研究体制

創発研究者(2021年度採択)

や行

柳澤 実穂

(北川パネル)

ナノ-マクロ空間相転移の学理によるシン材料科学
分子よりも大きな細胞サイズ空間での高分子挙動は、表面を含む複数の弱い相互作用により決定するため、ナノ系ともマクロ系とも異なる相転移現象が観察されます。本研究では、平均場理論で記述可能なマクロ系での高分子挙動が、どのような空間特性により変化し、制御されるのかを定式化します。本研究により、ナノ-マクロ空間に至る相転移の全容解明と、空間を介した高分子材料の物性操作という新展開が期待されます。

柳田 絢加

(塩見パネル)

ヒト胚発生モデル構築によるヒト胚発生機構の解明
子宮内で進行する着床や胚発生機構は未だブラックボックスです。特にヒト胚発生研究は、胚の入手や胚への遺伝子操作の難しさから大きく遅れています。私はヒト多能性幹細胞から着床前の胚(胚盤胞)を模倣したブラストイドの作製に世界に先駆けて成功しました。本研究ではこの技術を用い試験管内で発生過程を経時的に観察・検証可能なヒト胚発生モデルの創出、着床・胚発生機構の解明を行い生物学・医療への貢献を目指します。

柳谷 耕太

(塩見パネル)

オルガネラ量ホメオスタシスの根底原理の解明
動物細胞において、同じ種類の細胞間では、ミトコンドリアなどのオルガネラの量は驚くほど類似しています。これは、オルガネラ量の恒常性(ホメオスタシス)を司るシステムが存在することを示唆していますが、その実態はほとんどわかっていません。本研究では、このオルガネラ量の恒常性維持システムの根底原理の解明を目指し、老化や糖尿病などのオルガネラ量が異常になる疾患の新たな治療法の提案を目指します。

柳谷 隆彦

(井村パネル)

電池レス無線給電デバイス用の新規3次元配向圧電薄膜の創製
大量のパッシブセンサや電子デバイスがつながる新たな社会が期待されています。しかし、それらのエネルギー源(電源)を確保する決め手の技術がなくボトルネックとなっています。一方で今後、ますますの無線通信の普及が予想されており、環境電磁波のエネルギー密度増大が見込まれます。本研究では、独自の結晶方位制御技術を用いて新しい3次元圧電薄膜構造を開発し、無線給電用のアンテナ整流器への応用を目指します。

山野 友義

(天谷パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

デザイナー抗原提示細胞による免疫制御法の開発
私はこれまで免疫制御に関わる因子を同時にエクソソーム上に発現させる技術を開発してきました(PCT/JP2021/007778)。本研究では私がこれまで開発してきた複数の免疫制御因子をエクソソームに載せる基盤技術とmRNA医薬の技術を融合させます。“免疫を特異的に制御する”デザイナー抗原提示細胞を生体内で分化させる技術を開発することで、がんに対する新しい治療法の確立に挑戦します

山本 玲

(水島パネル)

革新的 in-vivo cell history recorderマウスモデルの確立
生体内での細胞分裂を精密に追跡することができれば、様々な生命現象や疾患の理解に繋がります。そこで私は、細胞分裂と細胞系譜をあらゆる細胞種で追跡可能となる汎用性の高いマウスシステムの構築を目指します。これにより、生体内での細胞分裂パターンを再構成し、機序解明を行うことができ、細胞の分裂機序の解明も期待できます。

八幡 穣

(阿部パネル)

生と死を瞬時に可視化するイメージングAIで解明する細胞死の意味
微生物細胞の画像を撮影するとその生死や死因が表示されるような技術を開発します。微生物の死を「見える化」できれば、例えば殺菌処理の結果をその場で確認できるようになるだけでなく、私たちの健康や地球環境に有益な微生物の力をよりよく引き出すことにもつながります。

兪 史幹

(水島パネル)

エレボーシスを切り口とした腸恒常性維持機構の解明
多くの成体組織の恒常性は、分化細胞の死と幹細胞の増殖のバランスの上に成り立ちます。このバランスが崩れると、組織の萎縮や、組織異形成・癌化につながります。本研究は、新規細胞死エレボーシスを切り口に、ショウジョウバエの高度に発達した遺伝学、ライヴイメージング、単一細胞でのトランスクリプトーム解析を組み合わせることで、分化細胞の死と幹細胞の増殖による腸恒常性維持機構を解明することを目指します。

弓本 佳苗

(水島パネル)

播種性腫瘍細胞を標的とした革新的ながん治療法の開発
がんの死因の9割は転移によるものと言われているが、がん転移を標的とした治療戦略はほとんど存在しない。がん転移治療の上で特に障害となっている問題の1つに、播種性腫瘍細胞(disseminated tumor cell; DTC) が挙げられる。本研究課題では、これまでの研究成果を元に、DTCを標的とした2つの遺伝子について薬剤開発をおこなうことで、DTCを撲滅し再発のない革新的ながん治療法を構築することを目標とする。

