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FIT2004第3回情報科学技術フォーラム

エグゼクティブサマリー

 研究開発戦略センターでは、現在各分野の研究者の衆知を集めてファンディング戦略を検討しているところである。今回 FIT(Forum on Information Technology) 2004の場において、情報科学技術分野における重要研究テーマとそれを推進するための課題、推進方法などを専門家により議論していただき、JST のファンディングにおける Priority Settingの一助としたいと考え FIT2004プログラム委員会に申し入れを行った。この提案を検討していただいた結果 FIT としても有用であるとして採用が決定され、イベント企画「情報科学技術分野のファンディング戦略-JST の Priority Setting にむけて-」を設けることとなった。
 今回のイベント企画は 2004年9月7日に開催し、その構成は講演とパネル討論であり、今後推進するべき具体的な研究テーマとして以下のテーマが挙げられた。
1. ソフトウェア技術
- ソフトウェア作成高度化技術、ソフトウェア要素・基盤技術、サーバサイド・コンピューティング・サービス
2. 生産技術(もの作り基盤技術)
- もの作り仮想化環境、組込型システム技術、CAD、標準化指標作成
3. バックヤード系技術
- Super Resilient System、Processor Architecture、Secure OS
4. 情報管理技術
- 情報爆発にむけたサイバーインフラと情報融合、永年情報アーカイブ
5. 知識高度利用技術
- 知識共有技術、ドメインごとの知識体系化とその高度利用
6. システム開発
- 共生コンピューティング、開発途上国向けIT、単機能でも良いので日本製の
優れたソフトウェアインフラ情報分野について研究者側とファンディングエージェンシー側がこのような議論を行ったことは従来にはなかったことであり、今回 FIT の場において実現したことは意義のあることであったと思われる。情報分野の重要性とその特殊性、外部の人とくに Tax Payer にいかに理解してもらうかが重要ということが改めて浮き彫りになった。会場からは、このような機会を一度だけに終わらせず引き続いて開いて欲しいとのコメントもあり、関係者には興味を持っていただいたと受け止めている。この議論をもとに今後 JST において適切な戦略作りに役立てて行きたい。