終了課題一覧 詳細
2022年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
次世代蓄電池
全固体電池チーム
辰巳砂 昌弘 (大阪府立大学 学長)
電解液を固体電解質に代えた全固体電池の実用化に向けた研究を行います。
全固体電池は、可燃性の電解液を使用しないので、漏液の心配がなく安全性が高い電池と考えられており、自動車用電源などに期待されています。硫化物及び酸化物系無機固体電解質に適した界面構築、材料プロセス、電池設計などの要素技術を、「硫化物型全固体電池」と「酸化物型全固体電池」の2つのサブチームに分けて研究しており、前者は技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)と連携して実用化に向けた研究を更に加速しています。
正極不溶型リチウム-硫黄電池チーム
渡邉 正義 (横浜国立大学 大学院工学研究院 教授)
正極に資源制約がない硫黄、負極に金属Liやシリコン(ともに理論容量密度が大きい)、電解液にイオン液体を用いる高エネルギー密度の電池の実用化に向けた研究を行います。
イオン液体の不揮発性・難燃性に加えて、異常溶解性を利用して硫黄正極の致命的欠点であった活物質溶出の問題を解決し、また正・負極のナノ構造の最適化によって充放電に伴う体積変化や絶縁性の問題を解決します。技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)と連携して実用化に向けた研究を更に加速します。
次々世代電池チーム
金村 聖志 (東京都立大学 大学院都市環境学研究科 教授)
2価のイオンを移動イオンとするMg電池、理論エネルギー密度が大きい金属-空気電池、陰イオン(アニオン)を移動イオンとする電池など、幅広く次々世代電池の可能性に挑戦します。
電気自動車や自然エネルギー利用で求められる電池の創製を目指し、これまでの電池研究にとらわれることなく、材料研究から電池研究を一貫して行い、既存電池の2~3倍の性能を有する新規なイオン移動を利用した電池の姿を明らかにします。
実用化加速推進チーム
金村 聖志 (東京都立大学 大学院都市環境学研究科 教授)
ALCA-SPRINGで研究中の各電池系に共通の課題について、各チームのエキスパートが連携して取り組みます。
Li金属負極特別研究ユニットでは、理論容量が大きいリチウム金属の安全性や自己放電の課題解決を目指します。また、評価・解析および共通材料技術については、蓄電池基盤プラットフォームに設置した最先端の設備等を駆使して、高度な分析・解析、電池組み立て支援、共通材料の供給などの共通課題を実施します。
革新的な細胞制御法や育種法による高効率バイオ生産の技術開発
ラン藻の発酵代謝工学-光合成を基盤としたコハク酸・乳酸生産
小山内 崇 (明治大学 農学部 専任准教授)
コハク酸や乳酸は、プラスチックなどに使われる化学工業原料です。私たちの計画では、光合成細菌であるラン藻を発酵させ、二酸化炭素からコハク酸・乳酸生産を行います。特に、遺伝子改変によって炭素の代謝を改変し、高精度メタボロミクス技術やin silicoシミュレーション解析、海水培養を駆使することによって、ラン藻のコハク酸・乳酸生産量を増大させる技術を開発します。この技術開発によって、将来的に温室効果ガスの排出削減や化石燃料の消費削減を目指します。
- 研究室HP
- 成果プレス発表(2015年4月8日)
- 成果プレス発表(2015年8月27日)
- 成果プレス発表(2015年9月24日)
- 成果プレス発表(2016年7月20日)
- 成果プレス発表(2016年8月31日)
- 成果プレス発表(2016年12月21日)
- 成果プレス発表(2017年1月25日)
- 成果プレス発表(2017年11月9日)
- 成果プレス発表(2017年11月9日)
- 成果プレス発表(2018年6月1日)
- 成果プレス発表(2018年6月15日)
- 成果プレス発表(2018年8月30日)
- 成果プレス発表(2018年12月10日)
- 成果プレス発表(2019年4月15日)
- 成果プレス発表(2019年6月6日)
- 成果プレス発表(2019年7月23日)
- 成果プレス発表(2020年2月18日)
- 成果プレス発表(2020年3月9日)
- 成果プレス発表(2020年4月30日)
- 成果プレス発表(2020年12月18日)
- JST NEWSに掲載(2021年2月1日)
- 成果プレス発表(2021年3月18日)
- 成果プレス発表(2021年8月24日)
- 成果プレス発表(22022年2月2日)
- 成果プレス発表(2022年2月24日)
- 成果プレス発表(2022年5月25日)
- 成果プレス発表(2022年8月18日)
- 成果プレス発表(2022年10月11日)
- 成果プレス発表(2022年11月10日)
亜リン酸を用いたロバスト且つ封じ込めを可能とする微細藻類の培養技術開発
廣田 隆一 (広島大学 大学院先端物質科学研究科 准教授)
「亜リン酸」は、酸化数+3価のリン酸で、通常の生物は利用できません。本研究では、亜リン酸を利用できる能力を藻類に与えることによって、雑菌汚染に強いロバストな藻類培養技術を確立します。さらに、育種した藻類が自然界に漏れ出しても生存できないようにリンの代謝系に改変を加え、亜リン酸だけに生育を依存するようにした生物学的封じ込め技術へと発展させます。
難培養性硝化菌の可培養化と資源循環型有機養液栽培に有用な硝化微生物コンソーシアのデザイン
安藤 晃規 (京都大学 大学院農学研究科 助教)
二酸化炭素固定の主役である植物の機能は、充分な窒素供給により最大化します。しかし、作物栽培における主な窒素源は、製造に大量のエネルギーを必要とする化学肥料でした。本研究では、窒素循環における有機物の硝化(無機化)に着目し、難培養性硝化菌の培養法の開発と複合硝化微生物群の制御に取り組み、未利用有機資源の活用や、不良土壌回復、人工土壌創出へと展開し、二酸化炭素削減に貢献します。
2021年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
高効率エネルギー機器システム実現のための先進的産業用電気機器の開発
低コスト高温超伝導線材
土井 俊哉 (京都大学 大学院エネルギー科学研究科 教授)
電力利用の高効率化を図るために、銅線の代わりに電気抵抗ゼロである超伝導線を使用することは非常に効果的です。しかし現状では超伝導線の価格が非常に高いことから医療用MRIやリニア新幹線などの特殊な用途にしか利用されていません。本研究では現状の10分の1の低価格を実現するために、高価な貴金属、レアアース、レアメタルを使わない超伝導線を新たに開発し、更にそれに適した安価な製造プロセスの開発を目指します。
磁気分離法による発電所ボイラー給水中の酸化鉄除去
西嶋 茂宏 (福井工業大学 工学部 教授)
火力発電所のボイラー給水系から鉄酸化物スケールを除去する超伝導磁気分離システムを開発し、火力発電所からのCO2を削減します。今までは除去することが困難であった高温高圧のボイラー給水中で発生するスケールを超伝導磁気分離を用いて除去することで、発電効率を高く維持し、燃料消費量を抑えてCO2発生量を削減することができます。国内の全火力発電所に設置すれば、 約150万t-CO2/年の削減になります。
EBCO全超伝導回転機の開発
岩熊 成卓 (九州大学 大学院システム情報科学研究院 教授)
REBCO超伝導テープ線材を用いて全超伝導回転機の研究開発を行います。REBCO超伝導線材の低交流損失化と大電流導体化を図る独自技術を用いて、低損失・大電流仕様の超伝導電機子を開発します。回転界磁子には巻線型を採用し、全超伝導機ゆえに界磁子、電機子ともに同一のケーシングに格納することができるため、ギャップを縮小し、高出力密度・高効率の同期機として構成し、省エネを介して低炭素社会の実現を目指します。
新規材料および新機構による熱利用技術
カルノー効率の60%に達する廃熱回生熱音響システム
長谷川 真也 (東海大学 工学部 准教授)
工場や車両では熱エネルギーの60%以上が廃熱として捨てられています。更に通常、工場内の排熱は複数個所に分散して存在しており、回収することが困難です。これらの分散し捨てられている熱を「熱音響機関」を用いて回収し、再利用するための研究を行っています。
光マネジメントによるCO2低減技術
環境負荷の少ない高性能ペロブスカイト系太陽電池の開発
若宮 淳志 (京都大学 化学研究所 教授)
本研究は、材料の高純度化という切り口で、鉛フリーペロブスカイト系半導体材料を新たに開発し、これらを用いて環境負荷が少なく真に有用な高性能ペロブスカイト太陽電池の開発の実現を目指します。低コスト、軽量、フレキシブルといった本太陽電池の特徴を活かして広く社会実装へとつなげることにより、再生可能エネルギー源としての導入を増加させ、低炭素社会の実現に大きく貢献することを目指します。
耐熱材料・鉄鋼リサイクル高性能材料
不純物元素に対しロバストな積層造形ニッケル基超合金の創成
筧 幸次 (東京都立大学 システムデザイン研究科 教授)
合金粉末はバルク材に比べ比表面積が大きく活性で、造粉工程や積層造形中に酸素・窒素が混入し、積層造形材の特性劣化を招きます。本研究開発では、ニッケル基超合金の積層造形における粉末製造や造形工程における酸素・窒素混入による問題を、①酸素・窒素混入によっても特性劣化しない合金開発、②粉末およびプロセスの清浄化の両面から問題解決を目指します。ガスタービンの高効率化を通してCO2削減に貢献します。
炭素循環化学システムの高効率化
アミン含有ゲルによる省エネルギー且つ低コストなCO2分離濃縮材料・プロセスの開発
星野 友 (九州大学 大学院工学研究院 准教授)
本研究では、アミン含有ゲルからなるCO2可逆吸収体やCO2選択透過膜およびそれらのモジュールを開発し、中低圧のガスからCO2を分離・変換・利用するプロセスの省エネルギー化、低コスト化を実現します。
相分離型省エネルギーCO2吸収剤の開発
町田 洋 (名古屋大学 大学院工学研究科 助教)
温室効果ガスであるCO2の大気への排出削減技術として、大規模排出源からCO2を分離貯留する技術が実効性の高い技術として注目されています。ここで、排出源からのCO2の分離エネルギーが大きいことが課題のひとつでしたが、研究者の提案する相分離型CO2吸収剤はCO2吸収時に相分離を引き起こし、CO2濃縮相を形成することで従来よりも大幅な省エネ化が可能となります。
2019年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
ホワイトバイオテクノロジー
革新的合成法による高性能な高分子多糖類バイオプラスチックの創製と高機能部材化
岩田 忠久 (東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授)
天然あるいは酵素触媒重合により得られる高分子多糖類を原料とし、その特徴的な構造を活かした新規で高性能なバイオプラスチックの創製と、付加価値の高い環境調和型の新製品の創出を目指します。
非可食バイオマスからカルボン酸およびアルコール類の高効率合成
中島 清隆 (北海道大学 触媒科学研究所 准教授)
食料と競合しない植物資源を、有用プラスチックの原料となるカルボン酸およびアルコール類へと変換できる、環境負荷の極めて少ない次世代の環境調和型化学反応プロセスを構築します。
海洋微生物酵素群によるリグニン分解高度化と人工漆材料への展開
大田 ゆかり (群馬大学 食健康科学教育研究センター 講師)
リグニンを含む非可食バイオマスを環境調和型手法で前処理し、これを原料として、海洋微生物酵素群を使ってフェニルプロパノン芳香族モノマ ーを選択的に製造します。さらに化学触媒で「スーパー漆材料」へと機能展開して行きます。
糖質バイオマスからグリコール酸ポリマーを合成する微生物プロセスの開発
松本 謙一郎 (北海道大学 大学院工学研究院 教授)
微生物に人工的なポリマー合成システムを構築することで、再生可能な糖質バイオマスから分解性に優れたプラスチックを合成します。
フラン環の構造特性を利用した高機能性高分子の創出
橘 熊野 (群馬大学 大学院理工学府 准教授)
フラン環を有するフルフラールなどは、コスト面での優位性から非可食バイオマスのセルロースやヘミセルロースから生産されています。そのため、フラン環を含有する高分子は必然的にバイオマスからの生産となります。そこで、フラン環の構造特性を利用した機能を高分子に付与することで、バイオマス由来に特有の機能を有する高分子の創出を目指します。
糖質に依存しないムコン酸のバイオ生産
園木 和典 (弘前大学 農学生命科学部 准教授)
リグニン由来のフェノール類から幅広いポリマーの合成に利用できるムコン酸を効率よく生産する微生物プロセスを開発します。
環境適応型プロセスによるリグニンの抽出および高機能素材への展開
敷中 一洋 (産業技術総合研究所 化学プロセス研究部門 主任研究員)
非可食植物バイオマスから有害薬品を用いず高効率に多糖類・リグニンを抽出する新規技術を開発し、リグニン由来の機能性素材開発を目指します。
バイオ燃料廃棄物系バイオマスからポリマー原料への微生物転換
中島 敏明 (筑波大学 生命環境系 教授)
バイオディーゼル燃料の製造過程で生じる廃グリセロールからポリマー原料である1,3-propanediolの生産を目指します。
加硫の技術革新による天然ゴムの新展開
池田 裕子 (京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 教授)
二酸化炭素削減や安心・安全社会の構築のため、天然ゴムの生物多様性とバイオセキュリティーの観点から、ゴムの加硫制御技術を確立します。
ナノセルロースが分子キラリティを支配する界面不斉反応の創発
北岡 卓也 (九州大学 大学院農学研究院 教授)
樹木ナノセルロースと有機分子触媒の意外な組み合わせで、高い反応効率と立体選択性を併せ持つ新概念の不斉合成反応を開拓します。
セルロースナノファイバーを用いた高機能性プラスチック極限軽量断熱発泡部材の開発
大嶋 正裕 (京都大学 大学院工学研究科 教授)
CNFを多機能化添加剤としてプラスチックと複合化し発泡させ、ナノメートルサイズの空隙を材料中に1cm3当たり数千億個造り、1/10以下にまで重量を軽量化させ、高い断熱性能をもった部材を創製します。
高品位大口径GaN基板の開発
省エネデバイス用8インチ超大口径GaNウエハ
森 勇介 (大阪大学 大学院工学研究科 教授)
パワーデバイスおよびLED用基板として期待されているGaN基板の結晶欠陥低減と大口径化を推進しています。Naフラックス法およびシードポイント法を用いて、100個/cm2の転位欠陥密度と6インチ径のGaN基板の作製に成功。Si基板と同等の品質を有する8インチ超GaN基板の低コスト作製技術の開発を目指します。
液体水素冷却による超伝導電気機器の開発
高性能MgB2 長尺線材の開発
熊倉 浩明 (物質・材料研究機構 超伝導線材ユニット NIMS特別研究員)
