研究体制

創発研究者(2021年度採択)

ま行

牧野 顕

(天谷パネル)

オージェ電子放出核種を利用した放射線内照射治療法の開発
核医学治療のための放射線源としてオージェ電子放出核種を活用することにより、従来のα線やβ線を用いた治療とは異なる、真の細胞レベルでのがん細胞選択的な放射線照射技術の確立を目指します。オージェ電子の特性を活かし、1)殺細胞効果のOFF-ON制御や、2)がん免疫誘導による治療増幅効果について検討を進め、オージェ電子放出核種による高い治療奏功性と副作用低減とを両立した、新しいがん治療法を開発します。

真下 智昭

(井村パネル)

サブミリスケールのロボティクス基盤技術の創製と統合
サブミリスケールのモータ、ギア、センサ、機構部品、マイコン、ドライバ回路などの要素技術を新しく創り出し、ロボットとして統合することで、従来の技術ではできなかった小型サイズのマイクロロボットの研究開発を推進します。異分野の多くの研究者や技術者が、サブミリから数ミリオーダーのロボット・メカトロニクス技術を用いて様々な新しい研究にチャレンジできるような基盤技術を確立するとともに、自らも新しい融合研究に参加します。

松下 祐樹

(天谷パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

間葉系幹細胞を基軸としたがんの進展メカニズムの解明と治療戦略
骨に存在する間葉系幹細胞は、骨の成長、骨折の治癒、骨のがんの発生や、がんの骨転移など、様々な生命現象や病態に大きな役割を果たすと考えられていますが、具体的にどこに存在して、どのようにこれらの事象に関わるかは詳しく分かっていません。本研究では間葉系幹細胞を正確に定義づけ、幹細胞の運命を追跡するとともに、がんの発生や転移にどのようなメカニズムで関わるのかを解明し、幹細胞研究、がん研究発展に貢献します。

真鍋 良幸

(伊丹/福島パネル)

合成糖鎖を用いた細胞表層グリココードの解読と利用
細胞表層にはグリコカリックス(糖衣)と呼ばれる糖の層があり、さまざまな生命現象に関与します。細胞表層糖鎖の機能解明・制御は、生命科学における重要な課題ですが、糖鎖の多様性・不均一性が原因で、現状では、ほとんど進んでいません。本研究では、細胞表層グリココード(糖鎖情報)の解読・制御を可能とする革新的なツールを開発し、これを利用して生体膜における新しいサイエンス・テクノロジーを展開します。

馬渕 拓哉

(井村パネル)

ナノ空間反応性イオン輸送制御システムの創出
材料科学視点から生命科学視点への異分野融合的イノベーションによって「人工DNAチャネルによるイオン選択性の制御」および「人工相分離構造体によるイオン濃度の制御」という2つの時間・空間スケールの異なる現象を融合させた人工イオンチャネルを分子論的アプローチから設計することで、現在のイオンチャネルの概念や常識から脱却し、破壊的イノベーションをもたらす新たな細胞内人工イオン輸送制御システムの創出を目指します。

眞弓 皓一

(伊丹/福島パネル)

強相関ソフトマターの時空間階層構造解析
ソフトマター・高分子材料では、複数の構成要素が互いに相互作用を及ぼし合うことで複雑な物性を示します。本研究では、コントラスト変調中性子散乱法を基軸として、強相関ソフトマター系における分子の協同的な時空間階層構造を解析する実験手法の確立を目指します。さらに、実測した時空間階層構造と物性・機能をつなぐ分子論的理解を深めることで、機能性ソフトマター材料の材料設計指針にフィードバックします。

丸島 愛樹

(天谷パネル)

