国際比較調査
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特定課題ベンチマーキング 低分子量化合物による生体機能制御技術−ケミカルゲノミクスの研究開発・技術力に関する国際比較報告書−

エグゼクティブサマリー

 科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)ライフサイエンスグループでは、2006年8月に開催した「ゲノム・機能分子」、「脳」、「発生・再生」、「免疫」、「がん」、「植物科学」の6分野を対象にした俯瞰ワークショップの結果を踏まえ、これら6分野に共通し、今後我が国が重点的に取り組む研究領域の一つとしてケミカルゲノミクスを抽出した。ケミカルゲノミクスとは、生体外にある低分子量化合物を活用し、タンパク質や主にタンパク質が構築する細胞等の生命機能を制御するポストゲノム研究の重要領域である。本報告書は、当該領域に関する各国の研究開発動向と以下に挙げたケミカルゲノミクスに係る研究開発・技術力についてCRDSが独自の視点で比較・評価し、国際比較ベンチマーキングとして取りまとめたものである。
化合物ライブラリー構築技術
生物活性スクリーニング構築技術
制御標的タンパク質同定技術
 本調査にあたり、CRDSでは、まず上記技術に関する我が国の研究動向、研究開発・技術力等を把握するために、当該分野を代表する国内の研究者に対しインタビューを実施した。次に、海外諸国の研究開発水準の把握を目的に、ウェブサイトや関連資料等を活用し研究動向や技術開発に関する基礎情報を収集した。この際、事前に調査した日本の水準を念頭に置き、比較という概念を強く意識し調査に努めた。また高い成果を挙げている海外研究機関については、現地調査を実施し、基盤整備や研究開発の実施体制、キーテクノロジー等について詳細な情報を得た。さらに、当該分野と関連が深い学術誌については、掲載論文数や被引用回数に関して網羅的な解析を行い、上記比較結果を補完するための定量的なデータとした。