これまでのALCAプロジェクトにおけるMgB2 線材開発の成果に基づいて、Mg棒とB粉末を使用する簡便な内部Mg拡散法などを適用して、100m-1km級のMgB2 単芯ならびに多芯線材の開発を行います。作製した線材の構造・組織や局所的臨界電流の変動などを詳細に調べ、これを線材作製プロセスに反映させます。このようにして、液体水素温度(20K)、5Tの磁界において実用レベルの臨界電流特性を有する高性能、低コストMgB2 線材を目指します。さらに、ここで開発した長尺線材を濱島グループ、ならびに白井グループに供給します。
低CO2 排出型次世代火力発電用新規耐熱材料の開発
MoSi2 基Brittle/Brittle複相単結晶 超耐熱材料の開発
乾 晴行 (京都大学 大学院工学研究科 教授)
高融点、高温強度に優れた遷移金属シリサイドを組み合わせたBrittle/Brittle複相材料という全く新規な概念のもと、異相界面の原子構造、元素分配、界面元素偏析の制御から、組織の熱安定性の向上、高強度化、高靭性化を図り、MoSi2 基超耐熱高温材料の開発を行います。そして、旧来合金では達成できない燃焼温度1800℃級ガスタービンの実現に貢献します。
革新的800℃級超耐熱鋼の設計要素技術
竹山 雅夫 (東京工業大学 物質理工学院 教授)
Fe基でもNi基に匹敵する高強度化は可能である! 我々はALCA第1フェーズにて、発電効率を大幅に向上させる800℃級火力発電プラントを念頭に、この温度では世界に類を見ない鉄ベースの材料設計に挑戦し、新たな強化機構「粒界析出強化」を利用した超耐熱鋼の組織設計指導原理の構築とその開発可能性を強度及び水蒸気酸化特性両面から実証してきました。本プロジェクトでは、研究体制に企業を加え、本指導原理に基づき、ボイラー側の熱交換器用の鋼管およびタービン側の車室部材の製造・成型のための要素技術研究を行います。
超合金タービン翼の直接完全リサイクル法の開発
原田 広史 (物質・材料研究機構 構造材料研究拠点 リサーチアドバイザー)
高コストが普及の妨げとなっている次世代超合金タービン翼材の直接完全リサイクル法を確立し、そのライフタイムコストを1/4にまで引き下げることにより、各種ガスタービンへの普及を大幅に促進させ、熱効率向上による化石燃料消費削減によりCO2 排出を削減することを目的とします。運用中の金属コーティング材の混入による主要元素濃度の変化、環境に依存するイオウなど不純物元素の混入、の2つの原因による合金組成変化、材質劣化を抑制し100%の強度と耐酸化性を維持しながら繰り返しリサイクルし、大型インゴットを作製する技術を確立します。
省エネルギー社会に向けた革新的軽量材料の創製
軽量構造部材創製のための革新的汎用マグネシウム合金の開発
鎌土 重晴 (長岡技術科学大学 技学研究院 教授)
輸送機器の軽量化によるCO2 排出量の削減に大きく貢献するために、ナノ・ミクロ組織形成シミュレーションを駆使した合金設計コンセプトに基づいて、劇的なナノ析出物強化が可能な汎用Mg合金を設計します。さらに室温成形と優れた機械的性質を付与するために、ランダム配向した微細結晶粒の形成とナノ析出物の均一分散をさせ得るマルチスケール組織制御技術を確立し、Al合金と同様に製造・使用できる展伸用Mg合金を開発します。
自律分散型次世代スマートコミュニティ
燃料電池カソード触媒機能を有するカーボンアロイの開発と評価
尾崎 純一 (群馬大学 大学院理工学府 教授)
尾崎らが開発しているカーボンアロイ触媒は、固体高分子形燃料電池用貴金属触媒の代替として期待される革新的炭素材料です。これまでのALCA研究により、最大出力650mW/cm2程度の性能を有する触媒を開発しました。
今後はカーボンアロイ触媒のキャラクタリゼーションと長期耐久性の確保に向けた取組みを実施し、最終的に固体高分子形燃料電池の普及を促進することで次世代スマートコミュニティの形成に貢献します。
先進ハイブリッドキャパシタ(AdHiCap)に関する研究
杉本 渉 (信州大学 先鋭領域融合研究群 環境・エネルギー材料科学研究所 教授)
水系電解質と固体電解質を併用して既存のハイブリッドキャパシタの10倍のエネルギー密度と高い安全性を兼備した次世代ハイブリッドキャパシタ(Advanced Hybrid Capacitor;AdHiCapTM)を開発しました。これまでのA L C A 研究で複合負極の長期安定性などAdHiCapTMの性能を更に向上させました。
今後は、負極や電解質の更なる改良により、エネルギー密度400Wh/kg,出力密度3 kWh/kgの実用ハイブリッドキャパシタとしての性能を目指します。
高効率水素製造水蒸気電解/燃料電池可逆作動デバイスの開発
内田 裕之 (山梨大学 クリーンエネルギー研究センター 教授)
出力の変動が激しい太陽光、風力等の再生可能電力を、水素ガスを媒体として高効率・低コストに蓄電して平準化できる高温水蒸気電解水素製造/固体酸化物燃料電池可逆作動セルを開発します。高効率と耐久性を両立するための電極要素技術開発と劣化機構の解明を行います。また、メーカーと共同でセル・スタックの製造法の確立を目指します。さらに、協力機関とともに、システム化への課題を明確にし、社会実装モデルを示します。
水素/空気二次電池の開発
盛満 正嗣 (同志社大学 大学院理工学研究科 教授)
アルカリ性水溶液を電解質として、「水」の電気分解とともに電力を貯蔵し、「水」の生成と同時に蓄えた電気エネルギーを放出する水素/空気二次電池を開発します。「水」を唯一の反応物質とすることで、蓄電するエネルギー規模に左右されない安全かつ安心な蓄電デバイスでありながら、同時にリチウムイオン二次電池を超える高いエネルギー密度を発揮する革新的な二次電池の開発を目指します。
バイオマスの化成品化およびポリマー化のための高効率生産プロセスの開発
微生物バイオマスを用いたスーパーエンジニアリングプラスチックの創出
金子 達雄 (北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授)
スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)原料として理想的な構造を持つ4-アミノ桂皮酸類を大量生産する微生物の育種・生産システムを確立し、金属代替材料に匹敵する性能のバイオスーパーエンプラを開発します。さらに二酸化炭素を材料系に長期カーボンストックするための生分解リサイクル法を開発し、カーボンニュートラルをゲームチェンジングする「カーボンマイナス材料」という新概念の創出を行います。
多機能不均一系触媒の開発
原 亨和 (東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所 教授)
セルロースバイオマスから得たグルコースから5(- ヒドロキシメチル)-2-フルアルデヒド(HMF)を経由し、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)や2,5-ビス(アミノメチル)フラン(AMF)等のフラン系モノマーを生産する技術の確立を行います。この技術的課題の克服により、化石資源の使用とCO2の排出なしに、人類はエンジニアリングプラスチックや高付加価値ポリマーを持続的に獲得できます。
天然多環芳香族からの単環芳香族の単離・製造技術開発
増田 隆夫 (北海道大学 大学院工学研究院 教授)
木質系、草本系バイオマスを構成するセルロース、ヘミセルロース、リグニンを成分分離し、リグニンを中心に各成分を有用化学物質に転換する技術を開発することで、バイオマス全量資源化システム開発に繋げます。
炭素系触媒によるリグノセルロース分解
福岡 淳 (北海道大学 触媒科学研究所 教授)
炭素系触媒を用いてバイオマス中のリグノセルロースを分解し、二酸化炭素排出削減に寄与する化学品合成プロセスを開発します。触媒としては安価な炭素材料を用い、バイオマス中のセルロース・ヘミセルロースから有用な五炭糖・六炭糖を合成します。また、リグニンは触媒原料あるいは燃料として活用し、リグノセルロースを全利用します。触媒の構造・活性相関についても検討し、新触媒の設計・合成にフィードバックさせます。
生物資源の制御によるバイオマス・有用成分の増産
気孔開度制御による植物の光合成活性と生産量の促進
木下 俊則 (名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 教授)
植物の表皮に存在する気孔は、植物固有の代謝反応である光合成に必要な二酸化炭素の唯一の取り入れ口で、気孔を介した二酸化炭素取り込みの際に生じる気孔抵抗は、光合成の主要な律速段階の一つとして知られています。本研究では、気孔開・閉の分子機構の解明を進めるとともに、気孔開度を人為的に制御した植物体の作出、気孔開度を制御する化合物の同定などに取り組み、植物の光合成活性(二酸化炭素吸収能)や生産量の向上を目指します。
低炭素化に資する発酵微生物の ゲノム育種およびゲノム工学的「耐熱化」
松下 一信 (山口大学 大学院創成科学研究科 教授(特命))
私達は熱帯環境から耐熱性微生物を分離するとともに、実験室進化によって「適応育種」耐熱化微生物を取得し、これら耐熱性・耐熱化発酵微生物を用いた「高温発酵系の開発」と、その比較ゲノム解析・発現解析・生理学的解析を通じた「耐熱性・耐熱化機構の解明」を目指しています。発酵の省エネルギーとロバスト化を可能にする高温発酵系の確立は、ホワイトバイオテクノロジーの活性化を通じて、「低炭素化」社会の実現に貢献します。
ゼロから創製する新しい木質の開発
光田 展隆 (産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 研究グループ長)
二酸化炭素の排出量を減らすために、食糧にならない植物の木質を原料とした第二世代バイオエタノールの生産拡大が求められています。本課題は、重要遺伝子の変異により木質を作ることのできない植物に、さまざまな遺伝子を追加発現させていくことにより、通常の木質にくらべてより低コストで多くのバイオエタノールを生産できる新しい木質を形成する植物を開発しようとするものです。
共生微生物を活用した水生バイオマスの効率生産
森川 正章 (北海道大学 大学院地球環境科学研究院 教授)
水生植物表層の未知なる生物間共生作用を発掘し、これを合理的に再設計した高機能植生ユニットを創出します。この遺伝子組換えを伴わない高機能植生ユニットは、大気中のCO2はもちろんのこと排水に含まれる窒素やリンを肥料として高速に吸収し、光エネルギーで水を浄化します。さらにその高い成長速度により、デンプンやタンパクを豊富に含むバイオマスの効率生産を可能とします。
原形質流動の人工制御:植物バイオマス増産の基盤技術としての確立
富永 基樹 (早稲田大学 教育・総合科学学術院 准教授)
あらゆる植物の細胞内では、原形質流動と呼ばれる細胞内輸送がみられます。シロイヌナズナで原形質流動を発生しているミオシンモーターを人工的に高速化したところ、植物の大型化が明らかとなりました。本研究開発では、ミオシンの更なる高速化によりシステムとしての完成を進めると共に、資源植物として有望視されているイネでの検証実験を行い、様々な植物バイオマス増産に適応可能な普遍的基盤技術としての確立を目指します。
気相微生物反応を用いる革新的バイオプロセスによるメタン/メタノール変換
堀 克敏 (名古屋大学 大学院工学研究科 教授)
不純物を含む低品位メタンを、微生物を用いて、燃料及びハブ化学物質として重要なメタノールに変換する高速気相バイオプロセスを開発します。排水処理場や埋立地から放散するメタンと、天然ガス使用量の1/9に及ぶメタンを産出可能な有機廃棄物をターゲットとします。メタノール高生産株を代謝工学により作出、接着蛋白質を利用する独自技術で高密度に固定化し、ばっ気も撹拌も不要な気相プロセスを構築します。
高効率エネルギー機器システム実現のための先進的産業用電気機器の開発
低炭素社会を支える輸送機器用超伝導回転機システム
中村 武恒 (京都大学 大学院工学研究科 特定教授)
本提案では、京都大学・アイシン精機を中心とする産学グループが先駆的研究を展開している高温超伝導誘導同期回転機システムを基盤として、その既存機に対する圧倒的な高機能性を究極化し、これからの低炭素社会を支える電気駆動式輸送機器を研究開発します。具体的には、前述の回転機システムによって脱レアアース、可変速に対する高効率化、および直接駆動可能な輸送機器を実現し、その革新的低炭素化を明確にします。
太陽電池および太陽エネルギー利用システム
次高効率ポリマー系太陽電池の開発
尾坂 格 (広島大学 大学院工学研究科 教授)
半導体ポリマーを用いた太陽電池は、いわば塗って作れる“プラスチック”太陽電池であり、低コストで低環境負荷な技術として期待されています。本研究では、電子構造と配列構造を極限まで制御することで、従来にない高性能な半導体ポリマーを創出し、“プラスチック”太陽電池では未達のエネルギー変換効率15%を目指します。
蓄電デバイス
高入出力・高容量なリチウムイオン電池用炭素負極材の開発
松尾 吉晃 (兵庫県立大学 大学院工学研究科 教授)
高容量で急速充放電性の高いグラフェンと、低コストで副反応が少ない黒鉛の特長を併せ持つ、革新的でオリジナルのグラフェンライクグラファイト(GLG)というリチウムイオン電池負極用炭素材料を開発に向け、GLGの構造・反応解析、特性改善、低コスト化に取り組みます。GLGを用いたリチウムイオン電池はEVやPHEVの航続距離を伸ばしつつ充電時間を短縮し、その普及を促進して社会の低炭素化に貢献します。
耐熱材料・鉄鋼リサイクル高性能材料
耐火金属基BCC高濃度固溶体をベースとした超耐熱材料創成
三浦 誠司 (北海道大学 大学院工学研究院 教授)
CO2ガス排出量の削減を目的として、LNG火力発電のさらなる高効率化のために、耐火金属基合金の開発を目指します。①強度増加②靭性改善③耐酸化性向上のために、「化合物による強化」「組織制御による靭性改善」を活かしながら、幾つものBCC金属を混合して新たな物質群「耐火金属基BCC高濃度固溶体」を基礎とし、組み合わせられる化合物を明らかにして、耐熱合金の基礎を確立します。
バイオテクノロジー
人為的アポミクシス誘導技術の開発による植物育種革命
高木 優 (埼玉大学 大学院理工学研究科 教授)
アポミクシスは受精を介さずに種子を形成する現象であり、母親のクローン種子を得ることができます。本研究においては、独自の転写因子研究基盤を活かして、モデル植物において人為的にアポミクシスを誘導する技術を開発し、それをイネやダイズ、トウモロコシなどを含めた多様な作物に適用することで、地球規模での作物生産性の増大とそれに伴う二酸化炭素削減をめざします。
革新的省・創エネルギー化学プロセス
階層構造磁気蓄熱再生器を持つ磁気ヒートポンプの開発
川南 剛 (明治大学 理工学部 教授)
磁気ヒートポンプは,フロン系ガス冷媒を用いない低環境負荷・省エネルギー型の革新的グリーンヒートポンプ技術です.本研究開発課題では,磁気ヒートポンプの高性能・高効率化および多用途への実用化を目指し,ブレークスルー技術として,①階層構造を有する蓄熱再生器の構造設計と開発,②Mn系磁気熱量効果材料の高精度加工法の確立,③kW級磁気ヒートポンプの開発,に関する研究を推し進めます.
