国際比較調査
- 情報・システム
- 海外動向
2007年3月
CRDS-FY2006-GR-04
G-TeC 報告書 「情報システムのディペンダビリティ評価」 国際技術力比較(欧州、米国)
エグゼクティブサマリー
複雑にネットワーク化された情報システムを基盤とする情報社会は、偶発的に生じる人間の設計ミスや操作ミス、ハードウェアの物理的な不具合、悪意を持つ人間によるシステム侵入やデータ破壊、社会や環境の変化に対するシステムの劣化など、その信頼と安全を脅かす様々なリスクに直面している。目指すべき社会の基盤を成す情報システムは、このような多様なリスクの存在にもかかわらず、その提供するサービスが良質で信頼でき、ユーザが安心してそのサービスに依拠できるという性質、すなわち「ディペンダビリティ」をその第一義的属性として備えるべきである。
こうした認識から研究開発戦略センターでは、戦略イニシアティブ「情報化社会の安全と信頼を担保する情報技術体系の構築」を発行し、「情報化社会の安全と信頼を担保し、国際競争力の強化に向けて、ディペンダビリティを最高の価値とする新しい情報技術体系の研究開発戦略を推進すべき」との提言を行った。
この提言に沿って新しい情報技術体系の研究開発を促進し、その成果の経済・社会的効果を明示するためには、社会システムレベルから構成要素レベルまでユーザ視点で情報システムのディペンダビリティを定量的に示す指標とその評価手法の確立、およびそれらに基づいた経済価値の可視化が必要である。また、測定法に裏付けされた評価基準策定によってディペンダビリティ技術の開発が促進され、産業競争力の強化、企業価値の向上、国際標準化など、我が国の国際競争力の新たな源泉の創出が期待できる。
このような観点から「情報システムのディペンダビリティ評価」についての世界における研究開発動向の調査を実施した。