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2021年11月3日(水・祝)7日(日)

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No.Y-12録画済み動画

測量ワークショップ「ナスカの地上絵の再現」実践ドキュメンテーション

Practical Documentation of Surveying Workshop "Reproduction of Nasca's Geoglyphs"

九州産業大学諫見泰彦研究室 Yasuhiko ISAMI Laboratory, KYUSHU SANGYO UNIVERSITY

企画概要

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正しく測ることの重要性を小学生に伝えることを目的とした、測量ワークショップ「ナスカの地上絵の再現」は、飛行機がなく上空から全体像を確認できなくても、現在の測量器械につながる向きと長さを測る原始的な道具があれば、地上絵は容易に描けたと推理し、古代のミステリーに挑戦したものです。放射法による作業は、原図上に原点を定め、測点への向きを一致させ、距離を一定倍させる単純な測量原理に基づいています。小学校での実践では、算数の単元「比例」の学習内容の応用として測量技術が成立することを示すため、双方のつながりを重視しました。また画鋲と糸という学校や家庭でも準備可能なものに教具を求め、汎用性の向上に努めました。

The surveying workshop "Reproduction of Nasca's Geoglyphs", which aims to convey the importance of accurate measurement to elementary school students, is oriented toward the current surveying instruments even if there is no airplane and the whole picture cannot be confirmed from the sky. If there was a primitive tool to measure the length, it was inferred that the geoglyph could be easily drawn, and it challenged the ancient mystery. The work by the radiation method is based on the simple surveying principle of setting the origin on the original drawing, matching the directions to the survey points, and multiplying the distance by a certain amount. In practice in elementary school, we emphasized the connection between the two in order to show that surveying technology is established as an application of the learning content of the arithmetic unit "proportional". We also sought teaching tools such as pushpins and threads that can be prepared at school and at home, and worked to improve versatility. 

登壇者プロフィール

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諫見 泰彦 イサミ ヤスヒコ

九州大学(旧 九州芸術工科大学)大学院修了。九州産業大学建築都市工学部准教授(地域貢献実践学)、文化庁文化芸術による子ども育成総合事業派遣芸術家(メディア芸術)、日本建築学会子ども教育支援会議議員、日本サイエンスコミュニケーション協会一般会員等。測量ワークショップ「ナスカの地上絵の再現」により小柴昌俊科学教育賞グランプリ、同「伊能忠敬のようなこと」により日本建築家協会ゴールデンキューブ賞等を受賞。

プログラム

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「ナスカの地上絵の再現」は、ものづくりを行う際の正しく測ることの重要性を小学生に伝えることを目的としています。 飛行機がなく上空から全体像を確認できなくても、現在の測量器械につながる向きと長さを測る簡単な道具があれば、地上絵は容易に描けたと推理し、小学生とこの古代のミステリーに挑戦したものですが、一体どんな方法で?、どんな道具で?。方法は算数の「比例」の学習を応用。そして何と道具は糸と画鋲!。ぜひ参加してください。

出展レポート

企画概要の補足

算数の比例と測量技術の関係を子どもが体験的に学ぶとともに、全員で力を合わせて、空から見下ろさないと視認不可能な巨大な地上絵を、家庭や学校にある身近な画鋲と糸を道具に描くサイエンスアートの制作活動です。なおこの活動は、小柴昌俊科学教育賞グランプリ(平成基礎科学財団)を受賞しています。

セッションで話し合った未来像

測量ワークショップ「ナスカの地上絵の再現」は、飛行機がなく上空から全体像を確認できなくても、現在の測量器械につながる向きと長さを測る原始的な道具があれば、地上絵は容易に描けたと推理し、古代のミステリーに挑戦したものです。放射法による作業は、原図上に原点を定め、測点への向きを一致させ、距離を一定倍させる単純な測量原理に基づいています。「よりよいものづくりが行われる未来像」を求めて、その担い手となる小学生に「正しく測ることの重要性」を伝えることを目的としたこの測量ワークショップにおいて、小学校での実践では、算数の単元「比例」の学習内容の応用として測量技術が成立することを示すため、双方のつながりを重視しました。また画鋲と糸という学校や家庭でも準備可能なものに教具を求め、汎用性の向上に努めました。

セッションでの意見、論点

「測量ワークショップ「ナスカの地上絵の再現」実践ドキュメンテーションは、実践予定のワークショップが新型コロナウイルスの影響で延期されたため、これを主軸に紹介する構想であったコンテンツの制作と配信が困難な状況となりました。あらためて来年度のサイエンスアゴラでの配信を目指すものとし、代替として「小学生児童向け測量ワークショップ「ナスカの地上絵の再現」」(サイエンスアゴラ2020出展の前半部コンテンツ)をご覧いただきました。その影響で特に新しい意見や論点は導けなかったことを反省いたします。

  • 小学校教員から「全体で一つの成果を得るために、個人が課された責任を果たすこと、作業が失敗ならばやりなおす勇気を持つことなど、このワークショップは集団形成にも効果がある」との評価を得ました。
  • 教育学専門の大学教員から一連のワークショップについて「スケールの大きさが際立っていた。空間を把握し認識しようとする営みがある。子どもたちは、文字通り視点の転換を体感している。」との評価を得ました。
  • 東北地方の大学教員から「素晴らしい活動であることを感じた。地上絵が東日本大震災の被災者に向けたメッセージにもなっていることに心から感謝したい」との評価と感想を得ました。

セッションで出たキーワード

ものづくり、測る(距離、重量、時間、温度、角度など)、正確さと迅速さ、確認と修正(やりなおす勇気)

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