2018年(平成30年) 6月14日
九州大学と学外の11人の研究者が、平成28年熊本地震の研究と支援の取り組みを防災の教科書として141ページにまとめました。地震発生のメカニズムや医療・避難所・仮設住宅環境等の被災地支援と課題等を九州の防災のために書いた1冊です。災害時にいかに身を守るか、減災対策、そして復興支援のあり方等について最新の研究事例を交えて幅広く紹介しています。
JSTの「フューチャー・アース構想の推進事業」で平成28年度に採択した「環境・災害・健康・統治・人間科学の連携による問題解決型研究」(プロジェクト代表 九州大学持続可能な社会のための決断科学センター センター長 矢原徹一)において健康モジュールの調査研究の成果の一部が「九州の防災」(書籍)として平成30年3月に出版されました。災害から一人でも多くの命を守りたいという強い思いから生まれた本書は、防災という課題に取り組む手法のひとつとして「教科書」という形でまとめられ、九州の減災と復興支援の取り組みを紹介すると共に、災害教育のありかたについて考察しています。本書は、九州大学の学部生の授業の教科書としてだけでなく、広く一般の方々にも読んで頂けるように平易な文章でまとめられています。小中高の学校の先生方もぜひお手にお取りいただければと思います。
編著代表:杉本めぐみ 九州大学 持続可能な社会のための決断科学センター
九州の防災編集委員会 平成30年3月30日発行
お問い合わせ:
九州大学持続可能な社会のための決断科学センター内
九州の防災編集委員会
Email: sugimoto.megumi.320〔at〕m.kyushu-u.ac.jp
- 〔at〕をアットマークに変えてください。
目次
- はじめに
- 熊本地震から九州共生の防災アクションへ
- 科学で出来ること、分かること、そして分からないこと
- 熊本地震で止まった内牧温泉 サイエンスで原因を突き止め、復興に貢献できるか?
- 平成28年熊本地震の発生のしくみと活断層
- 科学はデータに忠実でなくてはならない~検証されていない予測モデルを鵜呑みにするな
- 阿蘇の蹴破り伝説と熊本地震
- 医療支援
- 熊本地震における九大DMATとしての活動とエコノミークラス症候群調査の経験
- 避難所での食生活と口腔衛生
- コラム
- 非常用持ち出し袋
- 仮説住宅団地環境改善支援
- くまもとアートポリスとKASEIプロジェクト
- コラム
- 阿蘇の草原の植物と熊本地震
- 芸術工学
- 復興支援とアート
- 防災・減災と科学・工学 人間生活や行為から防災を考える-レジリエンスとデザイン-
- 原子力防災
- 原発事故時の避難について 故吉岡斉先生の授業から(追悼文)
- おわりに
執筆者
- はじめに
- 杉本 めぐみ
- 科学で出来ること、分かること、そして分からないこと
- 辻 健
九州大学工学研究院 地球資源システム工学部門 地球工学講座 教授 - 清水 洋
九州大学 理学研究院 附属地震火山観測研究センター 教授 - ロバート・ゲラー
東京大学名誉教授 - 大倉 敬宏
京都大学理学研究科火山研究センター 教授
- 辻 健
- 医療支援
- 赤星 朋比古
九州大学医学研究院 先端医療医学部門 先端医療医学 准教授 - 寶田 貫
九州大学病院 口腔包括診療科 口腔総合診療科 講師
- 赤星 朋比古
- コラム
- 杉本 めぐみ
九州大学持続可能な社会のための決断科学センター 助教
- 杉本 めぐみ
- 仮説住宅団地環境改善支援
- 末廣 香織
九州大学人間環境学研究院 都市・建築学部門 計画環境系 准教授
- 末廣 香織
- コラム
- 矢原 徹一
九州大学理学研究院 生物科学部門 動態生物学講座 教授
九州大学持続可能な社会のための決断科学センター センター長
- 矢原 徹一
- 芸術工学
- 知足 美加子
九州大学芸術工学研究院 准教授 - 尾形 義人
九州大学芸術工学研究院 デザインストラテジー部門
ソーシャル・イノベーションデザイン 准教授
- 知足 美加子
- 原子力防災
- 杉本 めぐみ
九州大学持続可能な社会のための決断科学センター 助教
- 杉本 めぐみ
- おわりに
- 杉本 めぐみ