その他報告書
  • 情報・システム

プログレスレポート 未来研究トーク(2013年度)

エグゼクティブサマリー

 JST研究開発戦略センター(CRDS)の情報科学技術ユニットは、研究開発戦略の提案業務を行うにあたって、俯瞰力と問題設定力が不可欠であると認識しているところ、アカデミア、企業、パブリックセクタ等で研究開発に携わるあらゆる人たちにとっても、その必要性の認識は強く共有されるものである。このため、2012年9月より、「未来研究トーク」を組織し、俯瞰力と問題設定力の鍛錬を目的としたワークショップを企画・実施してきた。これは2014年3月までの経過報告書である。
 未来研究トークとは、社会の永続的な発展に向け、将来の研究分野を発見・創造するために、産学官の多様なセクタから若手メンバーが集い、継続的に議論を行うコミュニティである。前身は、2011年度の電子情報通信分野俯瞰プロジェクトVに参加した若手有識者を中心に組織された、未来研究開発検討委員会である。
 これまで6回開催したワークショップの中では、Big Data、バーチャルショップ、学習・教育、提案プロセス、スポーツの新しい可能性、といったホットなテーマを取り上げ、メンバーの多角的な視点を活用した俯瞰と問題設定を行ってきた。 
 これまでの成果は、俯瞰力と問題設定力を発揮する基盤としてのコミュニティの形成、及び俯瞰力と問題設定力を発揮する手段としての対話プロセスの発展である。また、未来研究トークに継続的に参加するメンバーの間で共同研究のコラボレーションが派生している。

 未来研究トークでの実践を通じて、俯瞰力と問題設定力が鍛錬されるように議論を深めるには、参加者が自分の普段取り組んでいる分野と違った分野に関する議論であっても、自分が普段考えている深い思想に引き込んで(“我が事”に引き込んで)対話が組み立てられるようにワークショップを設計することの重要性が明らかになった。また、議論の成果を実問題に適用し、フィードバックを得て、できれば議論をしたメンバーとそれを共有することも今後求められる。