水銀ランプ殺菌灯の代替となる縦型高効率・深紫外LEDの開発
平山 秀樹 (理化学研究所 平山量子光素子研究室 主任研究員)
高い殺菌効果を有する深紫外線は、直接表面殺菌、浄水、空気浄化、医療や院内感染防止、食品の衛生管理など幅広い利用が期待されております。しかし現在用いられている水銀ランプ殺菌灯は環境負荷が大きく今後の生産が大幅に制限されます。本研究では、深紫外LEDの効率を飛躍的に向上させ、水銀ランプ殺菌灯の代替えとなる高効率紫外光源を実現します。深紫外LEDの電力ロスの大幅な低減により低炭素社会実現に寄与します。
2018年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
高品位大口径GaN基板の開発
高周波化を実現するGaNパワーモジュール実装技術開発
菅沼 克昭 (大阪大学 産業科学研究所 教授)
GaNパワー半導体により、電力変換ロスの大幅低減と、高周波化による機器小型化が期待されていますが、エネルギー密度の著しい上昇に耐える耐熱実装技術が実用化のボトルネックです。銀焼結接合技術により、GaNの能力を最大限に生かす最適化実装を開発します。熱応力緩和、高周波化ノイズ低減、ナノレベル評価により、モジュールの高信頼性を獲得します。GaNの特性が生きたパワー・モジュールの早期普及を狙います。
液体水素冷却による超伝導電気機器の開発
液体水素冷却MgB2 超伝導電力機器の開発
白井 康之 (京都大学 大学院エネルギー科学研究科 教授)
液体水素冷却超伝導機器とこれをキーとした水素・電力協調エネルギーインフラ構築による低炭素化を目的とします。液体水素の冷熱の積極的利用によって水素エネルギー導入のハードルを下げ、高性能高効率な超伝導機器の導入により複雑化する電力系統の柔軟性を高め再生可能エネルギー源の大量導入を推進します。本研究では、液体水素冷却超伝導機器・冷却システムの要素技術開発、液体水素冷却超伝導線材の特性評価、水素・電力協調エネルギーシステム導入効果検討を実施します。
低コストREBCO長尺線材の開発
松本 要 (九州工業大学 大学院工学研究院 教授)
液体水素冷却による超伝導機器開発においては、超伝導工学・低温工学技術に加えて、高性能で低コストな長尺超伝導線材技術が必要です。本課題では、希土類系高温超伝導線材に人為的にナノ欠陥を導入することで77Kで高Jc(臨界電流密度)を実証してきた人工ピン技術を、新たに10~30Kに適用して数10倍の線材性能向上を実現していきます。人工ピン技術を用いれば必要な超伝導膜厚を従来の数分の1にまで削減できるため、その結果として線材製造コストを大幅に削減する技術を確立します。
低CO2 排出型次世代火力発電用新規耐熱材料の開発
窒素を有効利用した次世代超耐熱フェライト鋼の実用化総合研究
中島 英治 (九州大学 大学院総合理工学研究院 教授)
高効率・低CO2 排出量の700℃級次世代火力発電ボイラ管への適用を想定して、高強度耐熱鋼の開発を行っています。安価かつ無尽蔵の元素資源である窒素を有効利用することで、高温強度と経済性の両立を目標としています。これまで鋼への添加元素として着目されることの少なかった窒素ですが、本研究で開発した鋼は既存鋼と比べて10倍以上の高温強度を達成しており、新しい材料設計の可能性を提示しました。今後は、更なる高強度化と実機への適用に向けた取り組みを進めていきます。
MoSiB基超高温材料の先進的デザインと鋳造プロセスの確立
吉見 享祐 (東北大学 大学院工学研究科 教授)
1500℃以上の超高温域で作動可能な無冷却高圧タービン動翼を実現するために、モリブデンとケイ素、ホウ素からなる新規な超高温材料を、先進的なアイディアでデザインしその材料特性を明らかにします。さらに、新規超高温材料の実用化に向けて、実験室レベルを超えた、高圧タービン動翼に適用可能な大型素材の提供を可能とする鋳造技術の検討を行います。
省エネルギー社会に向けた革新的軽量材料の創製
軽量・超耐食性社会のためのチタンの新連続製造プロセス
宇田 哲也 (京都大学 大学院工学研究科 教授)
耐食性に優れ、比強度が大きく、資源制約もないチタンの安価な新製造法の確立に向けて、溶媒金属を介した連続プロセスについて研究しています。これまでに、チタンを還元容器底部に配置したビスマス溶媒に生成・溶解させ、チタンを含む低融点の液体合金を連続生成させること、これを模した試料からチタン濃化領域を偏析させ、さらに蒸溜することによって、チタンを得ることに成功しています。現在は、実用化に向け応用研究を展開中です。
輻射熱反射コーティングによる革新的遮熱技術
香川 豊 (東京工科大学 片柳研究所 教授)
次世代航空機用ガスタービンエンジンの軽量高温部材であるSiC繊維強化SiCマトリックス複合材料を最小の排熱ロスで使用するために、高温熱源からの輻射熱を高効率で反射し、かつ、高温水蒸気雰囲気で安定な耐熱コーティング技術を開発します。高温下の伝熱で支配的な熱輻射によるエネルギー(=電磁波)を効率よく反射する波長オーダーの最適積層構造を設計し、それを新たに開発する耐環境性酸化物系セラミックスによって実現します。
自己治癒機能を有する革新的セラミックスタービン材料の開発
中尾 航 (横浜国立大学 大学院工学研究院 教授)
自己治癒機能により発現する高い機械的信頼性を有することで、ジェットエンジン部材として適用可能な自己治癒セラミックスを開発します。さらに、本材料の最大の特徴である自己治癒性により極限まで高められた損傷許容性を活用した新規設計基準を提案、確立します。我が国独自の軽量・耐熱新素材開発を行うことで、世界の航空産業の約15%のCO2 排出削減に貢献します。
自律分散型次世代スマートコミュニティ
有機無機ハイブリッドエアロゲルを基材とする多用途断熱材の開発
中西 和樹 (京都大学 大学院理学研究科 准教授)
革新的断熱材料ポリメチルシルセスキオキサン(PMSQ)キセロゲルは、高分子発泡体やグラスウールなどの従来材料に比べ2倍の断熱性能と可視光透過性をもっています。これまでのALCA研究において、ボトルネックであった断熱材料の曲げ強度を向上させることに成功しました。
本プロジェクトでは、粒状キセロゲルの作製プロセスや成膜プロセスの確立とPMSQキセロゲルの更なる材料強度、断熱性能の向上を目指しています。
バイオマスの化成品化およびポリマー化のための高効率生産プロセスの開発
イオン液体を用いたバイオマスリファイナリー
高橋 憲司 (金沢大学 理工研究域 教授)
リグノセルロース系バイオマス前処理法として要求される項目として、
・樹種に依存せず、全てのバイオマスに適用可能
・前処理でヘミセルロースを消失しない
・前処理においてリグニンの構造が変性しない
事などがあります。本研究では、バイオマスを溶解可能なイオン液体を用いることにより、上記目標を達成します。また、イオン液体のリサイクルが可能となるプロセスを構築します。
生物資源の制御によるバイオマス・有用成分の増産
珪藻のフィジオロミクスに基づく褐色のエネルギー革命
菓子野 康浩 (兵庫県立大学 大学院生命理学研究科 准教授)
微細藻の一種、珪藻は地球上の光合成の25%を担っています。本研究では、独自開発の高効率形質転換系を用い、弱光適応型の珪藻の機能を強化して、明環境下でも迅速に増殖し、効率的な有用代謝産物・油脂生産をする細胞へと分子育種します。そして、社会実装のための関連技術を確立して、自然光による光合成を通じてCO2 を有用物質に転換することにより、エコフレンドリーな低炭素化社会の実現を目指します。
酢酸発酵によるリグノセルロースからの先進高効率エタノール生産
坂 志朗 (京都大学 大学院エネルギー科学研究科 特任教授)
低炭素社会の構築に向けて、本課題では酢酸発酵を用いた新規なエタノール生産プロセスについて研究を行っています。本プロセスは、リグノセルロースの加圧熱水による無触媒での加水分解、得られた分解生成物の酢酸発酵および水素化分解による酢酸からのエタノール生産からなり、酵母を用いる従来法に比べて高効率にエタノールを製造することが可能になります。
新規材料および新機構による熱利用技術
熱源の温度変化に対応したトリラテラルサイクル蒸気機関の開発
鹿園 直毅 (東京大学 生産技術研究所 教授)
トリラテラルサイクルは、排気や温排水等の排熱や地熱等から仕事を最大限回収するための技術です。トリラテラルサイクルを実現するためには、高効率で信頼性の高い気液二相膨張機が必要です。本開発では、新規な構成の低振動レシプロ膨張機を開発することでその実現を目指しています。そして、熱源の流量や温度の変動にも対応できるサイクル運転制御方法を確立します。
光マネジメントによるCO2 低減技術
空間結像アイリス面型・超低消費電力ディスプレイ
川上 徹 (東北大学 大学院工学研究科 産学官連携研究員)
従来のディスプレイは、ディスプレイ表示面からあらゆる方向に光を拡散し表示しています。しかし実際に利用される光は目の瞳孔に入る光のみであり、ほとんどの光は無駄になっています。そこで、目の近傍と、人の存在確率の高い横方向のみに光を集光し、光利用効率を高め、低消費電力を実現するのが、本方式ディスプレイです。
炭素循環化学システムの高効率化
油田・ガス田における可燃性ガス回収技術の開発
一ノ瀬 泉 (物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 副拠点長)
石油や天然ガスの開発では、大量のメタンガスが放出されており、その量は、日本の温暖化ガスの総排出量に匹敵します。本研究では、メタン放出の原因となっている水処理プロセス(ガスフローテーション)の代替技術として、随伴水中のコロイド状オイルの新しい分離技術を開発します。このため、BTX、C5+、あるいはブタン等の低沸点の炭化水素を効率的に捕捉する吸着材を開発し、その耐久性を向上させ、量産化技術の確立を目指します。
耐熱材料・鉄鋼リサイクル高性能材料
次世代ガスタービン高温部品への適用を目指した革新的耐熱超合金粉末に関する研究
泉 岳志 (三菱日立パワーシステムズ(株) 研究所 グループ長)
ガスタービン高効率化の為、現在作製不可能な複雑冷却構造の積層造形(AM)による作製が検討されています。しかし、現用Ni基超合金によるAM材は、混入する酸素、窒素の影響で、クリープ強度が著しく低く適用が困難です。本研究では、Ni基超合金の強化相γ’を構成する酸化し易いAl,Tiに替る新規元素探索や酸素・窒素の許容量を高める合金設計を相平衡解析に基づき行い、AM材用革新的耐熱超合金粉末を開発します。
バイオテクノロジー
遊離脂肪酸を基幹化合物とする新たなバイオリピッドプラットフォームの開発
櫻谷 英治 (徳島大学 大学院生物資源産業学研究部 教授)
本研究では微生物の代謝プロファイルの解析と微生物育種により化成品の原料となる脂質を効率よく作り出すシステム(バイオリピッドプラットフォーム)の開発を行います。化学工業と連携して、バイオ技術で得られる脂質を化成品へと変換することで社会貢献を目指すだけでなく、環境負荷の小さいバイオプロセスを実現することで温室効果ガスの排出削減に取り組みます。
人工ヘテローシス技術による植物バイオマスの多次元増産
持田 恵一 (理化学研究所 環境資源科学研究センター チームリーダー)
雑種形成による異種ゲノムの融合とゲノムの倍数化は、植物ではしばしば形態的・生理的強勢を示す「雑種」を生みだします。本研究では、計算生物学とゲノム研究を融合したアプローチにより強勢現象の基本原理を掴むこと、そして植物を強勢状態にする技術を「人工ヘテローシス技術」として実用化することを目指します。この技術により植物のバイオマス生産性を向上し、二酸化炭素の排出量を抑えた資源・エネルギー開発に貢献します。
革新的省・創エネルギー化学プロセス
内部凝縮型反応システムによるメタノール製造プロセスの高効率化
小俣 光司 (島根大学 大学院総合理工学研究科 教授)
新規な内部凝縮型反応器システムを開発して、メタノール合成プロセスのワンパス転化率を向上させることによりプロセス効率を向上させて炭酸ガスの削減を目指します。 さらに本システムを炭酸ガスの直接水素化によるメタノール合成反応に適用し、 炭酸ガスを削減します。
革新的省・創エネルギーシステム・デバイス
高品質SiC単結晶薄膜の革新的低温・高速成長技術の創製
松本 祐司 (東北大学 大学院工学研究科 教授)
本研究では、フラックスと呼ばれる結晶成長の触媒と、気相原料供給を用いた常圧液相エピタキシー法を開発し、多形を制御した4H-SiC単結晶薄膜を低温で高速成長できる技術を確立します。よって、SiC単結晶薄膜が既存のSiを代替することにより、低損失の電力変換機器の提供とスマートグリッドによるエネルギー高効率利用の実現を加速化します。
2017年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
ホワイトバイオテクノロジー
微生物変換と触媒技術を融合した基幹化合物の原料転換
新井 隆 ((株)ダイセル 研究開発本部 研究推進グループ グループリーダー)
バイオ技術により廃グリセリンをエリスリトールへ変換し、次に触媒技術によりブタンジオール等への工業原料に作り分けます。各々が得意とする技術を融合した一貫工業プロセスを構築し、CO2 削減に貢献します。
バイオマスプラスチックを使いこなすための高機能バイオ界面活性剤の開発
羽部 浩 (産業技術総合研究所 機能化学研究部門 部門付き研究員)
バイオ界面活性剤をプラスチック添加剤として利用することで、素材を高度に分散させるなど、従来にない材料高度化技術の開発を目指します。
バイオマス由来のセルロースナノファイバーを用いた“しなやか”な高分子複合材料の創出
西野 孝 (神戸大学 大学院工学研究科 教授)
