その他報告書
- 科学技術イノベーション政策
2006年3月
CRDS-FY2005-XR-02
科学技術イノベーション政策推進のためのNational Innovation EcoSystem (NIES) 政策提言の検討
エグゼクティブサマリー
本報告書は、平成17年度に科学技術振興機構研究開発戦略センターにおいて行ったイノベーションに関する検討結果をまとめたものである。現在、世界各国は技術の研究開発によるイノベーションの大競争時代に突入しており、その中で国家イノベーションエコシステム(National Innovation EcoSystem, 以下NIESと略す)の考え方が注目されている。
NIESとは、国の各セクター(府省、産学独、ファンディング機関など)が協力、協調、ときには競争してイノベーションを誘発するように働くシステムである。「イノベーション」の定義・分類は多数ありどの側面を強調するかによってその捉え方は大きく異なるが、ここではとくに「科学的な知識を用いて新技術・新着想を創造し、経済的価値を増大させ、社会的要請を満足させるプロセス」を「科学技術イノベーション」と定義し、国が推進するべきイノベーションはこの「科学技術イノベーション」であると考えた。そしてそれを国全体で促進するNIESをいかに構築すればよいかを明確化し、政策提言することを目標とした。NIESは必ずしも「科学技術イノベーション」のみを対象としたものではなくより広い概念であると思われるが、ここでは特に「科学技術イノベーション」を推進するためのNIESをいかにして構築するかを検討した。