに関しては殆どわかっていません。本研究では、嗅覚系をモデル系として、神経細胞一般に敷衍可能な"電気"から"分子"へと変換する基本原理の解明に挑みます。

中島 雄太

(田中パネル)

包括的がん医療実現にむけた免疫細胞モジュールの創成
がんの根治を実現するためには、早期発見と早期治療が重要です。本研究では、免疫細胞が持つ、「異物を見つける」「異物の情報を伝える」「異物を退治する」などの機能を「マイクロデバイス・生体材料」などの工学技術と融合することによって、早期のがん診断とがん治療を達成する革新的技術を創出します。この技術を基盤とし、がんの診断から治療までを一括で実現できる包括的がん医療への道を切り拓きます。

中島 悠太

(八木パネル)

映像記述のための言語を創出する人工知能の実現
深層学習のモデルは映像の意味をほとんど理解できていないことが最近の研究で明らかになってきました。本研究では、どこに注目するかによって様々な解釈ができる映像を、深層学習のモデルがうまく捉えきれていないことにこの問題の本質があると考えます。人が言語によって見たもの・ことを説明できることに着目し、深層学習でも「言語」を学習によって創り出し、その「言語」で映像を記述する仕組みによって、真に映像を理解する人工知能を創出します。

永田 健一

(天谷パネル)

レコーディングマウスによる神経炎症の全容解明
アルツハイマー病の脳では慢性的な炎症が生じていることが知られています。炎症組織中の細胞は時間的・空間的に著しく変容します。そのため、現時点の情報だけでなく、過去にさかのぼって細胞の状態を追跡することが疾患の全容理解に必要です。本研究では「過去のある時点でどのような状態にあったか」を細胞自身に記録するシステムを構築します。そして、特定の細胞集団のみを抽出し、その集団の運命や状態の変遷などを解析します。本研究は神経炎症の未同定のプロセスを紐解き、もってアルツハイマー病の個別化予防を目指すものです。

中西 未央

(水島パネル)

前駆細胞の脱分化による組織再生メカニズム解明とその制御法の創出
幹細胞と前駆細胞は組織にダメージが加わると各々の役割を平常時とは劇的に変化させ、組織を再生します。本研究では従来の理解を覆す前駆細胞から幹細胞への「脱分化」の発見にもとづき、これらの細胞による組織再生制御の基本原理を造血系をモデルとして解明します。さらに脱分化を薬剤で制御することで、組織再生の誘導・異常な脱分化が引き起こす老化の抑制を実現し、再生医療・抗老化医療のイノベーション創出を目指します。

永野 惇

(阿部パネル)

野外トランスクリプトームの化学的制御手法の確立
生物本来の生育場所であり、主たる農業生産の場でもある野外では、温度や光などが刻一刻と複雑に変化します。本研究では、独自の遺伝子発現予測技術と、大規模な環境制御、ケミカルトランスクリプトミクスを組み合わせることで、複雑な野外環境下における遺伝子発現の化学的制御を合理的に設計する技術の開発を目指します。この技術によって、野外における環境応答の分子機構の解明、その自在な制御につながることが期待されます。

中村 彰彦

(阿部パネル)

プラスチックを探して壊すバイオマイクロドローンの創出
マイクロプラスチックによる海洋汚染が深刻化していますが、そのサイズゆえ物理的に除去するコストが高く解決策がありません。一方で海洋中では微細甲殻類が生産する大量のキチンが分解代謝されています。そこで微生物のキチン探索分解システムのキチン分解酵素をプラスチック分解酵素に置き換え、またキチン分解物検出酵素をプラスチック分解物が結合するように改変することで自律的にプラスチック片を探索し、集まって分解する微生物を作成します。

鍋倉 宰

(水島パネル)

記憶NK細胞の人為的分化誘導法の開発とその応用
ナチュラルキラー(NK)細胞はがんの排除に必要不可欠な免疫細胞です。しかし、これまでにNK細胞によるがん免疫応答を増強する手法は開発されていません。近年、NK細胞が強力な抗がん活性を持つ記憶NK細胞に分化する事が明らかになりました。本研究では、記憶NK細胞の分化を制御する分子機構の解明を通し、人為的に記憶NK細胞分化を促進する事で、がん免疫を増強するというコンセプトを確立する事を目指します。

新居 陽一

(川村パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

先端計測による強相関フォノニクスと熱機能の開拓
熱制御は環境の微小エネルギーを有効利用するという観点から極めて重要な研究対象です。しかし熱は主に電気や磁気に対して中性なフォノンと呼ばれる粒子によって運ばれるため、その制御は容易ではありません。本研究では強相関物質のフォノニクス機能に着目し、先端計測手法の開発と併せて遂行することで、新しい熱機能の開拓と熱流制御に向けた基盤技術の創出を目指します。

