- RISTEX
2021年4月28日
アカデミーヒルズ主催
「地球と未来を守りたい。今、私たちが「行動する」理由。」
私たちが暮らす地球。それは、遠い先祖から脈々と受け継がれてきた、人類の貴重な資産です。私たちはその守り受け継がれた豊かな環境を、いわば無償の贈与という形で受け取っています。受け取った恩恵を、返す先はどこでしょうか?
それは未来です。
環境危機時代を生きる若者は今、未来にむけて、様々なアプローチでの具体的活動を展開しています。今回のセミナーでは、環境問題に取り組む若手活動家が集結。その多様なアクションにフォーカスをし、私たちが守るべきもの、すべきことを知ることで、より広域なアクションに繋げたいという思いと活動を、それぞれに発表します。モデレーターは人工知能(AI)や脳科学などを対象に、科学技術と社会との関わりを研究されている東京大学大学院 情報学環 教授 佐倉統氏が担当。より大きな成果を得るための横断的議論を展開いたします。
日時:
2021年4月28日(水)20:00~22:00
会場:
オンライン開催
参加費:
無料/事前申し込み必要(お申込み期限:2021年4月27日(火)15時まで)
主催:
森ビルアカデミーヒルズ
後援:
国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター
登壇者紹介
スピーカー
マクティア マリコ(まくてぃあ・まりこ)
一般社団法人 SocialInnovation Japan 代表理事・共同創設者 mymizu共同創設者
ロンドン大学卒業後、中日新聞社ロンドン支局に務め、2014年に駐日英国大使館の国際通商部に勤務。日本と英国間のイノベーションを促進すると共に、2017年よりフリーランスとして社会的企業でプロボノやコンサルティングの仕事を受け始める。日本において世の中の深刻な課題に取り組む人やビジネスを増やすため、同年一般社団法人Social Innovation Japan を立ち上げ、現在その運営やサスティナビリティ関連プロジェクトを総括する。その一環として、ペットボトルの削減をミッションにした、日本初無料給水アプリ「mymizu」を立ち上げ、サーキュラーエコノミーを促進する「Circular Economy Club」の東京担当も担う。
2018年に社会起業家支援を行うAshoka(アショカ)の若手社会起業家を対象にしたプログラム「ChangemakerXchange」に採択。
mymizuは使い捨てプラスチック消費を減らすことを始め、人々の消費行動を持続不可能から環境に責任を持つものに変えることをミッションとしているプラットフォームです。
無料で給水できる場所を簡単に探せる日本初アプリの開発を始め、ワークショップ、コンサルティングサービス、教育プログラム、オンラインショップやコラボレーション・協同プロジェクトを通し多くの人にサステナビリティや環境保護の重要性について考えてもらうきっかけを作り、新たな社会の波を起こすことに取り組んでいます。
※無料給水アプリ(ホームページよりダウンロード可能です!iOS/Android)
スピーカー
酒井 功雄(さかい・いさお)
Fridays For Future Tokyo, Japan オーガナイザー
アーラム大学1年。2001年、東京都中野区出身。17年に1年間米国ミシガン州に高校留学。現地で気候変動の緊急性に気付き18年12月から国際環境NGO350.orgのボランティアになり、そのつながりで日本における学生たちの気候ストライキ、”Fridays For Future Tokyo”(以下FFFT)の開始に関わる。その後オーガナイザーとしてFFFTでグローバル気候マーチの運営や運動の全国組織化に関わり、直近ではエネルギー政策に関しての国政キャンペーンの企画などに携わる。現在は米国インディアナ州のリベラルアーツ大学において、環境文学などを学んでいる。
スピーカー
佐座 槙苗(さざ・まな)
Mock COP26 グローバル・コーディネーター、一般社団法人SWiTCH 代表理事
1995年ハワイ生まれ。2018年 カナダ University of British Columbia 人文地理学科 卒業。2019年 イギリス University College London 大学大学院 サステナブル・ディベロプメントコース在学中。
