調査報告書
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産業競争力と「システム化」関連調査報告書

エグゼクティブサマリー

 一般企業と比較し、国際競争力、産業競争力への関心が高いと思われる産業競争力懇談会(COCN)会員を対象としたアンケート調査により、「システム化」と競争力についての関係に関する意識を多角的に調査し、多様な使われ方をされている「システム化」のイメージとその意味を多角的に探り、さらに、国際/産業競争力回復のための施策立案に資する参考情報の抽出を試みた。
 その結果、産業競争力について回答者の昇降の認識にかかわらず、産業競争力と「システム化」の関連性は高く、その関連性が具体的に理解されていることが示唆された。「システム化」の具体的イメージは、顧客価値、社会システム、政策、行政、価格競争力・効率、製造+サービス(ライフサイクルコスト)などを対象に、全体最適化、構造化、事業化、定式化、手順化、テンプレート化、ルール化、見える化などを、長期的展望に立って推進することと総括できる。
 「システム化」のための隘路で、政策としての取り組みが必要なものとしては、「人材育成」、「共通インフラ開発」などの項目に併せて、「日本独自の規制や標準の撤廃」、「グローバル化」といった項目への配慮も重要であるとのご示唆をいただいた。
 また、「競争力に対する意識」、「新事業企画」などに関連する「コンセプト創造力」、「シナリオ」、「ソリューション提案」、「製品企画、設計、製造などの全体プロセスの全体最適化」、「新サービス(価値)創出」、「製造プロセス、サプライチェーンまで、全体最適化による価格競争力向上の仕組み」などに関するコメントは、「コトづくり」の優位性、さらには「コトづくりからのものづくり」の視点の重要性を示唆するものと考えられる。これら、様々な側面と関係性もつ複数の項目の関係を「見える化」し、「ビジョン」を共有し、イノベーション創出に繋げるためには、当然「システム化」が前提となる