俯瞰ワークショップ報告書
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ヒューマンインタフェース研究動向

エグゼクティブサマリー

本報告書は、2023年1月13日に開催した俯瞰ワークショップ「ヒューマンインタフェース研究動向」の内容をまとめたものである。

Society 5.0やAI社会原則など国のビジョン・政策おいて、「人間中心社会」「人間とAIの共存」といった考え方が打ち出されており、科学技術の研究開発において、人間との接点、すなわちヒューマンインタフェース(Human Interface:HI)を考慮することの重要性が高まっている。JST CRDSではさまざまな分野の研究開発動向を俯瞰的に調査しているが、HIはその多くの分野に関わる研究課題である。これまでの調査においても各分野の中で個別にHIの要素を取り上げてきたが、今回、分野横断的にHI研究全体の動向を俯瞰するワークショップを開催することにした。国内で特に関連性の高い学会としてヒューマンインタフェース学会と人間工学会があり、本ワークショップは両学会の協力も得て企画・開催した。

本ワークショップでは、HI 研究の全体動向・戦略、3つの切り口から捉えたHI 分野動向、注目する4つの話題という順に有識者から9件の発表をいただいたあと、総合討議を行った。その中で取り上げられた話題・論点は次のとおりである。

  • HI研究の全体動向・戦略:ヒューマンインタフェース学会長と人間工学会理事長から、文理にまたがる学際的研究のスコープ・俯瞰的整理、人間の理解と社会の在り方とそれらを踏まえたHI設計に取り組む考え方などが示された。
  • 3つの切り口から捉えたHI分野動向:幅広いHI分野の研究動向について、①人×HI「人の可能性を広げるHI」、②社会×HI「社会を安全で持続可能にするHI」、③システム×HI「人々とよりよく共生するためのHI」という切り口から紹介された。
  • 注目する4つの話題:HAI(Human-Agent Interaction)、CSCW(Computer Supported Cooperative Work)、CX(Customer Experience)、国際ルールメイキングについて、最新の状況や取り組みの変化などが紹介された。
  • 総合討議:HIの価値や政策的な課題、発表に含まれなかった話題、人間理解などが論点となった。最後に、議論の振り返りや今後に向けた各登壇者の考えをうかがった。

※本文記載のURLは2023年3月時点のものです(特記ある場合を除く)。