気候変動が危機的な状況にある中、COP26が2021年に延期されたことを問題視した世界の若者が、気候変動について議論する「Mock COP26」を設立。140ヵ国から集まった330名の代表者が議論の末、COP26と各国首相に向け「18の政策提案」を行った。青少年が18もの本格的な政策提案を行ったことは前例のない快挙。また、COPに参加できないパレスチナ、台湾、香港の参加を受け入れ、参加者の72%は南半球出身、63%が女性という、マイノリティーの声も汲みあげる組織づくりにも成功。「MockCOP26」への世界的関心は高まり「#MockCOP26」へのアクセスは240万を超えた。現在は、世界に8名のグローバルコーディネーターとして、Mock COPの運営と、11月に開催されるCOP26の運営事務局との交渉を担当。
2021年1月、日本の若者を大人がサポートし、世界とつながりながらサステナブルな社会構築に取り組む、一般社団法人SWiTCH を設立し代表理事に。大人と若者が意見を交わしながら、環境にポジティブな影響を与える社会へとシフトしていくことを目指し、循環型社会の輪を広げている。
スピーカー
伊藤 光平(いとう・こうへい)
株式会社BIOTA 代表取締役
1996年生まれ。都市環境の微生物コミュ二ティの研究・事業者。
山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所にて高校時代から特別研究生として皮膚の微生物研究に従事。2015年に、慶應義塾大学環境情報学部に進学。情報科学と生物学を合わせたバイオインフォマティクス研究に従事し、国際誌に複数の論文投稿。現在は株式会社BIOTAを設立し、微生物多様性で健康的な都市づくりを創るための研究・事業に着手している。
スピーカー
古澤 えり (ふるさわ・えり)
HR&A Advisors, Inc. Senior Analyst
都市計画家。HR&Aという都市系コンサルティング会社にて、行政・NPO・民間企業と伴走しながら、気候変動への対策、地方自治体の発展のための戦略作り、住民参加型のインクルーシブな合意形成のプロセスづくりなど、都市に関わる様々な分野において、アメリカ各地で活動している。
都市政策や地方政治という短期的な意思決定の枠組みの中で、気候変動など長期的なインパクトをもつ課題にいかにアプローチするかについて、強い関心を持っている。
東京大学工学部建築学科を卒業し、ニューヨークのコロンビア大学にて都市計画学の修士号を取得。ニューヨーク市の都市計画局にてアーバンデザインの仕事を手掛けたのち、現職。ニューヨーク・ロサンゼルス・マイアミなど、全米10か所以上におけるプロジェクトに関わる。
スピーカー
黒沢 聖覇(くろさわ・せいは)
キュレーター・アーティスト
1991年生まれ。2019年東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了。同研究科博士後期課程在籍。タイランド・ビエンナーレ2021 コ・キュレーター。キュラトリアル実践を通して、自然環境・社会・精神の領域を横断する近年の新しいエコロジー観と現代美術の関係性を研究。展覧会制作に留まらず、他のアーティストと協働して作品制作も行う。
主な展覧会:「冷たき熱帯、熱き流氷」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京、2021)、「欲望:20世紀の初めからデジタル時代にいたるまでのアートと欲望のあり方の変遷」(アイルランド国立現代美術館、ダブリン、アイルランド、2019)、「深みへ‐日本の美意識を求めて‐」(ロスチャイルド館、パリ、2018)、World Art Tokyo「パンゲア・テクトニクス -地殻変動するアート ⇆ ものがたりの分岐点-」(東京国際フォーラム、2018)、第7回モスクワ国際現代美術ビエンナーレ「Clouds ⇆ Forests」(国立トレチャコフ美術館新館、モスクワ、2017)
主な受賞歴:平成29年度東京藝術大学平山郁夫文化芸術賞、2018
モデレーター
佐倉 統(さくら・おさむ)
東京大学大学院 情報学環 教授・科学技術社会論
1960年東京生れ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。三菱化成生命科学研究所、横浜国立大学経営学部、フライブルク大学情報社会研究所を経て、現在、東京大学大学院情報学環教授。もともとの専攻は霊長類学、進化生物学だが、現在は科学技術と社会の関係についての研究考察が専門領域。人工生命、脳神経科学、放射線リスク、AIやロボットなどさまざまな分野の社会的問題を渉猟しつつ、人類進化の観点から人類の科学技術を定位することが根本の関心。主な著書に、『人と「機械」をつなぐデザイン』(東京大学出版会)、『「便利」は人を不幸にする』(新潮選書)、『おはようからおやすみまでの科学』(ちくまプリマー新書)、『現代思想としての環境問題』(中公新書)など。近著に『科学とは何か 新しい科学論、いま必要な三つの視点』(講談社ブルーバックス)がある。