生体内レドックス反応を制御するナノメディシンの創出
生体内の酸化ストレス障害に関与するレドックス反応は、細胞死や臓器障害を起こす一方で、生体内のエネルギー代謝や機能維持に必須です。この相反する役割は、酸化ストレスを標的とした医薬品開発の障壁でした。本事業では、細胞内のレドックス反応に対して選択的かつ効果的に作用できるレドックスナノ粒子を開発し、これまで治療法のなかった脳卒中を始めとする酸化ストレス関連疾患に対する新たなナノメディシンを創出します。

三浦 恭子

(水島パネル)

長寿齧歯類特有の恒常性維持機構の解明と応用
ハダカデバネズミ(Naked mole-rat、デバ)は、マウスと似た体サイズでありながら最大寿命が37年以上もある最長寿齧歯類であり、強い老化耐性・発がん耐性を示すことから、組織の恒常性維持能力が著しく高いと考えられます。本研究では、デバ特有の長期恒常性維持機構を解析し、将来ヒトへ応用可能な恒常性維持因子の同定を目指します。将来的には、加齢性疾患を「予防」する革新的な方法の創発が期待されます。

水谷 司

(堀パネル)

道路路面下の全自動三次元透視技術の完成
従来目視できるインフラ表面状態などの「可視空間情報」の構築が研究の主流でしたが、次の時代に革新をもたらすのは地中構造物や構造物内部の異常など直接目では見えない「非可視空間情報」の構築、つまり「見えないところの見える化」技術です。本助成では路面下を地中レーダーで計測した後に道路橋RC床版の内部損傷および埋設管・空洞などの三次元位置を私がこれまで開発してきた基幹的要素技術を統合・発展・改良し無人で構築する「道路路面下の全自動三次元透視技術」の実現を目指します。

水谷 知裕

(天谷パネル)

上皮細胞サーキュレーションによる疾患制御イノベーション
進行癌では知られる腫瘍細胞の血中循環ですが、近年、良性疾患や健常な体内でも上皮細胞が末梢血流を循環していることが報告されています。一方で、上皮細胞循環は微量かつ稀な現象であり、その解析は困難でした。私は、革新的な浮遊オルガノイド培養法と循環上皮細胞回収技術を組み合わせることで、循環上皮細胞の実態に迫り、「上皮細胞サーキュレーション」と生体恒常性や疾患病態との関わりを明らかにすることを目指します。

水本 憲治

(田中パネル)

ヒト微生物叢への時系列因果関係推定の応用-疾病制御を目指して
開発が進む時系列因果関係推定法を用いて 1)ヒトの間で流行をもたらす多種の病原体間の相互作用を検証します。流行のタイミング・規模の予測にも応用し、流行対策に活用します。2)腸内・子宮内・口腔内・皮膚細菌叢等から得られるDNAデータと併せ、細菌間の相互作用に加え、細菌叢プロファイルとヒトの健康との関係性を検証します。適した細菌叢の同定を行い、例えば創傷治癒期間の短縮化、不妊治療等への応用を目指します。

三目 直登

(堀パネル)

複雑現象の革新的数値解析パラダイムによる減災設計戦略
構造物の高度な耐津波「減災」設計実現には、波力の他に、津波漂流物の衝突など、複数の物理現象を考慮した複雑な数値解析が必要ですが、これらを統一的に扱う方法論は確立していません。本研究では、数値解析の数理に立ち帰り、「マルチフィジックス解析」、「並列解析」、「機械学習技術による高速化」を包括した革新的数値解析パラダイムを創成します。減災のみならず、様々な分野の複雑現象解析を統一的に扱う方法論を提示し、発見的シミュレーションが当たり前の世界へと歩みを進めます。

宮崎 晃平

(伊丹/福島パネル)

アニオン駆動型電気化学の創発と応用展開
身の回りに存在する機能性の無機化合物の多くは、カチオン(陽イオン)とアニオン(陰イオン)からなる化合物ですが、研究開発のターゲットは主にカチオンに集中してきました。本研究では、「アニオン駆動型電気化学」という新機軸で電気化学的な機能材料の探索を新たな領域まで押し広げ、複数の元素を含むポリアニオン、ハロゲンや酸素、窒素、硫黄などのアニオンが主役として躍動する電気化学システムの学理構築と応用展開を目指します。