強固な物性を持つセルロースナノファイバー(CNF)を用いて、柔らかく、伸びやすく、かつ高強度な“しなやか”な材料としての展開を目指します。
自律分散型次世代スマートコミュニティ
低炭素社会に資するグラフェンキャパシターの開発
唐 捷 (物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究拠点 グループリーダー)
グラフェンの炭素原子1個の厚さによる巨大な比表面積やナノポアの自律的な生成等の特性をキャパシターの電極特性に最大限活かす技術として、①単層グラフェンの3次元積層化や②ナノポアの導入等の新システムを構築し、③グラフェンキャパシターの特徴を効果的に発現できる高出力作業車に実装します。高性能、低コスト、安全、メンテナンスフリーのグラフェンキャパシターの実用化により低炭素社会実現に貢献します。
中低温イオン液体を用いたナトリウム二次電池の開発
萩原 理加 (京都大学 大学院エネルギー科学研究科 教授)
リチウム資源の偏在性、有機電解液の可燃性、レアメタル資源の枯渇などの諸問題を、100℃前後の温度域でアルカリ金属析出が可能なイオン液体を用いることで解決し、大型化・大量生産が真に狙える電力貯蔵用の大型ナトリウム二次電池を開発します。
有機無機ハイブリッド高効率太陽電池の開発
宮坂 力 (桐蔭横浜大学 医用工学部 特任教授)
研究開発代表者の宮坂らが初めて発表したペロブスカイト太陽電池は、高い変換効率が得られ現在、世界で最も注目されている太陽電池です。これまでのALCA研究で材料、結晶構造、プロセスを最適化することにより、変換効率と再現性を大幅にさせました。
Si太陽電池を越える高効率化と高信頼性化を目指すとともに鉛フリー化も検討しており、実用化を目指してトータルな研究開発を進めています。また、ペロブスカイト太陽電池との組み合わせで高効率化を目指す多くの研究グループを支援しています。
バイオマスの化成品化およびポリマー化のための高効率生産プロセスの開発
固相基質分解酵素のナノバイオ設計:CO2 バイパス炭素循環
梅津 光央 (東北大学 大学院工学研究科 教授)
非食物系のバイオマスは、水に溶解しにくい固相物であり反応性にとぼしいという課題があります。本研究では、この固相有機物を分解できる酵素をナノ材表面に3次元的に組織化することによって活性を飛躍的に向上させ、固相有機物から有用有機分子を低エネルギーかつ環境低負荷に生産するバイオプロセスを開発し、二酸化炭素をバイパスする炭素循環システムの構築に貢献します。
太陽電池および太陽エネルギー利用システム
シリコン-ペロブスカイト2端子タンデム太陽電池の高効率化の研究開発
野田 武司 (物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究拠点 グループリーダー)
結晶シリコン太陽電池をボトムセル、ペロブスカイト太陽電池をトップセルとする2端子タンデム型太陽電池の高効率化の研究開発を行います。そのために、単結晶シリコン太陽電池とペロブスカイト太陽電池との接合層での光・電気的なロスを最小限とする設計、長波長光に対する高い透過特性と高い開放電圧を有するペロブスカイト太陽電池の開発に取り組み、単接合シリコンを超える効率の実現を目指します。
元素戦略上優位なシリコン系ナノ材料を利用した高効率オールシリコンタンデム太陽電池の開発
黒川 康良 (名古屋大学 大学院工学研究科 講師)
資源量が豊富なシリコンのみを用いた高効率タンデム型太陽電池構造を実現するため、量子閉じ込め効果を利用した高品質シリコン量子ドット太陽電池を開発します。シリコン量子ドット発電層の高品質化・ドーピング技術・高温耐性透明導電膜の開発により、シリコン量子ドットセルの変換効率を大幅に向上させ、タンデムセルにて従来の結晶シリコンセルよりも2倍以上得られるようなポテンシャルを有することの実証を目指します。
太陽光励起レーザー・単色型太陽電池結合発電
元廣 友美 (名古屋大学 未来社会創造機構 教授)
直径5cm放物面鏡による小型太陽光励起レーザーを開発し、太陽光追尾による安定な発振に成功しました。2次元に配列し大面積・大出力化も可能です。太陽光をまず単色レーザー光に変換し、その単色光に特化した太陽電池で効率よく電気に変換します。レーザーの伝送性と小スポット性を活かす特殊な太陽電池を管理環境下に隔離・保持して、難設置地域における長寿命・高効率な太陽光発電の実現を目指します。
超伝導システム
高温超伝導機器冷却用低温液体循環ポンプの開発
柁川 一弘 (九州大学 超伝導システム科学研究センター 准教授)
高温超伝導機器に必須な冷却システムは、未だ実用に耐える段階にはありません。本研究では、近い将来の高温超伝導機器の実用化に即応するために、低温磁気軸受と超伝導モータで構成される低温液体ポンプを開発します。また、既存の冷凍機や熱交換器等と共に、高効率、省エネ、低炭素排出の循環冷却システムを構築します。循環冷媒は基本的に液体窒素としますが、液体水素にも対応できる低温液体循環冷却システムを開発します。
蓄電デバイス
インターカレーション擬似容量による高エネルギー密度キャパシタの開発
大久保 將史 (東京大学 大学院工学系研究科 准教授)
低炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの出力変動平準化に利用可能な蓄電デバイスの実現が求められています。キャパシタは、急速充放電が可能であることから有望な候補の一つですが、エネルギー密度が低くその利用範囲は限定的です。本研究では、層状化合物が示すインターカレーション擬似容量により、従来型の二重層容量では実現し得ない高エネルギー密度と高出力特性を兼ね備えた革新的キャパシタを開発します。
バイオテクノロジー
種々の作物に持続的な耐病性を付与する技術の創成
能年 義輝 (岡山大学 大学院環境生命科学研究科 准教授)
農産物の病害被害は甚大な為、植物の耐病性向上はバイオマス増産に有効です。本研究ではまず、①植物の免疫応答を活性化する環状ペプチド剤を独自手法で探索します。そして、②そのペプチド剤を植物に作らせることで耐病性を付与する革新技術を創出します。これは薬剤耐性菌が出ない、環境負荷が低い、対象病害が広い、種々の作物に適用可能という利点を備えており、農薬や伝統的育種を補完する新たな植物保護手法となります。
革新的省・創エネルギー化学プロセス
水の分離コスト削減を目指したエステルの不可逆型加水分解およびアルケンの直接的変換
徳永 信 (九州大学 大学院理学研究院 教授)
本課題では、現行石油化学プロセスの改良による省エネルギー化を目指します。特に、アルケンに酸素官能基を導入して第一級アルコールを合成するプロセスの部分的改良あるいは根本的合成プロセスの改良を目指します。さらに第一級アルコールの合成法として、石油化学にとどまらず、高級アルコールの省エネルギー合成も目指します。
2016年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
自律分散型次世代スマートコミュニティ
液体燃料を蓄電媒体とする白金フリー燃料電池自動車
山口 進 (ダイハツ工業株式会社 技術開発センター 先行技術開発室 主担当員)
本技術は液体燃料である水加ヒドラジンを用いる燃料電池です。水加ヒドラジンはプラスチック容器で運搬・貯蔵できるため、いつでもどこでも、スマートコミュニティの移動体や定置型燃料電池で発電ができます。また、開発中のアニオン交換膜によって発電環境はアルカリ性となるため、貴金属触媒でなく安価な遷移金属触媒で発電が可能です。これまでのALCA蓄電デバイス技術領域では、アニオン交換膜の開発を進めてきました。
実用技術化プロジェクトでは、更に高性能な膜の開発に加え、液体燃料の合成技術に関する研究を行い、本技術の早期実用化を目指します。
太陽電池および太陽エネルギー利用システム
液晶科学に基づく革新的塗布型有機太陽電池の開発
尾﨑 雅則 (大阪大学 大学院工学研究科 教授)
軽量・フレキシブルで、しかも印刷法によって大気圧下で作製できる有機薄膜太陽電池の高効率化のために不可欠な、ナノスケールの三次元構造であるバルクヘテロ構造を、液晶科学で培われた方法論に基づき実現します。それにより、液晶の自己組織性や相溶性、相分離性を活用して、構造やサイズが精緻に設計・制御されたナノ相分離構造を実現し、塗布型高効率有機薄膜太陽電池実現の道を開きます。
高温フォトニクスによる高度太陽エネルギー利用
湯上 浩雄 (東北大学 大学院工学研究科 教授)
本研究開発では、高温フォトニクス技術を用いて、高温で安定な高性能太陽光選択吸収材料を低コストでの大面積に作製する技術、及び高温物体からの熱ふく射光を、高融点金属表面に形成した周期的微細構造により、光電変換セルの感度波長領域に整合する準単色光に変換する技術の創出を目的として研究開発を行い、高効率なソーラー熱光起電力発電や太陽熱発電システムの構築を目指します。
超伝導システム
低エネルギー情報ネットワーク用光・磁気・超伝導融合システム
藤巻 朗 (名古屋大学 大学院工学研究科 教授)
低炭素社会の構築には、データセンターなどの情報ネットワーク施設の低消費エネルギー化は不可欠です。本研究では、新しい単一磁束量子回路を採用し、マイクロプロセッサや高速メモリを開発します。また、磁性体を利用した新しい大容量メモリを開発します。さらに、超伝導単一光子検出器を利用した光入力技術も取り入れ、データセンターの核となる信号処理システムの低消費エネルギー化を目指します。
革新的省・創エネルギー化学プロセス
植物バイオマス生産高度化のための合成プロモーター作出
山本 義治 (岐阜大学 応用生物科学部 教授)
光合成を利用したバイオマス生産の高度化のためには大胆かつ多様な植物分子育種を進める必要があります。これまではゲノム情報をもとにして有用遺伝子の同定が集中的に行われてきましたが、今後はそれらを「どのように働かせるか」を工夫していく必要があります。本課題では「合成プロモーター」というアプローチにより、課題研究者の技術力を駆使して様々な遺伝子の働かせ方をDNA配列に組み込みユニット化していきます。
革新技術領域(担当PO・小長井 誠)
光とキャリアを完全利用するナノ構造体・結晶シリコン融合太陽電池
宇佐美 徳隆 (名古屋大学 大学院工学研究科 教授)
本研究では、ナノフォトニック結晶と量子ドット積層構造を結晶シリコン太陽電池に融合した革新的な「ナノ構造体・結晶シリコン融合太陽電池」の創出を目指します。①ナノ構造体と光の強い相互作用による光吸収の増大、②量子ドットによる吸収可能波長領域の拡大、③電子と正孔を分離して輸送することで再結合を抑制という特徴をいかし、ナノ構造体を利用して太陽電池の飛躍的な高効率化が可能であることを実証します。
革新技術領域(担当PO・谷口 研二)
ナノ中空粒子を用いた高効率高輝度照明の開発
藤 正督 (名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授)
空洞とシェルから成る中空粒子は、ナノサイズ化することでさまざまな特性を発現します。私たちの研究チームでは、ナノ中空粒子を利用して、高い光透過性材料を作製できることを発見しました。本課題では、この特異な光学特性に注目して作製したナノ中空粒子を用い、現行LED照明の輝度を従来より約20%向上、新規ナノ蛍光体を組み合わせることによりさらに約20%向上させることを目指しています。
2015年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
太陽電池および太陽エネルギー利用システム
人工光合成複合システムの構築
福住 俊一 (名城大学 理工学研究科 特任教授)
天然の光合成系では、太陽エネルギーにより水を酸化して電子を取り出し、その還元力を用いてCO2固定を行っています。これを人工的に再現するためには、①光捕集、②電荷分離、③水の還元触媒、④水の酸化触媒、⑤CO2還元触媒をすべて組み合わせて複合化する必要があります。本研究では、メソポーラスシリカなどの透明な材料に①-⑤の役割を担う触媒分子、ナノ粒子を全て複合化した人工光合成系を構築します。
マジック超構造による窒化物太陽電池スマートイノベーション
吉川 明彦 (千葉大学 スマートグリーンイノベーション研究拠点 特任教授)
窒化物半導体の独創的スマートイノベーションにより、変換効率50%のタンデム太陽電池実現の基盤技術を開拓します。重要戦略は、窒化物半導体物性の特徴と太陽光スペクトルの最適マッチングで、超薄膜1分子層技術を基盤とした短周期超格子・マジック超構造擬似混晶(SMART)により、変換波長域の長波長側への拡大と接合漏れ電流の飛躍的低減を両立し、SMART構造による光・熱増感も加味し、高効率化を図ります。
超高効率エネルギー変換スピノーダル・ナノテクノロジー
吉田 博 (大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授)
超低コスト化と超高効率エネルギー変換をめざして、スピノーダル・ナノ分解が誘起する自己組織化ナノ超構造の創製法、自己修復法、新物質創成法、環境調和元素代替法、高機能化などの多階層連結シミュレーションとデザインを行います。自己組織化や次元性の制御により、普遍的な新原理、 新理論の提案と実証を行い、スピノーダル・ナノテクノロジーという独創的な新奇技術をデザイン主導で実証、普及させ、人類の遠い未来に貢献します。
IV族元素による環境調和型Si系クラスレート太陽電池の開発
久米 徹二 (岐阜大学 工学部 機能材料工学科 准教授)
温暖化ガス排出量の大幅削減に向けて、太陽電池には高い効率の他に耐久性と環境にやさしい材料の使用が求められます。環境にやさしいIV族元素(シリコンやゲルマニウム)で構成される新しい材料「半導体クラスレート材料」を創生し、この材料が潜在的に持っている利点「高い光吸収能率」を生かした次世代太陽電池を実現することが本課題の目的です。
