ワークショップ報告書
  • 環境・エネルギー

「豊かな持続性社会構築のためのエネルギーモデル」報告書

エグゼクティブサマリー

独立行政法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)では、JST の研究開発戦略を立案するとともに、今後我が国が取り組むべき重要な研究開発領域、研究課題、研究開発システム等について広く提言を行っている。CRDS の提言は、JST 基礎研究事業における研究開発領域の設定などに活用されるとともに、政府の各種施策にも反映されている。CRDS では、科学技術に対する社会の期待を、全体として「豊かな持続性社会の実現」と定義し、1.健康、2.生物多様性、3.持続可能なエネルギーシステム、4.持続可能な物質循環、5.共通基盤事項(基礎・基盤科学、人材、グローバル化対応等)の5 つを重要項目として掲げている。また、温室効果ガスの排出削減やエネルギーセキュリティーは、我が国の喫緊の課題であり、ブレークスルーをもたらすような研究成果が強く求められている点も重要視している。
地球温暖化、資源枯渇などの地球規模課題に対する国家戦略を構築するためには、中立の立場で科学的な根拠に基づきオープンに議論するプロセスが不可欠であり、国民にはその戦略の中身や結果の意味について分かりやすく説明がなされる必要がある。また、エネルギー戦略はその時々の状況に応じて適宜見直されるべきものであり、常に情報を更新される必要がある。基礎研究を健全に推進するためにも、その基礎となる国家的なエネルギー戦略が必要であり、そのためにはその根拠となる科学に基づいた定量的な知見が必要である。このような議論の科学的根拠を供給するためのエネルギーモデルは、全ての基盤となる技術であり、その継続的な研究開発の進展が期待されている。本ワークショップでは、中立の立場で、科学的な根拠に基づいたエネルギー国家戦略の策定に貢献する研究開発戦略の提言に向けて、エネルギーモデル研究の現状と研究課題を広く俯瞰し整理するとともに、国として研究を支援する場合の内容や方策について検討することを目的として開催された。事例紹介とその後の討論を通じ、エネルギーモデルの現状や課題について活発な意見交換がなされた。