平成21年度受託業務 文部科学省「安全・安心科学技術プロジェクト」

「テロ対策のための科学技術の最新動向および研究成果の実装化に関する調査研究」

概要

2001年9月11日の米国同時多発テロ以後、世界各地でテロ問題が深刻化するにつれ、テロ対策が国際的な主要課題として位置づけられるようになりました。このような現状を踏まえ、安全・安心に関する科学技術分野の中でも、従来の防災や交通安全等のみならず、テロ対策・危機管理等についての取組みをさらに強化することが必要との認識が日本国内でも高まっています。

ただ、テロ対策等の分野においては、従来、日本国内の最先端の研究開発の成果が十分に現場で生かされてきたとは必ずしも言いがたい状況にあります。今後、大学・研究機関等における研究開発の成果を、産官学協力の下、テロ対策等の分野でも積極的に活用していくことが求められています。加えて、世界の主要諸国がテロ対策のための科学技術に積極的に取り組んでいる現状を踏まえ、この分野での日本の国際的競争力の向上を図ると共に、他方で、必要な国際的協力体制を構築していくことも重要となっております。

本受託事業では、文部科学省が平成19年度より「安全・安心科学技術プロジェクト」の下で実施する、テロ・犯罪に資する研究開発と連携しつつ、調査研究を進めていきます。まず国内外におけるテロ脅威・動向とその対策、科学技術に関する研究開発動向・実装の課題等を調査・研究し、日本におけるテロ対策に関する科学技術の研究開発の在り方について具体的な提言を行います。さらに、調査結果等を情報発信・提供する場を設けて、研究者や関連研究機関等のネットワーク構築を進め、社会に実装されるテロ対策のための科学技術に関連した政策の企画・立案、研究開発の推進に資することを目的といたします。このような試みを通じて、科学技術コミュニティと安全保障コミュニティとの架け橋を作り、学際的かつ分野横断的な安全・安心コミュニティの構築の一助となることを目指します。

活動内容

  • テロ対策のための科学技術の最新動向の調査・分析
  • 日本に対するテロ脅威および日本の脆弱性の評価
  • 今後、新たに必要と考えられる科学技術の優先項目の抽出
  • 新規科学技術の配備・実装の望ましい在り方やイノベーティブな研究開発の推進体制の検討
  • 国際会議・シンポジウム等への出席・発表
  • 日本国内の政府関係者・専門家等へのブリーフィング
  • 研究会の開催
  • 海外の会合等への日本人専門家の派遣
  • 日本のテロ対策に関する科学技術成果の展示・発表
  • 海外の政府・研究機関等とのイベントの共催および海外専門家を招いたイベントの開催
  • 国際的協力体制の推進への協力 等
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