宮澤 清太

(合田パネル)

意匠の創発をもたらす進化機構の解明
生物は多彩なデザイン・意匠を生み出してきました。個体の生存や繁殖戦略にも深く関わる意匠の多様性は、それらを「つくり、見せる」側と「見て、えらぶ」側との相互作用の中で生まれてきたと考えられます。本研究では、「見せる」側のパターン形成機構と「見る」側の認識・評価機構とを同時に捉え、再構成することを通じて、意匠がどのように進化してきたのか、また進化し得るのか、その創発メカニズムの解明と応用を目指します。

宮田 治彦

(石塚パネル)

雌の生殖路における精子機能調節機構
体内受精を行う哺乳類では、雌の生殖路内を精子が移動して卵子と受精します。これまでは、試験管内で受精を再現する体外受精を用いて多くの受精研究が行われてきました。その一方で、雌の生殖路における受精機構については多くの謎が残されています。本研究では、雌の生殖路における受精の可視化や精子機能調節因子の探索など、体内受精に焦点を絞った研究を展開し、医療・畜産分野における生殖補助技術への応用に繋げます。

宮田 耕充

(北川パネル)

原子シート高次構造の構築と機能開拓
エレクトロニクスのさらなる高性能化に向け、原子厚の配線や半導体の3次元的な自在配列は、電子素子や回路の究極的な微細化と高密度化に繋がる重要な技術といえます。本研究では、数原子厚の2次元原子シートを利用し、コイル等の3次元構造を持つ電子素子から半導体量子ナノ構造まで自在に構築する基盤技術の開発を目指します。

宮武 広直

(川村パネル)

多波長観測で拓く高赤方偏移宇宙論
宇宙誕生から約40万年後の宇宙の姿は宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の観測によって、現在から約80億年前までの姿は銀河像の重力レンズ効果の測定によって調べられてきましたが、その間の宇宙の構造はまだ調べられていません。本研究では、遠方宇宙の銀河分布と、それによって引き起こされるCMBの重力レンズ効果を組み合わせ、未踏の領域の宇宙の姿を暴くとともに、宇宙を支配する物理法則の解明を目指します。

村岡 貴博

(伊丹/福島パネル)

細胞膜から着想する生体操作分子の開発
細胞膜は、細胞内外の区画化と情報伝達を担う組織であり、その働きは生体全体の活動と密接に関わります。従って細胞膜を操作する技術は、疾病治療や生体活動操作を可能にすると期待されますが、特に分子スケールでの細胞膜操作技術は未確立です。私は、物質輸送と情報伝達を制御する人工膜操作分子の開発を通じて、生体操作に関わる破壊的イノベーションにつながるシーズ創出に取り組み、「膜操作の材料科学」を開拓します。

村島 基之

(井村パネル)

摩擦面リアクターその場潤滑剤生成による超低摩擦の新学理解明
本研究では、私の独自発見である、誘電体バリア放電の摩擦面への直接照射による超低摩擦現象から発想された、摩擦面リアクターによる超低摩擦化技術の開発とその超低摩擦新学理の解明を目的とします。私のこれまでの研究から、既存の超低摩擦機構とは異なる、有機物と極性液体の相互作用による新たな超低摩擦機構が示唆されております。そこで本研究では、誘電体バリア放電を用いた超低摩擦化技術の開発に加え、超低摩擦有機物を摩擦面において微生物に合成させるという摩擦面バイオリアクターの開発に挑戦します。

村手 宏輔

(井村パネル)

