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ナノテクノロジー・材料分野 全体会議 「ポストコロナ時代における研究開発・人材育成手法の変革と注目すべき技術領域」
エグゼクティブサマリー
本報告書は、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) 研究開発戦略センター (CRDS) が令和2年10月3日、7日に開催した『俯瞰ワークショップ ナノテクノロジー・材料分野 全体会議「ポストコロナ時代における研究開発・人材育成手法の変革と注目すべき技術領域」』に関するものである。
2019年末に初めて確認され、瞬く間に世界中を覆った新型コロナウイルス感染症(COVID-19) は、世界の経済・社会に非常に大きな衝撃を与えた。その影響は短中期的な経済的ダメージに留まらず、中長期的な社会構造の転換さえも引き起こしかねない甚大なものとなっている。ナノテクノロジー・材料分野は、人類の多くの活動の基盤を支えていることから、COVID-19により引き起こされる社会の変化とも、また深い関係を持つ。そこでCRDSは、2020年7月に開催したワークショップにおいて「ナノテクノロジー・材料分野が新型感染症対策にどのように貢献するか」を議論したのに続いて、「新型感染症により変容する社会に対しこの分野がどのように貢献し得るのか」を議論するために本ワークショップを開催した。
本ワークショップでは主な論点に沿って「研究開発現場の現状と課題、及び研究開発活動の革新」「新しい生活様式下での教育/人材育成の在り方」「ナノテク・材料分野において、社会変化から、重要になる研究分野、挑戦課題」の3つのセッションを設定し、専門家による話題提供をもとに議論を行った。また、全てのセッション終了後の総合討論においてさらに議論を深め、COVID-19に強制される形で始まったリモート化を単なる緊急避難的な措置と捉えるのではなく、ここで得られた貴重な知見をもとにナノテクノロジー・材料分野の新しい研究開発スタイルを構築していくことが重要であるといったコンセンサスが得られた。
これらの結果は、CRDS でさらに検討を加えて、2021 年に発行を予定している「研究開発の俯瞰報告書 ナノテクノロジー・材料分野(2021 年)」に反映させるとともに、今後の戦略提言にも活用していく予定である。
※本文記載のURLは2021年3月時点のものです(特記ある場合を除く)。