有機薄膜太陽電池の結晶性理想構造の共蒸発分子誘起結晶化法による実現と高効率化
嘉治 寿彦 (東京農工大学 大学院工学研究院 先端物理工学部門 准教授)
ペンキの原料などを精製した有機半導体は、結晶にすると高い電荷移動度と理想的な半導体特性を示す潜在能力があります。この潜在能力を、複雑な構造が必要な有機薄膜太陽電池で制限なく発揮させることで単結晶シリコン太陽電池に匹敵する高効率を目指します。この目標に必要なnm~μmスケールの結晶性の入れ子構造の作製技術を、私たちが開発した真空蒸着時に液体分子を導入する共蒸発分子誘起結晶化法を活用して確立します。
高効率太陽光発電用レクテナの開発
野崎 眞次 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)
アンテナで受信した高周波信号をダイオードにより整流し、電力とするアンテナとダイオードの組み合わせは、レクテナとして知られていますが、ダイオードが応答できる周波数は最高でも5THz程度です。本研究では、周波数が150THz~1000THzと幅広い太陽光スペクトルに対応する超高周波整流器と広帯域アンテナからなるレクテナ素子を太陽電池に代わる高効率太陽光発電用デバイスとして開発し、商品化を目指します。
蓄電デバイス
高酸素イオン伝導体ナノ薄膜を用いる革新的金属―空気2次電池
石原 達己 (九州大学 大学院工学研究院 教授)
従来に無く200℃でも十分な酸素イオン伝導を示す材料を、酸素イオン伝導体のナノイオニクス効果を利用して創出するとともに、これを応用した、従来全く提案されていない新しい金属ー空気電池の電解質へ展開します。開発した酸素イオン伝導体を電解質として、Feまたは Liなどの金属を直接酸化または水素/水蒸気を媒体に酸化する新しい充放電機構に基づく高容量、高エネルギー密度を示す革新的二次電池を創出します。
単結晶ナノキューブのボトムアップによる高性能小型デバイス開発
加藤 一実 (産業技術総合研究所 無機機能材料研究部門 首席研究員)
誘電体セラミックスの単結晶ナノキューブ化技術、単結晶ナノキューブの配置・配列・接合・界面制御技術を開発し、単結晶ナノキューブが2~3次元にボトムアップした高性能セラミックス小型部材を製造するための基盤技術を確立します。これにより、高出力・高エネルギー密度の新スーパーキャパシタを開発します。
錯体水素化物系高速イオン伝導体の全固体蓄電デバイスへの実装
宇根本 篤 (東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 講師)
酸化物系、硫化物系に次ぐ第3の固体電解質群として近年、注目されている錯体水素化物系高速イオン伝導体を全固体型蓄電デバイスへ実装します。電極活物質の適用範囲やその組み合わせ、電極層の組成や微細構造制御を通じてデバイス特性との因果関係を基礎学術的に解明し、従来のリチウムイオン二次電池を凌ぐ高エネルギー密度化達成のための設計指針を開拓します。
バイオテクノロジー
グリーンエネルギー生産技術の高度化に向けた革新的バイオフィルム制御法の開発
野村 暢彦 (筑波大学 生命環境系 教授)
新規イメージング技術とマイクロデバイス技術の融合による微生物バイオフィルムのハイスループット解析技術を開発します。それにより、微生物のコミュニケーションに着目した新しいバイオフィルム制御技術を確立します。この技術を微生物燃料電池などのグリーンエネルギー生産技術の高度化や、そのほかのバイオフィルムが関与する幅広い分野に導入することで、低炭素化社会の実現に貢献します。
不良土壌におけるバイオマス生産拡大を目指す分子育種
西澤 直子 (石川県立大学 生物資源工学研究所 教授)
現在不毛の地となっている不良土壌においても、画期的に高いバイオマス生産性を上げることができれば、二酸化炭素の削減に貢献します。本研究開発では、石灰質アルカリ土壌における鉄欠乏に耐性の植物を分子育種し、不良土壌におけるバイオマス生産を拡大することによって、二酸化炭素の削減に寄与することを目的とします。また、これを可能にするために、植物の鉄欠乏耐性戦略の新たな基礎原理を明らかにすることも目指します。
汎用的高効率バイオプロセス細胞の創製
小笠原 直毅 (奈良先端科学技術大学院大学 学長)
化学プロセスによる諸有用ケミカル素材の工業的生産を、バイオプロセスによる生産へ転換するために、革新的な「汎用的高効率バイオプロセス細胞」を創出します。具体的には、現在、諸有用分子の工業的合成等に用いられている枯草菌について、その増殖メカニズムの制御により細胞を素材生産期に導き、維持し、同時に、代謝フラックスの制御によって多様な産物を効率的に生産できる汎用性を備えたバイオプロセス技術を開発します。
革新的省・創エネルギー化学プロセス
バイオマス超低温接触ガス化プロセスの開発
宝田 恭之 (群馬大学 大学院理工学府 教授)
本研究開発では、高機能かつ安価な触媒および脱塩・脱硫プロセスの開発、ガス化炉の最適運転条件の検討等により、高効率なバイオマス低温ガス化プロセスならびにシステムを構築し、様々なバイオマスにおいて、熱自立可能且つ高い冷ガス効率を達成し得る、400℃での超低温ガス化技術の創出を目指します。これにより、再生可能エネルギー利用の高効率化と普及を促進し、温室効果ガスの大幅な削減に繋げます。
エクセルギー再生反応・分離システムの開発
堤 敦司 (東京大学 生産技術研究所 特任教授)
新しいエネルギー利用原理であるエクセルギー再生の概念に基づいて、従来のように燃焼・加熱させ最終的には低レベルの熱を廃棄するのではなく、プロセス内で熱を循環利用することでエネルギー消費を大幅に削減することができる自己熱再生技術を適用し、省エネルギーで、かつ、新しい非平衡反応システムの創生を目的とします。
これにより、革新的化学プロセスを開発し、エクセルギー再生型化学プロセスの設計手法を確立します。
全触媒化バイオマスリファイナリーの開拓
岩本 正和 (中央大学研究開発機構 機構教授)
現在研究中のバイオマスリファイナリープロセスは、リグノセルロース原料を分離・糖化・発酵する旧来型のプロセス概念から脱却できていません。本研究では、リグノセルロースそのものを直接触媒処理し、水中へ全可溶化する技術、得られた新プラットフォーム化合物を液相接触水素化等によって選択的に有用化合物へ転換する技術等を開拓し、バイオマスリファイナリー全体を統合的に触媒プロセス化することを目指します。
革新的省・創エネルギーシステム・デバイス
超省資源ナノチューブフレキシブルエレクトロニクス
野田 優 (早稲田大学 先進理工学部 教授)
フレキシブルエレクトロニクスは、太陽電池・電子ペーパー・有機EL照明等の創エネルギー・省資源・省エネルギーデバイスを、安価に大規模に実現すると期待されます。本研究では、これらデバイスに共通して重要なフレキシブル電極・配線を、無機と有機の利点を合わせもつカーボンナノチューブにより開発します。既存概念を覆す省資源・高速製造技術により、各種デバイスの大規模普及を支え、温室効果ガスの排出削減に繋げます。
革新技術領域(担当PO・小長井 誠)
多層セル型太陽電池用Ⅳ族多元系混晶の結晶成長と界面構造制御
中塚 理 (名古屋大学 大学院工学研究科 准教授)
炭素や錫を含むⅣ族系材料からなる多元混晶を用いて、結晶の格子定数とエネルギーバンド構造の独立制御を実現し、太陽光スペクトルに最適な吸収帯幅、遷移構造を持つ新しい多元混晶・多層セル構造の設計とその形成技術を開発します。また、混晶を用いた結晶ひずみ制御技術の活用によって、結晶欠陥や界面欠陥の制御技術も合わせて開発し、従来のシリコン系太陽電池を凌駕する新しい世代の超高変換効率太陽電池の実現を目指します。
2014年度終了
太陽電池および太陽エネルギーシステム
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
テラワットPV世代の薄膜太陽電池の開発
仁木 栄 ((独)産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター 研究センター長)
性能に優れながら原料供給・コストに課題のあるカルコゲナイド系薄膜太陽電池(CIGS、CdTe)では、原料の多様性を高めることが非常に重要です。本研究では、地球上に豊富に存在する元素(銅、鉄、等)に注目し、その太陽電池材料技術と高速高品質製膜技術を開発することで材料・装置コストの大幅な低減を図り、コスト競争力・資源戦略性に優れた“ロバスト”な薄膜太陽電池技術の確立を目指します。
超伝導システム
自然エンジンによる排熱回収システムの構築
琵琶 哲志 (東北大学 大学院工学研究科 教授)
可動部品を持たない新しいタイプの低温排熱回収技術を開発します。この技術の核となるのは、熱音響自励振動を利用した熱機関「自然エンジン」です。このエンジンの特色は機械的ピストンの代わりに音波を用いることにあります。カルノー効率の30%の効率を200℃の熱源温度で実現することを目指します。強制振動を使った独自の研究手法を適用し、迅速な設計と解析を可能にします。
蓄電デバイス
次世代蓄電デバイス用特異構造ナノクリスタル
大原 智 (大阪大学 接合科学研究所 特任准教授)
ナノテクノロジーを基盤として、セラミックス・金属・カーボン等の構造を原子レベルで精密に制御した蓄電デバイス用特異構造ナノクリスタルを合成します。さらに、ナノクリスタルを自己組織化機能等によりミクロレベルへと高次構造化することにより、これまでの性能を凌駕する燃料電池、二次電池、キャパシター等の開発を目指します。
ナノ物質空間制御による高容量・高速充放電Liイオン二次電池の開発
森口 勇 (長崎大学 大学院工学研究科 教授)
ナノスケールでの物質構造制御により、バルクでは発現困難な可逆的かつ安定な多電子反応を可能にし、それらの特徴を生かした材料設計・構築を通して、飛躍的に高い容量・高速充放電特性を有するLiイオン二次電池の開発を行います。特に、活物質のナノサイズ化やカーボンナノコーティング等による活物質/カーボンナノ複合構造体の創製により、充放電機能の向上に挑戦します。
ナノ積層法による燃料電池・水電解セル開発
藤ヶ谷 剛彦 (九州大学 大学院工学研究院 准教授)
独自に開発した電極触媒作製手法である「ナノ積層法」を展開し、高性能燃料電池および水電解システムを開発します。「ナノ積層法」とはナノカーボン担体の表面に数ナノメートル厚で塗布した「のり」の役割をする樹脂を介してイオン伝導体や金属ナノ粒子を「貼り付ける」技術です。本技術が可能にする電極触媒精密デザインを次世代燃料電池・水電解セルの「高活性化」「長寿命化」「低コスト化」に最大限活用し実用化を加速します。
耐熱材料・鉄鋼リサイクル高性能材料
廃熱で作動する高出力固体エンジン材料の設計原理
稲邑 朋也 (東京工業大学 精密工学研究所 准教授)
動作温度が100℃以上である新規形状記憶合金が発生する仕事量を最大限に引き出す合金設計・組織制御を行うと共に、材料の内部に存在する摩擦源や欠陥を排除するという全く新しい思想の材料設計に挑戦し、高温で高出力を得られる形状記憶合金の設計指針を確立します。これにより、現在全く利用されていない200℃以下の低質熱源と接触させるだけでダイナモを回転させて発電できる、クリーンな発電技術の実現を目指します。
現実的CNTアプリケーション技術による革新的超軽量強化複合材料量産化技術の開発
井上 翼 (静岡大学 工学部 准教授)
ミリメートル級長尺カーボンナノチューブ(CNT)を高度に配列制御して複合化した超軽量高強度CNT複合材料(CNTRP)を新規に創出するとともに、CNT実用化の最も大きな障害となっている高いCNT価格を大幅に低減するためのCNT量産化技術開発を行います。そして、これら技術を融合した高性能超軽量CNTRP量産化技術の基礎を確立します。CNT合成からCNTRP製造まで、日本発の新たな高性能複合材料技術開発により新産業を切り開く本格研究に取り組みます。革新的超軽量CNTRPは、工業製品に大きな重量変革をもたらし、CO2排出削減に大きく寄与します。
ナノスケール構造制御による高効率シリコン熱電材料の開発
山中 伸介 (大阪大学 大学院工学研究科 教授)
熱電発電技術の産業化のためには、環境調和型元素から構成された高効率熱電変換材料が必要不可欠です。本研究では、多様なナノ組織構築技術と高度なシリコン(Si)ナノデバイス技術を元に、ナノスケールで構造を制御したSiを創製し、熱電特性の高機能化を図ります。最終的には、自動車の廃熱回収システムへの応用を見据えて、室温から300℃付近の温度域で性能を発揮する高効率バルクナノSi 熱電材料を開発します。
バイオテクノロジー
デザイナー生体触媒による超高効率バイオマス糖化
神谷 典穂 (九州大学 大学院工学研究院 教授)
本研究開発では、バイオマス分解系において異なる役割を担う生体触媒を、簡便且つ自在にアセンブルすることを可能にする新しいバイオ分子集積技術の創出を目指します。まず、分子設計に必要な部品を創製し、これらを意図するかたちに組み上げるところから研究を開始します。新奇な分子のかたちと機能の相関から、常温・常圧下、セルロース系バイオマスを高効率に分解可能なデザイナー生体触媒を創出します。
環境微生物群の潜在的代謝能に基づくテーラーメイドリグニンの創出
梶田 真也 (東京農工大学 大学院農学研究院 准教授)
本提案では、様々な環境中に生育する微生物群が持つ多様な芳香族化合物代謝能を担う遺伝子を探し出し、これらを植物の細胞内で働かせることでリグニンの生合成を改変します。これにより分解性や加工性に優れたテーラーメイドリグニンを含む細胞壁を創出し、バイオ燃料や化学工業原料の生産へ新規な植物バイオマスを供給することを通じて低炭素社会の実現に貢献します。