横田 紘子

(北川パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

カイラル分域壁科学の創成
本研究では、物質内に存在するカイラリティに関わる分域壁に着目し、これらの分域壁で発現する新機能およびカイラリティの導入による自由度の増加を利用し、”カイラル分域壁科学”として確立させることを目標にします。このために、カイラリティの識別および分域壁の内部構造を観察可能な非破壊3次元可視法を開発します。これにより、従来では成し得なかったカイラル分域壁に起因する新機能性を開拓していきます。

吉井 幸恵

(天谷パネル)

革新的「みえる」がん治療の創発:融合トランスレーショナル科学への挑戦
本研究では、オージェ電子と陽電子を放出し、診断と治療を同時に行えるユニークな放射性元素である64Cuを用いた革新的「みえる」がん治療の社会実装を目指しています。そのために、多様な64Cu標識薬剤のライン開発を加速する多分野融合によるトランスレーショナルサイエンス(融合トランスレーショナル科学)を創発し、がんを根治する破壊的イノベーションを生み出してまいります。

吉岡 耕太郎

(水島パネル)

DDS内在型2本鎖核酸医薬技術の創生
核酸医薬はRNAを標的とした新時代の薬であり、様々な薬物送達(DDS)分子との併用が試みられましたが、未だ標的臓器は限られています。そこで発想を転換して「核酸分子自体にDDS機能を内包する」全く独自の2本鎖核酸技術の開発に成功しました。本研究では、ナノレベルの核酸化学修飾設計や原子レベルの標的分子への結合解析等の分野横断的な新規技術を駆使して、個々の標的臓器に即したDDS内在型核酸分子を発展的に続々と生み出します。

吉田 健史

(天谷パネル)

肺傷害のリスクを可視化するLung stress mapping法の確立と臨床応用への挑戦
ARDS(急性呼吸促迫症候群)は、新型コロナ肺炎を含む様々な病態から発症する急性呼吸不全です。どのような病態・肺形態であれ、人工呼吸器関連肺傷害リスクを評価せず「画一的」な人工呼吸管理が行われきたために、この約20年間死亡率は低下していません。そこで私は、肺生理学と画像解析学との融合による斬新なアプローチで肺傷害リスクを可視化するLung stress mapping法の確立に挑みます。さらに人工知能を用いて、 Lung stress mappingから個々の患者さんに最も適した「先制的」個別化肺保護換気戦略を提案していきます。

吉種 光

(塩見パネル)

様々な時間軸の「時」を決定する分子メカニズムの解明
様々な時間スケールで「時」を測る生命現象が存在しますが、「時」を測る実体はなんでしょうか。例えば概日時計は、時計遺伝子のフィードバック制御がその実体であると考えられてきましたが、これは本当でしょうか。本創発的研究では、i) 概日時計、ii) 老化、iii) 寿命の3つの「時」に標的を絞り、これら時間情報を持った生命現象に着目して、「時」を生み出す分子メカニズムの理解を目指します。

義永 那津人

(北川パネル)

ソフトマテリアルの構造形成プロセスを理解するための数理モデルとデータ科学の協奏
ソフトマテリアルは、高分子、コロイド、液晶など多数の構成要素分子が階層性を持った構造を持つ材料です。環境に柔軟に応答する特異な興味深い機能を持っていますが、非線形、非一様、そして非平衡であるためにその理解は非常に困難です。そこで、ソフトマテリアルの支配方程式をデータ駆動科学的手法で推定することにより、構造・機能形成を理解しつつ新奇な材料開発に貢献します。

吉見 昭秀

(天谷パネル)

がん関連ミススプライシング産物の時空間的運命の決定
未熟なRNAはスプライシングを受け成熟RNAとなります。近年、スプライシングにエラーが起きてミススプライシング産物を生じるとがんの発症につながることが分かってきましたが、このような産物が細胞内でどのような運命を辿るのかはよくわかっていません。本研究では「どのような性質を持ったエラー産物が、細胞内のどのような場所で、どんな細胞内の仕組みによって処理されるのか、あるいは処理されず蛋白質に翻訳されるのか?」という問いに、最新技術を融合させて迫ります。

吉村 奈津江

(八木パネル)

脳波による脳内メカニズムに基づいた音声合成技術の創発
本研究では、自分が聞いた音や思い出した音を脳波から再現することを目的としています。この実現により第三者が聞ける「音」として脳波から再現でき、本人が脳のどこでどのように聞こえているかがわかる可能性があります。さらには、発話ができない人や環境において、思い浮かべただけで音声として再生するサイレントスピーチ技術の確立につながり、考えただけで周囲の機器を操作可能な社会の実現に貢献できる可能性があります。

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