究極的光励起テラヘルツ光源による安心・安全社会の実現
高強度励起光と、その特長を最大限利用するために考案した新たなテラヘルツ(THz)波発生/検出/増幅の融合により、世界最高性能のTHz分光装置およびリアルタイム分光システムといった基盤技術を創出します。それにより、禁止薬物/爆薬摘発、ゲート検査、処方薬ミス検査などの幅広いTHz波の利用範囲拡大を目指し、安心・安全社会の実現、さらには基礎研究までの波及効果を含む、THz波の本格的な実用化を目指します。

村松 眞由

(井村パネル)

量子アニーリングによる材料トポロジー設計システムの構築
本研究では材料トポロジーと、それに基づいて発現する力学特性とを網羅的に数値解析するシステムを構築します。本システム達成のため、Phase-field法による組織形成解析および均質化有限要素法による構造解析を、アニーリング型量子コンピュータ技術と融合させる手法を開発します。開発した手法を用いて高速網羅解析を実行し、指定した力学特性を達成する材料組織を予測する逆解析システムを構築します。

毛利 彰宏

(田中パネル)

うつ病を予防するセルフマネジメントシステムの構築
個々人レベルでの分子変動を健常から時系列的に追跡可能とするバイオリソースを用い、健康、抑うつ状態からうつ病発症になる過程での遺伝的要因および環境的要因を明らかにします。血中オミックス解析よるうつ病特異的分子を同定します。同定した要因・分子を基礎研究により実証します。これらを基盤にうつ病の発症前での早期発見を可能とする簡易測定デバイスを開発し、生活習慣の改善によるセルフマネジメントシステムを構築します。

本村 泰隆

(天谷パネル)

Innate IgEによるアレルギー体質形成機構
アレルギー体質は、アレルギーの原因として一般的に用いられる言葉ですが、科学的根拠や基準が無いため長らく研究領域では敬遠されてきました。しかしながら、自然免疫によって誘導される抗原非特異的IgEであるInnate IgEが、アレルギー体質の形成に関わることを見出しました。そこで、Innate IgEに着目し、アレルギー体質を理解することでアレルギー性疾患を治せる、予防できる病気へとパラダイムシフトを起こします。

森 立平

(八木パネル)

グラフ状態の効率的な生成及び活用
「グラフ状態」と呼ばれる量子状態のクラスは測定型量子計算など様々な量子情報処理に用いられる重要な量子リソースです。現在までに提案されてきた数々の量子情報処理プロトコルを実現するためには、グラフ状態の効率的な生成問題を現実的に解決する必要があります。本研究課題では計算機科学の知見に基づき、グラフ状態の効率的な生成アルゴリズムを開発します。また、グラフ状態を活用する新たな量子計算の枠組みを開発します。

森田 斉弘

(水島パネル)※研究開始の猶予制度を利用中

疾患オルガネラ間コミュニケーションの動的変化と生理機能の解明
細胞においてオルガネラは区画化され互いに独立して機能していますが、オルガネラ同士の物理的な接触をともなうコミュニケーションが細胞の恒常性の維持に必要であることが提唱されています。特に、疾患発症時におけるオルガネラ間の相互作用の動的変化や生理的意義の解明は、今後の課題となっています。本研究課題では、肥満により誘発されるがんにおいて、オルガネラ間相互作用の動的変化を観察し、その生理機能を明らかにすることを目的としています。本研究課題の遂行により、細胞内のエネルギー恒常性維持の新たな制御機構を解明するだけでなく、がんに対する新規治療戦略の提唱が期待されます。

森本 直記

(合田パネル)

人類最後の共通祖先からサピエンスへの進化史
現在地球上に存在する人類種は我々サピエンスのみですが、かつては共通の祖先から分かれた様々な人類種がいました。本研究では、人類最後の共通祖先から我々サピエンスへ至る進化過程を、人類化石の発掘調査によって明らかにしたいと考えています。調査地はアフリカとユーラシアの結節点、トルコです。化石発掘という王道的アプローチに最先端の手法を組み合わせ、我々は何者なのかという根源的な問いに答えることが目標です。

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