次世代バイオポリマー生産を目指すプロパノール発酵技術の開発
片岡 道彦 (大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 教授)
本研究開発では、現在全世界で汎用的に利用されているポリマー原料のひとつである「プロピレン」をバイオマスから生産するための基盤技術として、プロピレンへの化学的変換の前駆体となるプロパノールの発酵生産技術の開発を進めていきます。具体的には、新たに設計したプロパノール生合成経路を組み込んだ組換え微生物を創成し、グルコース等からの効率的プロパノール発酵生産プロセスを検討していきます。
C1微生物-植物共生系による光エネルギー利用型CO2/C1炭素固定
阪井 康能 (京都大学 大学院農学研究科 教授)
葉上など植物の表層にひろく共生しているC1微生物は、そこに存在するメタノールやメタンを炭素源として生育しています。最近、C1微生物が植物に対して、生長促進・収量増大効果など、炭素固定に対して正の効果を持つことが明らかになりつつありますが、そのメカニズムはわかっていません。本課題ではC1微生物のもつ正の因子の分子・化学レベルでの解明と、その性質を利用して植物バイオマス生産に資する技術を開発します。
革新的省・創エネルギー化学プロセス
中温域燃料電池の要素材料開発とそのDMFC応用
小俣 孝久 (大阪大学 大学院工学研究科 准教授)
300~500℃の中温域で運転可能な燃料電池の要素材料である、中温域で高いプロトン導電性を有する固体電解質材料および貴金属を含まない触媒・電極材料を新たに開発します。それらにより、貴金属や高温耐熱材料を使用しない低コストなメタノール燃料電池からなる新しい発電システムの実現をめざします。
革新的省・創エネルギーシステム・デバイス
大口径ダイヤモンド基板によるグリーンインバータ基礎技術
川原田 洋 (早稲田大学 理工学術院 教授)
本提案では、単結晶及び大口径が得られる多結晶ダイヤモンドの物質的優位性を活かしたFETによる超低損失インバータの基礎技術を開発します。接合型FETあるいは金属-絶縁体-半導体(MOS)FETによるチャネル構造とフィールドプレート接合やプレーナスーパー接合によるドリフト構造を合体した経済性のあるプレーナ型電力FETの開発を行います。インバータの低損失化により日本で年間1千万トン以上(年間排出量の約1%)のCO2削減が可能となります。
2013年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
太陽電池および太陽エネルギー利用システム
Ⅲ-Ⅴ族窒化物太陽電池の高効率化と集光型デバイスへの展開
角谷 正友 ((独)物質・材料研究機構 環境エネルギー部門 主幹研究員)
青色発光デバイスで利用されているⅢ-Ⅴ族窒化物材料を太陽電池応用の点から高度化します。薄膜や界面での欠陥と電流の輸送機構の相関を解明しながら、変換効率の向上を図ります。通常の太陽電池では発電しない波長の短い光を利用できるので、40%以上の変換効率を示す従来型化合物系集光型太陽電池上にⅢ-Ⅴ族窒化物薄膜太陽電池を導入することで変換効率50%を超えることのできる太陽電池構造を提案、実証していきます。
液体シリコン塗布プロセスによる高性能太陽電池
下田 達也 (北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科 教授)
液体シリコン材料、液体酸化物材料等の液体材料を用いて、塗布法により高効率低コストな太陽電池を開発します。高効率化は、高性能半導体薄膜、タンデム構造、高い光閉じ込め構造の透明電極によって達成します。低コスト化は、液体シリコン材料の低コスト化、液体プロセスによる製造コスト低減、装置の低コスト化により実現します。このような新技術を開発し、現在の商用電力と同等のコストを可能する太陽電池の基礎技術を確立します。
ハイブリッドナノカーボン太陽電池の創成
堀 勝 (名古屋大学 工学研究科 教授)
本研究開発では、全く新規な材料系からなる太陽電池として、アモルファスカーボン、ナノグラフェン、ナノダイヤモンドなどの複合体および積層構造体などで構成されたハイブリッドナノカーボン太陽電池を提案します。コストの観点からオールカーボンで構成される太陽電池は究極であり、独創的な太陽電池の創成に挑戦します。これによって、我が国のCO2排出抑制のみならず、プラズマ材料プロセスの新たな展開にも貢献致します。
超伝導システム
ユニバーサル透明導電性基板の開発
大友 明 (東京工業大学 大学院理工学研究科 教授)
環境にやさしい酸化物は、クリーンエネルギーに関連する多くの技術分野で実用化が進められてきました。しかし、大きな単結晶が作製できないため現状では酸化物独自の機能を活かした用途は限られています。天然でミネラルが結晶化するようなマイルドな環境下でガラス材の上に透明な酸化物結晶を作製する方法を開発します。固体照明、太陽電池、超伝導線材、ディスプレィなど様々なデバイスを低コストで作製する技術につながります。
戦略大転換で挑む薄膜合成による革新超伝導材料の開発
内藤 方夫 (東京農工大学 工学部 教授)
本研究課題は、高温超伝導体開発戦略指針を従来の「モット絶縁体へのキャリアドーピング」から「共有結合を介した強結合クーパーペアリング」に転換し、革新的な超伝導材料の開発をめざすものです。材料開発のアプローチとして、申請者がこれまでに開拓してきた最先端の薄膜合成技術を駆使し、本研究開発期間中に、Tcが液体窒素温度を超える銅酸化物以外の材料を創出することを目標とします。
高性能超伝導電力ケーブルの開発
松下 照男 (九州工業大学 大学院情報工学研究院 産学官連携研究員)
平行磁界下で臨界電流密度が大幅に増えるという縦磁界効果を応用した大電流の超伝導直流電力ケーブルを開発します。縦磁界効果が実現される構造とするため、まず外側遮へい層の超伝導線を一方向によじり、流れる遮へい電流によって軸方向の磁界を発生させます。一方、内側導体部では超伝導線が磁界と平行となるように超伝導線を逆向きによじります。これにより、従来ケーブルに比べて電流容量を大幅に向上させることができます。
耐熱材料・鉄鋼リサイクル高性能材料
鉄鋼の高性能化と低炭素化を両立する複層鋼板
小関 敏彦 (東京大学 大学院工学系研究科 教授)
わが国全体の15%を占める鉄鋼製造からのCO2排出を削減するとともに、産業競争力や社会の安心・安全を支える高性能鋼を維持するため、鉄鋼の革新的な特性向上シーズである「複層鋼板」を基盤とし、マルチスケールの材料設計およびプロセス、利用技術の検討を通して、スクラップ鋼を50%以上の構成層として、鉄鋼製造CO2の30%以上の削減と高性能を両立する環境対応型複層鋼板を開発します。
バイオテクノロジー
非食用の多糖類を利用したバイオプラスチックの研究開発
位地 正年 (日本電気(株) スマートエネルギー研究所 主席研究員)
安定に供給されうるセルロースなどの非食用植物資源の多糖類を利用し、高い温暖化ガス削減効果を実現する革新的なバイオプラスチックを開発します。本バイオプラスチックでは、自然が創り上げた精緻かつ強固な構造をもつ多糖類に、天然有機物を効率的に結合させて樹脂化することで、優れた実用性、高い植物成分率(石油削減率)、および低い製造時のCO2排出量(同機能の石油系プラスチックの50%以下)の実現を目指します。
有用光合成生物への窒素固定能移入が導く“窒素革命”
藤田 祐一 (名古屋大学 大学院生命農学研究科 准教授)
現在70億近くの人口を支える高収量の農業は、工業的窒素固定によって生産される人工窒素肥料に依存しています。ハーバー・ボッシュ法による工業的窒素固定は大量の化石燃料を消費するため、その過程での二酸化炭素排出量は莫大です。本研究開発では、限られた原核生物だけに分布する窒素固定酵素ニトロゲナーゼを植物や微細藻類など有用光合成生物に移入することで、窒素固定性作物作出の基盤技術の確立を目指します。
※概要内肩書きは研究開発当時のままです。セルロースからのポリマー原料の革新的製造プロセス研究
山田 勝成 (東レ(株) 先端融合研究所 研究主幹)
本研究では、セルロース系バイオマスを原料とし、ナイロンの製造に有用なバイオベースモノマーを製造する一連のプロセスを開発します。生体触媒(酵素、微生物)の開発とその回収・再利用技術を開発し、プロセスの最適化とバイオベースモノマーの低コスト化を図ります。セルロースから得られるグリーンナイロンは、石油由来のナイロンを代替することでGHG排出量削減に貢献します。
革新的省・創エネルギー化学プロセス
革新的省・創エネルギー化学プロセスの実現に向けた万能型CO2選択透過膜の創製
松山 秀人 (神戸大学 大学院工学研究科・先端膜工学センター 教授)
脱炭酸により低炭素化を実現できるシステムは多岐にわたりますが、ガス性状の多様性、エネルギーコスト、設置スペースの問題から、脱炭酸技術はほとんど導入されていません。本提案では機能性イオン液体を用いた新しい概念のCO2選択透過膜の開発に取り組みます。分子シミュレーション手法や高度な測定技術を駆使して、様々な温度や圧力、湿度を有するガスに対して世界最高水準の万能型CO2選択透過膜の創製を目指します。
ジルコニア陽極・溶融塩電解によるCO2分解
鈴木 亮輔 (北海道大学 大学院工学研究院 教授)
溶融塩に二酸化炭素ガスを吹き込み、これを電気分解して炭素と酸素に分解します。酸素は陽極として酸素のみを通す性質のあるジルコニア固体電解質を用いて酸素ガスとして取り出します。炭素は非晶質炭素とカーボンナノチューブの混合物です。効率の良い二酸化炭素分解の条件、分解機構、分解速度などを検討し、低温化に挑戦します。
革新的省・創エネルギーシステム・デバイス
超高耐圧高効率小型真空パワースイッチ
竹内 大輔 (産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 上級主任研究員)
本課題では真空の高耐圧とダイヤモンドの持つ固有の物性を利用し、発送電領域向けの「超高耐圧高効率小型真空パワースイッチ」を開発します。従来技術では遠隔地で発電した電力の送電に巨大な装置を要しますが、このパワースイッチによって送受電装置を小型化し、新たな送配電グリッド網構築に貢献します。この技術により、膨大な洋上風力などの未使用再生可能エネルギーを日本全体で有効活用できるシステムの実現が期待されます。
2012年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
太陽電池および太陽エネルギー利用システム
規則構造と相界面の制御による太陽熱利用型の熱電材料創製
木村 好里 (東京工業大学 大学院総合理工学研究科 准教授)
太陽の熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換できるクリーンな熱電変換発電システムを構築するために、低環境負荷元素で構成する高性能な熱電材料を創製します。規則結晶構造および相界面をマルチスケールで制御する材料設計法を確立し、n型-p型の特性変換、熱電性能の飛躍的な向上に挑戦します。太陽光発電と組み合わせて社会に広く普及させ、災害時緊急用電源として応用すれば安全安心な社会の実現にも貢献できます。
高効率・低コスト色素増感太陽電池の開発
今堀 博 (京都大学 物質-細胞統合システム拠点 教授)
色素増感太陽電池の高効率化に関して、ポルフィリンを代表とする安価な新奇色素を開発し、高価なルテニウム色素を越えるセル性能発現と低コスト化を目指します。合理的な分子設計とデバイス構造改良により、光捕集能・電子注入効率・電荷輸送効率を改善し、変換効率15%の実現を図ります。
大規模展開を目指したソーラー水素光触媒システムの開発
堂免 一成 (東京大学 大学院工学系研究科 教授)
太陽エネルギーにより水を水素と酸素に分解し、その水素を直接あるいは二酸化炭素等と反応させて間接的にエネルギー源や化学原料として用い二酸化炭素を大幅削減します。本研究では、光触媒をベースとした極めて安価で大面積に展開可能な水分解水素製造システムの開発を行います。高効率かつ大面積化可能な水分解用光触媒の開発を行い、最終的に太陽エネルギー変換効率5%を見込む光触媒系開発の可能性を開拓します。
シリコン/ゲルマニュウム新型積層構造太陽電池の開発
葉 文昌 (島根大学 総合理工学研究科 准教授)
スパッタ法により結晶ゲルマニウムを結晶シリコン上へヘテロエピタキシャル成長し、ゲルマニウムとシリコンを用いた新型積層構造太陽電池を提案・実現します。ゲルマニウムにより、これまでのシリコン薄膜太陽電池では吸収が難しかった700nm~1500nmのフォトンを余分に取り出し、変換効率の増加を目指します。
半導体ナノ粒子を原料としたエネルギー変換量子デバイスの創成
上松 太郎 (大阪大学 大学院工学研究科 助教)
金属や半導体をナノサイズに加工すると、通常とは違った特性が発現します。この性質を利用した高効率太陽電池の開発が期待されていますが、現在のナノテクノロジーによって緻密な構造を大面積で得るのは容易ではありません。本プロジェクトは、化学的に大量合成が可能なコロイド状半導体ナノ粒子を原料とし、自己組織化を巧みに利用した方法でナノ構造体を作製し、次世代の高効率太陽電池の開発を目指します。
太陽光による二酸化炭素の資源化を可能とする革新的光触媒系の創製
石谷 治 (東京工業大学 大学院理工学研究科 教授)
CO2を太陽光エネルギーのリザーバーとして活用し、有用なエネルギー資源や炭素資源を得る技術として、我々の開発した高機能CO2還元金属錯体光触媒と、水の酸化を高効率で行う半導体光触媒体をハイブリッド化することで、水によるCO2還元を、2光子の順次的吸収により駆動するZスキーム型光触媒を創製します。また、元素戦略に基づいた新規CO2還元光触媒の開発を行います。
