調査報告書
- バイオ・ライフ・ヘルスケア
2012年3月
CRDS-FY2011-RR-08
調査検討報告書 医療の持続的発展に向けた戦略的な医療技術評価(Health Technology Assessment)の推進
エグゼクティブサマリー
本報告書「医療の持続的発展に向けた戦略的な医療技術評価(Health Technology Assessment)の推進」は、医療の非効率性、医療産業の低迷、社会医療保障費の増大など、多くの先進諸国・地域で見られる医療の現状を背景に、わが国では未だ取り組みが十分でない医療技術評価の現状調査と、より有用性(effectiveness)の高い医療技術の開発や選択、普及、十分な利活用に向けた評価のあり方についての検討結果をとりまとめたものである。
限りある医療資源(医療費、医療従事者、医療インフラなど)を効率的に配分、活用することで医療システム全体の効果や持続性を向上させ、同時により良い医療技術の創出と、その普及による社会への貢献ならびに成長を推進することは、わが国を始め、成熟した超高齢社会へと突入しつつある多くの国や地域において喫緊の課題である。そのためには、高度化、多様化を続ける医療技術を大規模なデータや科学的な根拠に基づいて評価し、その利活用のあり方に関して合理的な意思決定を促すことが重要である。
本報告書では、医療技術評価の目標を、より有用性の高い医療技術が選択され、臨床現場において広くかつ十分に利活用されるようにするとともに、そうした技術の開発が一層推進されること、とした。これらが達成されることで、広く国民の生活の質や種々の生産性が向上するだけではなく、医療産業におけるわが国の国際競争力の強化や国際貢献、さらには国家の成長と医療システムの持続性改善が可能となると期待できる。