俯瞰ワークショップ報告書
- バイオ・ライフ・ヘルスケア
2013年3月
CRDS-FY2012-WR-13
ライフサイエンステクノロジー分野
エグゼクティブサマリー
科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)は、国の科学技術イノベーション政策に関する提言書の作成にあたり、対象とする研究分野の国内外の研究動向や研究開発の注目動向などの網羅的な調査(俯瞰調査)を行っている。本報告書は、平成24 年度にJST-CRDS が実施した、「ライフサイエンステクノロジー」分野に関する俯瞰調査とそれに基づき開催されたワークショップの結果を要約したものである。
国の科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定された科学技術基本計画は、平成23 年度に4期目を迎え、科学技術イノベーションの創出を核とする課題設定やシステム改革に関する施策がいまなお実施されている。ライフサイエンス分野もこの基本理念と整合し、新しい予防法や診断技術の開発、高齢者等の生活の質の向上などが重要課題に挙げられている。
このようにイノベーションの創出に対する社会の期待が高まりを見せる中で、改めてわが国の課題を医療・健康の観点から整理すると、1.健康寿命の延伸、2.医療産業の活性化、3.医療費・介護費高騰への対処、などにまとめられる。そこで、本調査ではこれら3つの課題を念頭に置き、課題に対応する新しい医療技術の開発や治療法の検討、さらにはそれらに資する基礎研究テーマの抽出を具体的な成果目標に設定した。そのため、本書では、調査の過程で開催した有識者検討会合の結果(第1章、第2章参照)とわが国のライフイノベーションの阻害要因に対応する研究開発を約30 の重要研究領域案(第3章参照)として整理しまとめている。