ナノカーボンによる新規太陽電池の創製
吉武 剛 (九州大学 大学院総合理工学研究院 准教授)
直径数nmのダイヤモンド微結晶を水素化アモルファスカーボンが取り囲む構造を持つ超ナノ微結晶ダイヤモンド/水素化アモルファスカーボン混相膜は、膜中に多量のダイヤモンド結晶の界面が内在し、それに起因すると考えられる大きな光吸収を可視域で示めします。今までの研究で、これに対応した明確な光電流を確認しています。今回の提案では、この光吸収で発生する光電流を太陽電池に応用することを目指します。
超伝導システム
次世代低電力デバイス安定化計算機構成方式
中島 康彦 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授)
次々世代極低電力デバイスは、いずれも極めて微弱なエネルギー変化により情報を取り扱うため、耐故障性および安定性に重大な懸念があります。コンピュータとしての実用化を夢見る次々世代極低電力デバイス研究者と、コンピュータとしてより高性能な構成を模索する計算機アーキテクチャ研究者の間の乖離を埋め、次々世代極低電力デバイスによるコンピュータを実現するための耐故障性能向上・自己安定化の革新的技術開発に取り組みます。
蓄電デバイス
ナノゲート原理を用いた革新的金属二次電池用負極材の開発
尹 聖昊 (九州大学 先導物質化学研究所 教授)
イオンだけの出入り可能なナノゲートを周期的に多数保有する特異構造のチューブラー炭素ナノ繊維(CNF)を設計・選択合成し、その内部のみにリチウム及びナトリウム等の特定金属を充填させ、金属二次電池用負極材として選択的に調製します。こうした特殊構造の金属充填CNFは、安全で高レート性と高容量が共に実現可能な革新的金属二次電池用負極材として有効に応用できます。今後ナノゲート構造の最適化と特定金属のCNF内部への選択的大量充填法を確立して、リチウム、ナトリウム等各々の二次電池用負極材を段階的に早期実用します。
固体金属軽量高蓄電体の研究開発
福原 幹夫 (東北大学 金属材料研究所 准教授)
本研究は従来の電気化学反応による燃料電池とは全く異なる物理的高蓄電材料の開拓研究です。Ni系及びSi系等非晶質及び結晶合金中のクラスタ間のナノコンデンサを用いて、従来より1,000倍大きい1,000 F/㎤を目標とする『高蓄電性バッテリ』であります。クラスタ間のトンネル濃度制御と接合により近未来の弱電・強電機器用の軽量・小型化の固体搬送電源・バッテリとして、世界に先駆けて実用化を模索します。
耐熱材料・鉄鋼リサイクル高性能材料
光を使う熱電変換材料の開発
寺崎 一郎 (名古屋大学 大学院理学研究科 教授)
太陽から降りそそぐ光と社会活動で生じる排熱は、エネルギー資源の乏しいわが国の貴重なエネルギー源です。これらを電気エネルギーに変換する技術が光電変換と熱電変換ですが、それらは技術的な行き詰まりを見せています。そこで、この二つの技術を融合させることで現れる、新しいサイエンスに基づいて、従来より飛躍的に高い効率で光や熱を電気に変える物質を創製し、エネルギー材料開発の新しい方向性を提示します。
フラットバンド機構による高効率熱電変換材料の開発
野原 実 (岡山大学 大学院自然科学研究科 教授)
現在、お風呂の残り湯、自動車の排気ガスや工場、焼却炉からの熱等、消費されるエネルギーの約3/4が廃熱として環境へ棄てられています。本研究は、このユビキタスに遍在する廃熱を電気エネルギーに直接変える「熱電変換材料」の高効率化に挑戦します。新しい熱電変換の原理である「フラットバンド機構」を利用して、レアメタルフリーで、より高い発電能力を持つ熱電材料を開発します。
バイオテクノロジー
セルロース系バイオマスからの化成品原料と電気の複合生産
五十嵐 圭日子 (東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授)
セルロースは植物細胞壁の主成分で、自然界に最も豊富に存在するバイオマスです。しかし、セルロース系バイオマスからのエネルギーやマテリアル生産には様々な障壁があります。私達は、カビやキノコが生産する酵素を用いて、セルロース系バイオマスから化成品原料(ビルディングブロック)を高効率に生産し、さらにその反応系から電気エネルギーを取り出すことで、低炭素社会につながるバイオマス変換プロセスの構築を試みます。
コンビナトリアルバイオケミストリーによる太陽電池有機素材開発
柴田 大輔 (財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所 産業基盤開発研究部 部長)
色素増感型太陽電池を開発するための新規な化合物構造を見出すために、植物や微生物が作り出している多様な天然化合物を大規模に検索します。見出された化合物を元にして、太陽電池に適した色素をバイオテクノロジーと化学を組み合わせた方法で安価に製造する技術を開発します。
CO2濃縮強化によるスーパー光合成の実現と物質生産
福澤 秀哉 (京都大学 大学院生命科学研究科 教授)
微細藻類は、CO2を細胞内に濃縮して種々の有用物質を作る能力をもっています。これらの能力を明らかにし、改良するとともに、陸上植物にも導入して光合成能力の強化を図ります。また、細胞が固定した炭素を、有用脂肪酸や化成品原料などの利用価値の高い物質に変換する手法を開発します。そのために、モデル緑藻のゲノム情報、網羅的な遺伝子発現情報を整備しつつ、有用遺伝子を見出して利用します。
バイオプロセスによるドロップインフューエル生産の基盤技術開発
光川 典宏 ((株)豊田中央研究所 有機材料・バイオ研究部 室長)
自動車などの輸送機器に使用されるバイオ燃料の利用を拡大することにより、低炭素モビリティー社会の実現を促進することができます。本研究は、大規模ゲノム再編による生物機能の改良技術を基盤として、輸送機器および燃料供給インフラの変更を必要としない「ドロップインフューエル」を効率的に生産するシステムの開発を目指します。
2011年度終了
※ 研究開発代表者の所属・役職は、課題推進当時のものです。
超伝導システム
無意識に低炭素化を。創造的生き生き空間の制御技術
小柴 満美子 (東京農工大学 大学院農学府 特別研究員)
家庭や事業所で、省エネ意識は高まっていますが、一層の努力が求められています。そこで、省エネ設定を無意識に選択するような空間制御技術を開発します。即ち、短・長期の生体リズムを、安価で微小な、建物埋め込み型・腕時計型センサー等でモニターし、ユーザーの要求値を学習して多様な出力機器を最小のエネルギー消費に制御します。
蓄電デバイス
ノンレアアース半導体蓄電池基盤技術開発
梶山 博司 (広島大学 大学院先端物質科学研究科 寄附講座教授)
マグネシウムと亜鉛を主成分とするノンレアアース半導体における特異な蓄電作用を活用することで、高性能半導体蓄電池の基盤技術を確立します。本半導体は光誘起構造変化を経ることではじめて蓄電作用を発現する材料系です。そのため、本研究開発では、蓄電メカニズム解明を突破口にして材料組成、電極構造、作製プロセスを最適化し、エネルギー密度20,000 Wh/kg(リチウムオン電池の100倍相当)を達成目標とします。
Li-Si融液を経由する超高容量リチウムイオン電池負極材料の合成
西原 洋知 (東北大学 多元物質科学研究所 助教)
シリコンは超高容量リチウムイオン電池負極材料として期待されているが、充電時にリチウムが挿入されると体積が約4倍にも膨張し電池を破壊するため、繰り返し充放電ができません。そこで発想を転換し、シリコンにリチウムを最大限挿入したLi22Si5合金をあらかじめ調製し、電池を作製することで膨張による構造破壊の問題を解消します。従来の負極材料に対し、重量あたり約5.4倍、体積あたり約2.4倍の容量増加を達成します。
バイオテクノロジー
ケミカルの低炭素バイオ生産のための革新的微生物利用技術開発
加藤 純一 (広島大学 大学院先端物質科学研究科 教授)
化学工業にバイオプロセスを導入してケミカル生産におけるCO2排出の大幅削減を果たすための基盤技術を開発します。まず有機溶媒耐性細菌を土台とし脂溶性ケミカル生産のためのバイオプロセスを構築し、常温細菌宿主と好熱菌由来の遺伝子を組み合わせて、副産物フリーで化学触媒のように簡便に使用できるシンプル生体触媒を構築します。さらにプロセスの連続化・コンパクト化に必須な生体触媒菌体の新規固定化技術を開発します。
独立栄養微生物の代謝高性能化
石井 正治 (東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授)
本研究開発では、50℃と70℃に生育至適温度を有する2種類の水素細菌を使用して、二酸化炭素ガス固定系やエネルギー獲得系の高効率化、また新規手法の適用によるバイオマスや有用物質の高生産性化を目指します。こうした目的達成のために、(1)二酸化炭素ガス固定酵素の高効率化、(2)エネルギー獲得系の高効率化、(3)二酸化炭素ガスからのもの作りシステムの開発、(4)新規培養手法の開発、を推進します。
イモ革命による持続的低炭素化地球生活の実現
横田 明穂 (奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 教授)
光合成の炭酸ガス固定速度を制限している生理段階を分子的に強化し、ジャガイモ生産性を塊茎新鮮重比で3.5倍に向上させることに成功しています。本研究はこのような機能を持つ野生種スイカ由来の根発達促進遺伝子の機能を解明するとともに、光合成機能強化遺伝子および環境耐性遺伝子とともにジャガイモや塊根植物に導入し、イモ植物生産機能を生産力、環境耐性能力両面から拡大し、地球規模での低炭素化社会構築を目指します。
研究開発課題探索(探索ステージ)
ALCAにおける本格研究に採択する以前の段階で、原理検証等を行う目的で平成23年度に「探索ステージ」を設けていました。
本ステージの課題は平成24年で全て終了しています。
氏名 | 所属機関 | 役職 | 研究開発課題名 |
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芥川 智行 | 東北大学 多元物質科学研究所 | 教授 | 高分極性の有機強誘電体界面の創成 |
芦田 淳 | 大阪府立大学 大学院工学研究科 | 准教授 | 欠陥制御された酸化物太陽電池の溶液成長プロセス開発 |
芦田 昌明 | 大阪大学 大学院基礎工学研究科 | 教授 | 輻射力による太陽光利用ナノシステムの創製 |
安藤 泰久 | 東京農工大学 大学院工学研究院 | 教授 | 自己再生型ナノパターン表面による低摩擦化技術の実現 |
五百蔵 勉 | (独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 | グループリーダー | 水素による蓄電を実現する燃料電池/水電解可逆セル基盤技術の開発 |
池田 浩 | 大阪府立大学 大学院工学研究科 | 教授 | 低炭素型有機材料を用いた新規発光デバイスの開発 |
池田 裕子 | 京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 | 准教授 | グリーン製品製造に不可欠なゴム網目制御技術の確立 |
石井 克明 | (独)森林総合研究所 森林バイオ研究センター | センター長 | 気孔形成転写因子と樹木の炭素固定作用の関係の解明 |
石田 玉青 | 九州大学 大学院理学研究院 | 准教授 | 固体金属触媒による高効率ファインケミカル合成プロセスの開発 |
石原 一 | 大阪府立大学 大学院工学研究科 | 教授 | 赤外光-可視コヒーレント光変換ナノシステムの創製 |
泉井 一浩 | 京都大学 大学院工学研究科 | 准教授 | 熱電素子のナノ複合構造の創成的最適設計 |
今井 喜胤 | 近畿大学 理工学部 | 講師 | 低環境負荷型3次元(3D)ディスプレイ用有機発光素子の開発 |
彌富 信義 | 日鉄鉱業(株) 資源開発部 | 技術開発課長 | 地下式揚水発電システムの開発 |
入江 俊一 | 滋賀県立大学 環境科学部 | 准教授 | 環境応答遺伝子をターゲットとした効率的木質バイオマス変換微生物の育種とそれを活用した地産地消型木質変換システムの構築 |
岩熊 成卓 | 九州大学 大学院システム情報科学研究院 | 教授 | Y系超伝導線材の極低損失現象の発見から低炭素社会への展開 |
岩坪 聡 | 富山県工業技術センター 加工技術課 | 主幹研究員 | 高煤濃度潤滑油の環境下での耐摩耗性摺動部材の開発 |
内山 潔 | 鶴岡工業高等専門学校 電気電子工学科 | 教授 | ローカルエピタキシャル成長を用いた低温動作SOFCの開発 |
梅澤 俊明 | 京都大学 生存圏研究所 | 教授 | 高発熱型リグノセルロースの育種 |
大久保 將史 | (独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 | 研究員 | 多孔性配位錯体における高速イオン拡散を利用した高出力型マグネシウムイオン2次電池の開発 |
大津 英揮 | 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 | 特定助教(産官学連携) | 再生可能な有機ヒドリドによる二酸化炭素還元触媒の開発 |
大場 正昭 | 九州大学 大学院理学研究院 | 教授 | 高効率光触媒機能を目指した金属錯体界面システムの創製 |
大宮 正毅 | 慶應義塾大学 理工学部 | 准教授 | IPMC膜を用いた発電・蓄電ハイブリッドデバイス |
大村 直人 | 神戸大学 大学院工学研究科 | 教授 | 家庭部門の飛躍的省エネを目指した厨房省エネの探索研究 |