新見 康洋

(川村パネル)

原子層人工結晶の創製とスピン流プローブの学理構築
本研究課題では、超伝導や強磁性など相転移を示す層状物質を原子レベルの薄膜に劈開し、自由に貼り合わせることによって、天然結晶では創出できない人工結晶系特有の物性機能を発現させます。このような人工結晶は微小であるため、バルク物質に有効な測定手法は使用できません。そこで、スピントロニクス研究で重要な役割を果たすスピン流をスピンに敏感な新しいプローブとして用いることで、スピン流プローブの学理構築を目指します。

西村 俊哉

(阿部パネル)

鰭(ヒレ)から魚を創る
魚のヒレは切断されても素早く再成長して元の形に戻ります。この時、傷口には再生芽細胞と呼ばれる特殊な細胞集団が形成されます。
本創発的研究では、この高い再生能力を持つヒレの細胞からiPS細胞を創り出し、さらに生殖細胞に分化させることで、ヒレから新たな魚を再生する技術の確立に挑戦します。

丹羽 健

(北川パネル)

高エネルギー密度窒化炭素の創製と機能創出
炭素と窒素は地球上に豊富に存在し、様々な物質・材料の構成元素を担っています。しかしそのポテンシャルはまだまだ未知数です。本研究では、物質の状態を大きく変えることができる圧力場を駆使し、地球深部に相当する環境(百万気圧、数千℃)で炭素と窒素からなる新奇な炭化窒素の創製を目指し、そこに潜む高エネルギー密度物質としての可能性や、ダイヤモンドを上回る超硬質性など、新しいユビキタス物質・材料科学の開拓に挑みます。

根本 理子

(阿部パネル)

がん細胞内過剰鉄を酸化鉄に変換する革新的技術の開発
がん細胞は細胞内に多量の遊離鉄を蓄積し、この遊離鉄を利用して増殖・転移を活発化させています。驚異的な鉄代謝能力を持つ軟体動物のヒザラガイから見出した鉄酸化酵素および鉄沈着タンパク質の遺伝子をがん細胞に導入することで、細胞内の遊離鉄を不活性な酸化鉄として沈着させる技術の開発を目指します。本技術は、がんの治療だけでなく、磁気検出装置を用いたがんの早期診断にも応用可能な革新的技術となることが期待されます。

野中 元裕

(水島パネル)

エピトープ模倣ペプチドの横断的解析と液性免疫の制御
自己免疫疾患では多くの場合、自己のタンパク質の他、核酸(DNAやRNA)、糖鎖、脂質など様々な物質に対する自己抗体が分泌されます。私は、それら複雑な生体高分子のうち、自己抗体に結合する構造単位(エピトープ)に着目し、エピトープを模倣するペプチドの配列情報を取得していきます。また、これらペプチドを用いて、病因となるB細胞を除去可能な方法を開発し、自己免疫疾患の治療法の創出に貢献します。

野間 健太郎

(塩見パネル)

遺伝学的スクリーニングによる神経機能老化機構の解明
私は線虫の遺伝学的スクリーニングを用いて、神経機能老化を引き起こす遺伝子を探索します。さらに、線虫の食餌である大腸菌について、その変異株の網羅的スクリーニングをもとにして、老化のトリガーとなる代謝物を探索します。これら二つのアンバイアスなアプローチによって、神経機能老化の本質的分子メカニズムを追求し、老化が遺伝的に緻密に仕組まれたものであることを証明したいと考えています。

野村 征太郎

(天谷パネル)

心筋細胞の可塑性に着目した心不全の層別化と治療法の開発
超高齢化社会に突入し、がん・心血管疾患といった老化関連疾患が急増しています。これら老化関連疾患に共通する分子病態はゲノムDNAの損傷です。つまり、ゲノムDNA損傷の分子機序の本質を理解してそれを制御できるようになれば、これらの疾患を適切に治療できるようになると考えられます。本研究では、心筋細胞のDNA損傷によって発症する心不全の病態を、心筋細胞の可塑性に着目して診断・層別化・治療する手法の開発を目指します。

野本 貴大

(田中パネル)

代謝制御型薬物送達技術に基づく次世代医療モダリティの革新と創出
2020年、がん細胞を選択的に殺傷するホウ素中性子捕捉療法が、世界に先駆け日本において保険適用されました。このような中性子などの外部エネルギーを利用して超低侵襲的にがんを治療する技術は、第4のがん治療法の免疫療法に続く第5のがん治療法として大いに期待されています。本研究ではこの第5のがん治療法の適用範囲を大幅に拡大する薬剤を開発し、さらに多様ながんを治療することのできる革新的医療技術の創出を目指します。

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