俯瞰ワークショップ報告書
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ナノテクノロジー・材料分野 区分別分科会「プロセスインフォマティクスの俯瞰~材料合成プロセスへのデータ科学適用の現状と展望~」

エグゼクティブサマリー

本報告書は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が令和2 年2 月11 日およびに7月29日に開催した『俯瞰ワークショップ ナノテクノロジー・材料分野 区分別分科会「プロセスインフォマティクスの俯瞰 ~材料合成プロセスへのデータ科学適用の現状と展望~」』に関するものである。
「プロセスインフォマティクス」は、材料合成プロセス開発にデータ科学の手法を導入し、これまでにできなかった材料の合成や、既存の材料の特性向上を可能にするサイエンス/テクノロジーである。材料探索にデータ科学を適用する試みとして、先行するマテリアルズインフォマティクスにおいては、すでにいくつかの成果が得られており、新材料開発に一定の役割を果たし始めているが、その材料が「実際に作れるのか」「どう作るのか」までが示された例はほとんどない。
本ワークショップでは、プロセスインフォマティクスの現状を把握し、将来の発展の可能性、解決すべき課題などに関する議論を深める目的でワークショップを開催した。なお、材料合成プロセスは、対象とする材料の種類(有機/無機/複合材料)や合成環境(気相/液相/固相)などにより、非常に異なったものになるため、共通点が多いと思われる材料の分野ごとに2回に分けてワークショップを開催した。第1回(令和2年2月11日)は、無機結晶・多結晶分野、第2回(令和2年7月29日)は触媒・有機材料分野における最新の成果と研究動向が紹介され、それぞれ総合討論を実施し、1.プロセスインフォマティクスの現状:何ができて何が難しいのか、2.プロセスインフォマティクスの将来像:どこまでのことが出来るか、3.プロセスインフォマティクス研究開発の課題:技術的課題/制度体制的課題について討論を行った。
これらの議論の結果は、CRDS でさらに検討を加えて、2021 年に発行を予定している「研究開発の俯瞰報告書 ナノテクノロジー・材料分野(2021年)」に反映させるとともに、今後の戦略提言にも活用していく予定である。

※本文記載のURLは2021年2月時点のものです(特記ある場合を除く)。