SCIENCE AGORA

2021年11月3日(水・祝)7日(日)

《プレアゴラ》10月10日(日)11日(月)

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No.07-A1311月7日(日)13:00~15:00

科学の工場見学 〜科学はどうやって生まれる?〜

Science Factory - How do we create scientific knowledge? -

うたたね UTaTane

企画概要

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皆さんにとって、科学研究は、日常から遠いものかもしれません。それでも、日常生活で、科学に基づいた判断を望まれる場面は多くあります。 しかし、果たして、科学はどこまで「正しい」のでしょうか? 本ワークショップでは、科学研究の過程の一部(仮説の作成と評価)を体験するところから、科学の「正しさ」に迫ります。 錯覚や物の運動など、テーマとなる身近な現象を説明できる複数の仮説を、皆さんの手で書き出したのち、その「正しさ」を様々な観点から評価します。また、これを踏まえて、日常生活で科学をどう扱っていくべきかなどを幅広く討論する予定です。

登壇者プロフィール

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森 雄一朗 Mori Yuichiro

産業技術総合研究所・研究員。幼少期より科学イベントや啓蒙書等のポピュラーサイエンスに幅広く触れつつ、高校・大学では専門として物理学を学び、現在は量子情報・量子計算の研究者である。その一方で、高校では部活動、大学以降は東京大学CAST、UTaTane等のサークル活動を通じて、一般向けの発信も行っている。科学の発信においては、ポピュラーサイエンスと学問の差異や、科学的知識の受容のされ方に関心がある。

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久保田 祐貴 Kubota Yuki

東京大学大学院・博士2年。現在は、錯視に基づく映像提示技術や知覚心理学の研究に従事。研究の傍ら、科学哲学や科学技術と社会の関わりについて関心を持ち、科学イベント等の運営を行う。東京大学CAST副代表を経て、現在はUTaTane代表として、「参加者に寄り添った科学の伝え方」を探究。実践の成果の一部は、論文誌『科学技術コミュニケーション』に採録されるなど、学術コミュニティへの貢献も行っている。

プログラム

13:00

本企画では、ZoomミーティングのブレイクアウトルームとGoogleスライド(予定)を使い、皆さんが実際に手を動かしながら、制作を行うグループワークがあります。

*進行の詳細については、鋭意調整中ですので、下記の進行と異なる場合がございます。予めご了承ください。

13:00

オープニング

・登壇者の自己紹介

・本日の進め方や背景知識の説明

13:05

活動① 仮説の作成

・テーマとなる現象を説明できる仮説を、参加者それぞれが可能な限り多く作成する

13:20

活動② 仮説の検証

・「正しさ」(妥当性)の指標となる項目を、グループごとに考える

・項目に基づいて、①で考えた仮説を評価する

13:45

活動③ 討論

・②の項目や仮説の分類をもとに、科学を含む説明の「正しさ」を整理する

・日常と科学の関わり、社会と科学の関わりなどについての議論にも触れる

14:10

各グループでの議論を全体で共有

14:25

本日のまとめ & アンケート

出展レポート

企画概要の補足

今回は,ウェブサイト掲載の「錯覚やものの運動」ではなく,「ことわざ」の検証を題材に,科学らしさを捉えるワークショップを実施した.「ことわざ」は,古くから人間の経験の中で生まれた経験的な知識の総体であると言える.本企画では,「ことわざ」を検証する方法を考え,その検証方法を「調べやすさ」「科学らしさ」の観点から分類し,さらに「科学らしさ」を深掘りしていく中で,科学と非科学の違いや,科学とことわざ(経験知)の関わりなどに踏み込んだ.

セッションで話し合った未来像

「等身大の科学」を捉えた上で,科学技術研究の成果の発信や,科学技術研究の過程の公開に努める

セッションでの意見、論点

<グループ1>

・科学が答えられるのは,「〇〇が,二度あることは三度ある」などある程度限定された状況に過ぎない.
→その意味で,科学が証明できることが限られ,科学ではわからないことも多い

<グループ2>

・市場にも科学にも「もれなくダブりなく」データを取ることが求められる.

・「科学らしさ」のキーワードとして,「定量的な観測」と「統計的な見方」の2つが挙げられる.

<対話の部>

・「科学」と「非科学」の違いはどこにあるのか?
→研究手法・証明手法の違い,統計的な手法や数量的な評価を用いた「不確実性の定量化」,学術コミュニティの合意形成など.

・ことわざ(経験知)は「科学的」か? ことわざと科学の関係とは?
→割愛

・科学的な正しさとは?
→ 一回性の事象を捉えることの難しさ,経験的に正しいが,科学的証明が難しいものの取り扱い.

まとめ

・科学的方法論に類似した形式で「ことわざ」の検証方法を考える中で,「定量的観測」や「数量による理解」など,科学的方法論に関わるものが導かれ,"科学が生まれる過程"を見る上でのキーワードを引き出すことができた.参加者が分析した「不確実性の大きい事象に対する『学術コミュニティの合意形成』」や「経験知の中から洗練させて生まれる科学」といった視点は,参加者と運営スタッフ双方にとって興味深い視点であり,本実践のやり方について,参加者からも「パワポを動かして議論する方法論入門としての意味がある」(終了後アンケート)とのコメントをもらっている.

セッションで出たキーワード

科学的仮説の一般性・普遍性・網羅性,偏りのないデータの収集,定量的観測,統計的手法による証明,学術コミュニティの合意形成,因果性と相関,素朴な帰納的推論,経験知

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