科学技術未来戦略ワークショップ報告書
- バイオ・ライフ・ヘルスケア
2014年3月
CRDS-FY2013-WR-14
胎児期~乳幼児期(小児期含む)に着目した先制医療の精緻化
エグゼクティブサマリー
独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター(JST-CRDS)は、社会的期待を実現するための研究開発戦略の調査・提言を行なっている。そのうち、「健康・医療」をテーマとした検討においては、一生涯を通じた健康・心身のケアが達成すべき大きなビジョンであり、ヒトの一生の各フェーズで適切な先制医療(疾患の発症予測及び発症前介入。なお、いわゆる早期診断や重症化予防も含む。)が今後重要になると考えられた。将来ビジョン達成に向けたシナリオは複数あると考えられるが、方向性の 1 つとして、疾患発症リスクを大きく左右すると考える胎児期-乳幼児期(小児期含む)に適切な対応を行なうことで、将来の疾患発症リスクをできるだけ抑えることが極めて重要であると考えられた。
本報告書は、「胎児期-乳幼児期(小児期含む)に着目した先制医療の精緻化」を実現する研究開発戦略の立案に向けた調査活動の一環として、平成 26 年 2 月 6 日に実施したワークショップ(以下、WS)の開催報告、及び JST-CRDS による考察などをまとめたものである。本 WS の結果、有識者による、研究開発や体制・制度に関する情報提供、問題提起を通じて、わが国の将来のあるべき姿としての先制医療の重要性、先制医療の精緻化に向けて胎児期-乳幼児期(小児期含む)時期に着目することの意義、そして推進すべき具体的な研究テーマなどについて、WS 参加者間で認識が共有された。
また、個々の研究領域、研究テーマの推進方策についても WS の議論を通じ多くの方向性が見い出された。そして、WS を通じて JST-CRDS が当初設定した問題認識、解決方策(案)の大きな方向性について妥当性が確認されると同時に、更なるブラッシュアップの必要性も示唆された。