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2013年AAAS年次大会CRDS主催シンポジウム報告書 - Report on CRDS Symposium Session at 2013 AAAS Annual Meeting Toward Bridging the Duality of Science: Seed-push, Issue-driven, or "Encounter" -

エグゼクティブサマリー

 米国科学振興協会(American Association of Advancement of Science: AAAS、トリプルエース)は、1848年設立の世界最大級の学術団体であり、科学雑誌 Science の発行元としても知られている。その年次大会には、米国内外からから数千人の科学者、技術者、教育関係者、ジャーナリスト、政策担当者 が参加し、科学研究や教育について、毎年掲げられるテーマの下に幅広い視点から約 160 のセッション が持たれ講演と議論が行われる。
 科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)では、2013 年のテーマである“The Beauty and Benefits of Science”が、CRDS における研究開発立案プロセスの基本方針である“邂逅”のコンセプトに通じるという理解の下、以下のタイトル及び内容にて企画シンポジウムを提案したところ、審査を経て受理された。
 タイトル:Toward Bridging the Duality of Science: Seed-push, Issue-driven, or "Encounter" ?
 内容:自然界における法則性の発見などの真理の探究と、社会的課題や経済的利益といったアウトカムの実現への貢献という、ときに相反する科学の二つの側面(Duality)を両立させる研究開発システムをいかにして構築するか?この世界各国の共通の課題に取り組むため、各国では、既存の研究開発領域や技術シーズからスタートして社会的問題の解決へのパスを描くアプローチ、社会的課題を深くとらえる中で研究開発が必要な領域を明らかにしていくアプローチ、双方の視点を取り入れたアプローチ等、様々な取り組みを行っている。本セッションでは、各国の参加者がそれぞれの取り組みについて紹介するとともに、問題意識の共有と検討方法に関する情報交換を通じ、“社会の中の科学”を目指した研究開発システムのあり方への展望を議論する。
 当シンポジウムでは、科学のフロンティア拡大と社会的問題の解決という2つ側面をどのように結び付けていくかについて、参加者からの問題意識の共有と方法論についての情報交換を行い、“社会の中の科学”を目指した研究システムのあり方への展望を議論した。本報告書は、これらの内容を紹介するものである。