科学技術未来戦略ワークショップ報告書
  • 材料・デバイス

フォノンエンジニアリング - ナノスケール熱制御によるデバイス革新 -

エグゼクティブサマリー

 本報告書は、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が平成 26 年 11 月 14 日に開催した科学技術未来戦略ワークショップ(WS)「フォノンエンジニアリング -ナノスケール熱制御によるデバイス革新 -」に関するものである。 近年では電子・電気機器の駆動により必ず生ずる熱を、効率よく逃がすことがエレクトロニクス産業においてクリティカルな課題となりつつある。また、デバイスの微細化に伴い、他に影響を与えないで局所的な加熱・冷却を迅速に行うような要求や、低温の熱をエネルギー源として有効に利用する技術が要望されている。
 本ワークショップは、半導体集積回路やパワー半導体、次世代ハードディスク、熱電変換素子などの熱に関する技術的課題や、必要となる科学技術、その開発を促進するための政策などの議論を行い、ナノスケールでの熱の理解に基づく熱の効率的な制御・利用のために有効な研究開発戦略策定の一環となることを目指して開催した。WS では、CRDS からこれまでの調査にもとづく全体像、課題、研究開発戦略の仮説を示し、フォノンエンジニアリングへの期待、応用分野からの期待、ナノ熱計測・シミュレーション、デバイス革新に関する話題提供、総合討論を行った。