科学技術未来戦略ワークショップ報告書
  • 環境・エネルギー

ネットワーク型最先端エネルギー環境研究開発拠点

エグゼクティブサマリー

 本報告書は、(独)科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が平成22年12月3 日に開催した、科学技術未来戦略ワークショップ「ネットワーク型最先端エネルギー環境研究開発拠点」に関するものである。CRDSでは、科学技術に対する社会の期待を、全体として「豊かな持続性社会の実現」と定義し、1.健康、2.生物多様性、3.持続可能なエネルギーシステム、4.持続可能な物質循環、5.共通基盤事項(基礎・基盤科学、人材、グローバル化対応等)の5つを重要検討項目としている。このなかで、温室効果ガスの排出削減やエネルギー安全保障はわが国喫緊の課題であり、ブレークスルーをもたらすような研究成果が強く求められていることに鑑み、今年度「ネットワーク型最先端エネルギー環境研究開発拠点」構想検討チームを設置し、わが国のエネルギー分野研究開発の戦略性強化に向けた具体的方策の検討を進め、戦略提言に取りまとめることとした。この中で、文献調査や有識者事前インタビューを踏まえた検討により課題を抽出し、ワークショップを開催して議論を深めることとした。 本ワークショップでは、産官学の研究・事業・経営・政策企画等の当事者および経験豊富な有識者約30名の参画を得て、幅広くかつ掘り下げた議論を進めることができた。結果として、
1 わが国のエネルギー分野における研究開発の現状と課題に関する認識の共有、
2 エネルギー分野の研究開発における国家戦略の明確化と共有化に関わる具体的方策の抽出、
3 再生可能エネルギー分野の研究開発における公的資金運用と人材育成の抜本的改善のための具体的方策の抽出、
4 再生可能エネルギー分野における国家戦略研究拠点構築に関わる具体的方策の抽出、
5 エネルギー分野研究の戦略的推進を可能とする、組織の壁を超えた横断的かつ継続的な議論と自発的な政策提言検討の場の提供
5 といった所期の目的を達成した。