国際比較調査
  • 海外動向
  • 横断・融合

G-TeC報告書 主要国における次世代製造技術の研究開発に係る政策動向

エグゼクティブサマリー

 JST研究開発戦略センターでは毎年、G-TeC(Global Technology Comparison)と称し、重要な科学技術動向に焦点を当て、各国・地域の状況分析を行う調査を実施している。本調査を通じて、日本のポジションを確認し、今後取るべき戦略の立案に貢献することをミッションとしている。
 今回、次世代製造技術をテーマとした調査を行った。次世代製造技術をテーマとして選んだ背景には、欧米各国において、次世代製造業に係るビジョンが次々と打ち出されていることがある。情報通信技術の進展や経済活動のボーダレス化により、今日世界的に製造業が変貌しつつある。このような中、自国の産業基盤や雇用確保のため、製造業の重要性が見直され、各国が製造業強化策を打ち出している。とりわけ、米国のオバマ大統領が打ち出した先進製造イニシアチブと、ドイツのインダストリー4.0は、我が国の多くの製造企業が注目している。製造の分野では両国に後れを取っている英国においても、次世代製造業に係るビジョン・政策が打ち出されている。EUにおいては、欧米の各国に先駆けて将来の製造業のあり方についての議論が進められてきた経緯がある。そして、中国も次世代を見据えた製造業戦略が近々打ち出される予定である。このような中、我が国においても次世代ものづくりのビジョンが必要との考えから、CRDSでは、2014年4月に次世代ものづくりに関する横断グループを立ち上げ、第五期科学技術基本計画をはじめとする各種政策への提言を目指した検討活動を行っているところである。海外動向ユニットでは、この動きと連動して諸外国の次世代製造技術に係る政策動向の調査を行ってきた。本報告書は、その調査活動の結果をとりまとめたものである。