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環境分野における今後の課題と方策

エグゼクティブサマリー

 環境分野は研究対象領域が広大であると同時に、観測、理解、評価、予測、対策が一体となった、総合的な取り組みが必要である。そこで環境分野における我が国 として重要な研究開発の推進、研究開発に対する国民の理解と信頼の形成を図るべく、広く有識者に集まって頂き、環境問題、環境適合社会のビジョン、国としてな すべきことについて議論し、今後の研究開発戦略の策定に資することを目的として ワークショップを開催した。
 環境分野の有識者 49 名の参加のもと「環境が人間に与える影響」、「社会生活に与える影響」、「社会 生活が自然に与える影響」、および「環境問題に対する国としての取り組み」の視 点から、討議を行い、すでに顕在化している重要課題の他に、今後、顕在化する可能性のある重要課題を抽出した。
 抽出された重要課題は以下の通りである。
 1.人間への影響
 脳神経系の発達と障害 、胎児および経世代影響、生活習慣病における遺伝と環境、免疫系の攪乱
 2.社会生活への影響
 社会合意形成、対策の複合効果、環境低負荷型システムの遷移過程の対応方策、アジア地域の資源・廃棄物循環
 3.自然への影響
 温暖化に伴う生態圏への影響モニタリングと脆弱性評価、グローバル(越境)汚染による我が国への影響評価、メガシティ化による環境影響とその対策
 4.国としての取り組み
 「持続可能な社会像」の提示とそれに向けての環境対策 (持続可能な社会像の定量的モデル、実現のための科学技術開発ロード マップの作成)
 今後は、上記抽出された重要課題の詳細な検討、優先課題の絞り込み、優先課題の研究開発推進方法の明確化などを進め、研究開発戦略の立案に資する予定である。