海外調査報告書
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科学技術・イノベーション政策動向報告~イタリア~

エグゼクティブサマリー

 研究開発戦略センター海外動向ユニットでは、我が国の科学技術・研究開発・イノベーション戦略を検討する上で重要と思われる、諸外国の動向について調査・分析し、その結果を研究開発センター内外に「海外科学技術・イノベーション動向報告」として配信している。調査内容は、最新の科学技術・イノベーション政策動向・戦略・予算、研究開発助成機関のプログラム・予算、研究機関や大学の研究プログラム・研究動向などを主とした、科学技術・イノベーション全般の動向となっている。
 本報告書ではイタリアの科学技術・イノベーション政策について調査を実施し、取りまとめた。
 イタリアは、他の先進諸国と比較した場合、科学技術関連指標が総じて低い数値を示している。また、国の科学技術関連政策の中心として3年毎に策定されることになっている国家研究計画(PNR)は、PNR2005-2007終了後、改訂・更新がなされず、このことは政府の科学技術に対する関心が薄い結果だとされ、批判の声が聞かれると同時に、早急な新計画の策定が望まれている。一方で、イタリア政府は2000年代半ば以降、国の科学技術・イノベーション推進のためにいくつかの新たな組織を設置した他、1987年に国民投票により中断が決定された原子力発電の開発が再開に向けて動き出すなど、近年新たな動きが見られるようになってきた。