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National Innovation Initiativeレポート"Innovate America"の調査・分析

エグゼクティブサマリー

 2004年12月、米国の競争力評議会が“Innovate America”と題するレポートを発表した。これは競争力評議会が推進しているいくつかの政策提言活動(イニシアティブ)のうちのひとつ“National Innovation Initiative (NII)”における検討の集大成であり、この活動の推進役Samuel J. Palmisano (IBM会長兼CEO)の名を取って「パルミサーノレポート」とも呼ばれている。
 内容は米国社会全体をイノベーションに最適な社会に作り替えることを提唱したものである。現在多くの面で圧倒的な優位性を保っている米国が、その地位に安住せず将来に対する危機感をもって広範な分野で具体的な提言をしている点で関心を集めている。我々は早くからNIIに注目していたが、このレポートが出たのを機会にAd hoc Teamを結成してレポートを詳細に分析し、また約10名の外部有識者に対するヒアリングを含めた調査を行った。このような活動によってできる限り客観的にNIIレポートの背景、提言内容、米国政策への影響力などの把握に努めた。本報告書はAdhoc Teamの調査・分析結果をまとめたものである。