岡島 いづみ | 静岡大学 工学部 | 助教 | 超・亜臨界流体による海洋バイオマスの燃料化技術の開発 |
岡田 友彦 | 信州大学 工学部 | 助教 | 廃プラから超純粋炭化水素へ変換する炭素循環法の開発 |
岡本 龍史 | 首都大学東京 大学院理工学研究科 | 准教授 | 異種配偶子融合による新イネ科植物の作出 |
小川 智久 | 東北大学 大学院生命科学研究科 | 准教授 | バイオミネラリゼーション機能タンパク質によるCO2固定法の開発 |
小俣 孝久 | 大阪大学 大学院工学研究科 | 准教授 | 中温プロトン伝導性材料の開発-中温DMFC実現の要素技術として― |
葛西 誠也 | 北海道大学 大学院情報科学研究科 | 准教授 | 極低電圧動作超並列III-V族半導体微細トランジスタ技術の開発 |
勝山 茂 | 大阪大学 大学院工学研究科 | 准教授 | イオン液体との複合体化による低温熱源利用高性能熱電変換材料の開発 |
加藤 健司 | 大阪市立大学 大学院工学研究科 | 教授 | 防波堤を利用した波力発電システムの開発 |
川上 徹 | 東北大学 未来科学技術共同研究センター | 客員准教授 | 空間結像アイリス面型・超低消費電力ディスプレイ |
川上 浩良 | 首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 | 教授 | 機能性ナノファイバーから構成される革新的デバイス開発 |
川崎 亮 | 東北大学 大学院工学研究科 | 教授 | 高精度単分散粒子を用いた高効率マイクロチャンネル集熱器の開発 |
川崎 晋司 | 名古屋工業大学 大学院工学研究科 | 教授 | ナノカーボンフラグメントによる量子ドット発光 |
河原 成元 | 長岡技術科学大学 物質・材料系 | 准教授 | 3次元ナノネットワークを有する天然ゴムの創成 |
官 国清 | 弘前大学 北日本新エネルギー研究所 | 准教授 | 省エネー型低温プラズマに基づく高効率バイオマスガス化炉の開発 |
菅 大介 | 京都大学 化学研究所 | 助教 | 室温動作する酸化物固体電解質の開発 |
神原 信志 | 岐阜大学 大学院工学研究科 | 准教授 | 光エネルギーを利用した常温無触媒水素製造法の開発 |
岸野 克巳 | 上智大学 理工学部 | 教授 | ナノコラムによる三原色映像デバイスの革新 |
木村 秀夫 | (独)物質・材料研究機構 環境・エネルギー材料部門 | グループリーダー | 振動発電用環境フレンドリー高性能無鉛圧電体薄膜の開発 |
弓野 健太郎 | 芝浦工業大学 工学部 | 教授 | 金属触媒の利用によるシリコン薄膜の効率的な結晶化法の開発 |
葛原 正明 | 福井大学 大学院工学研究科 | 教授 | III族窒化物半導体電子デバイスの高耐圧化に関する研究 |
久保 孝史 | 大阪大学 大学院理学研究科 | 教授 | シングレットフィッションの太陽電池への活用 |
窪田 好浩 | 横浜国立大学 大学院工学研究院 | 教授 | 高選択性・炭素析出耐性を兼ね備えたゼオライト触媒の開発 |
桑野 博喜 | 東北大学 大学院工学研究科 | 教授 | 広帯域マイクロ振動発電デバイスの研究開発 |
グン 剣萍 | 北海道大学 大学院先端生命科学研究院 | 教授 | ゲルの海洋生物付着阻害効果を利用した防汚材料の開発 |
小西 克明 | 北海道大学 大学院地球環境科学研究院 | 教授 | サブナノ金属クラスターの精密合成と光触媒としての機能探索 |
小林 括平 | 愛媛大学 農学部 | 准教授 | 植物病虫害トレランスの機構解明と作物育種への利用 |
小林 慶裕 | 大阪大学 大学院工学研究科 | 教授 | 高品質グラフェンのバルクスケール製造技術の開発 |
齋藤 永宏 | 名古屋大学 グリーンモビリティ連携研究センター | 教授 | 次世代クールナノ流体を用いた革新的高速熱エネルギー輸送 |
櫻井 庸司 | 豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 | 教授 | 高エネルギー密度カルシウム二次電池の開発 |
佐野 正人 | 山形大学 大学院理工学研究科 | 教授 | 新奇給湯技術のためのナノカーボン流体の高温安定分散化 |
佐橋 政司 | 東北大学 大学院工学研究科 | 教授 | 新規な電界操作磁気記録原理の検証と低電力大容量記録への挑戦 |
清水 章弘 | 京都大学 大学院工学研究科 | 助教 | 有機レドックス・フロー電池材料の開発 |
シーン・ビショップ | 九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 | 助教 | 高度な欠陥化学の理論に基づいた燃料電池電極材料の化学膨張制御 |
白石 誠司 | 大阪大学 大学院基礎工学研究科 | 教授 | IV族元素を用いたDissipatioless Electronicsの創出 |
白鳥 祐介 | 九州大学 大学院工学研究院 | 准教授 | 廃棄物系バイオマスで発電する改質器・燃料電池一体型デバイス |
城間 純 | (独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 | 主任研究員 | レドックスメディエータ-レドックスフロー電池システム |
菅原 武 | 大阪大学 大学院基礎工学研究科 | 助教 | 包接化合物を利用した分子状水素貯蔵媒体の探索 |
鈴木 基史 | 京都大学 大学院工学研究科 | 准教授 | β-FeSi2を用いた分光選択赤外線源の開発 |
鈴木 亮輔 | 北海道大学 大学院工学研究院 | 教授 | ジルコニア陽極・溶融塩電解による製鉄所用CO2分解装置の試作 |
園山 範之 | 名古屋工業大学 大学院工学研究科 | 准教授 | リチウム空気電池用空気極のための電極触媒探索と修飾法開発 |
竹内 大輔 | (独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 | 主任研究員 | 超高耐圧高効率小型真空パワーデバイス |
夛田 博一 | 大阪大学 大学院基礎工学研究科 | 教授 | 有機熱電素子の界面制御と性能向上指針の導出 |
舘 祥光 | 大阪市立大学 大学院理学研究科 | 講師 | LED普及による低炭素化に寄与する発光材料開発 |
玉川 雅章 | 九州工業大学 大学院生命体工学研究科 | 教授 | 衝撃波と気泡を利用した藻類エネルギー生成システム |
辻 康之 | 京都大学 大学院工学研究科 | 教授 | 二酸化炭素の触媒的変換を基軸とする炭素循環プロセスの構築 |
堤 宏守 | 山口大学 大学院医学系研究科 | 教授 | 硫黄極細繊維電極による高容量金属-硫黄二次電池の実現 |
徳永 信 | 九州大学 大学院理学研究院 | 教授 | 水の分離コスト削減を目指したエステルの不可逆型加水分解 |
中野 環 | 北海道大学 触媒化学研究センター | 教授 | 人工光合成のための高分子触媒の開発 |
中山 祐正 | 広島大学 大学院工学研究院 | 准教授 | バイオベースオレフィンの重合を指向した新触媒の開発 |
名西 憓之 | 立命館大学 立命館グローバルイノベーション研究機構 | 教授 | 究極効率InGaN系太陽電池開発へ向けた結晶成長技術探索 |
成島 尚之 | 東北大学 大学院工学研究科 | 教授 | バリウム脱酸を基礎とした革新的チタン溶解プロセス開発による低炭素化 |
西口 正通 | 愛媛大学 農学部 | 教授 | 低炭素化に寄与する病害ストレス耐性植物の開発 |
仁科 勇太 | 岡山大学 異分野融合先端研究コア | 助教 | 炭化水素類の除去触媒開発による地球温暖化の抑制 |
西原 正通 | 九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 | 助教 | 電荷移動錯体形成を利用した新規電解質複合膜の創成 |
西原 康師 | 岡山大学 大学院自然科学研究科 | 教授 | 多置換ピセンの効率的合成法開発と有機薄膜太陽電池用素子への応用 |
西本 浩司 | 阿南工業高等専門学校 機械工学科 | 准教授 | レーザによる銅の直接接合技術の開発 |
野内 亮 | 大阪府立大学 21世紀科学研究機構 | 特別講師 | 電界効果分子スイッチを用いた新規メモリ素子の開発 |
萩原 一郎 | 明治大学 研究知財戦略機構 | 特任教授 | 木材産業高度化による二酸化炭素削減 |
橋本 誠司 | 群馬大学 大学院工学研究科 | 准教授 | 三軸振動発電による自動車用セルフパワード制御技術の開発 |
原 正和 | 静岡大学 農学部 | 教授 | バイオマス生産に特化したスーパー大根の作出 |
東口 武史 | 宇都宮大学 大学院工学研究科 | 准教授 | 高効率・省エネルギーの波長6.Xnm帯光源の研究開発 |
引原 隆士 | 京都大学 大学院工学研究科 | 教授 | パワープロセッシングによる革新的電力伝送ネットワークデザイン |
平井 伸治 | 室蘭工業大学 大学院工学研究科 | 教授 | 低環境負荷と資源安定供給性を考慮した熱電材料 |
廣田 健 | 同志社大学 理工学部 | 教授 | カーボンナノマテリアル分散高耐熱・強靭性複合セラミックスの開発 |
藤 正督 | 名古屋工業大学 大学院工学研究科 | 教授 | ナノ中空粒子を用いた高輝度LED照明の研究開発 |
藤原 正浩 | (独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 | 主任研究員 | 二酸化炭素と水素からの炭化水素製造技術の実用化に向けた基盤研究 |
増田 隆夫 | 北海道大学 大学院工学研究院 | 教授 | 天然多環芳香族からの構成単環芳香族類の単離回収基盤技術開発 |
松井 恭子 | (株)グリーンソニア 研究開発部 | 取締役研究開発部長 | 低窒素耐性作物開発のための有用遺伝子探索研究 |
松尾 吉晃 | 兵庫県立大学 大学院工学研究科 | 准教授 | 水素貯蔵用ピラー化炭素の開発 |
松方 正彦 | 早稲田大学 理工学術院先進理工学研究科 | 教授 | 有機ガス分離プロセスのための無機ナノ多孔性分離膜の創製 |
松本 広重 | 九州大学 稲盛フロンティア研究センター | 教授 | 含水素化合物をアノード活物質とした燃料電池の開発 |
三浦 浩治 | 愛知教育大学 教育学部 | 教授 | カシミール斥力による量子浮揚研究と超潤滑技術への応用 |
三浦 正志 | 成蹊大学 理工学部 | 准教授 | 磁束運動制御による磁場中1000A級超伝導材料の開発 |
御崎 洋二 | 愛媛大学 大学院理工学研究科 | 教授 | 有機材料を用いた次世代蓄電池の創成 |
三ツ井 敏明 | 新潟大学 大学院自然科学研究科 | 教授 | イネを用いた高効率CO2吸収・資源化システムの開発 |
南澤 究 | 東北大学 大学院生命科学研究科 | 教授 | メタン酸化窒素固定細菌による水田メタン発生の低減化 |
嶺重 温 | 兵庫県立大学 大学院工学研究科 | 准教授 | イオニクス欠陥化学による高信頼性燃料電池の創成 |
宮田 昌悟 | 慶應義塾大学 理工学部 | 講師 | 植物系細胞ハイブリット型酸素生産パネル(人工葉)の創製 |
村上 純一 | (独)産業技術総合研究所 ナノシステム研究部門 | 主幹研究員 | 遷移金属表面ナノクラスター構造を利用する小分子常温変換触媒の開発 |
村田 英幸 | 北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科 | 教授 | 超高速・マルチスケール有機デバイス製造プロセスの開発 |
森 勇介 | 大阪大学 大学院工学研究科 | 教授 | 8インチ超大口径GaNバルク結晶育成技術 |
森田 靖 | 大阪大学 大学院理学研究科 | 准教授 | 近赤外光電気伝導性有機ラジカル薄膜の開発 |
八井 崇 | 東京大学 大学院工学系研究科 | 准教授 | 近接場光エッチングによる超平坦ダイヤモンド基板の開発 |
山浦 一成 | (独)物質・材料研究機構 環境・エネルギー材料部門 超伝導物性ユニット | 主幹研究員 | スレーター材料のエネルギー変換機能の研究 |
山口 宏 | 関西学院大学 理工学部 | 教授 | 脱化石原料のための分子改変による植物由来有機合成原料の創出 |
山崎 将紀 | 神戸大学 大学院農学研究科 | 准教授 | 自然変異を利用した低フィチンイネの開発と遺伝解析 |
山下 弘巳 | 大阪大学 大学院工学研究科 | 教授 | 太陽光で駆動する触媒的分子・エネルギー変換デバイスの新規構築 |
山田 省二 | 北陸先端科学技術大学院大学 ナノマテリアルテクノロジーセンター | 教授 | 新構造半導体スピントロニクス素子の開発 |
山吹 一大 | 山口大学 大学院理工学研究科 | 助教 | 包接構造を有する次世代ポリマーゲル電解質の開発 |
山本 義治 | 岐阜大学 応用生物科学部 | 准教授 | 植物バイオマス生産高度化のための合成プロモーター作出 |
横井 俊之 | 東京工業大学 資源化学研究所 | 助教 | 有機構造規定剤を使用しないゼオライト触媒の合成と高性能化 |
吉岡 修哉 | 立命館大学 理工学部 | 准教授 | 風力と潮汐力を利用する地産地消型ハイブリッド発電システムの研究 |
吉木 啓介 | 兵庫県立大学 大学院工学研究科 | 助教 | 量子相関光子対励起と光整流を用いた光電場の直接電圧変換 |
吉村 省二 | (株)神戸製鋼所 機械事業部門 開発センター 技術開発部 | 担当部長 | 高効率小型太陽熱発電システムの開発 |
李 海文 | 九州大学 水素エネルギー国際研究センター | 准教授 | 原子拡散に着目した無機錯体系水素貯蔵材料の開発 |
李 玉友 | 東北大学 大学院環境科学研究科 | 准教授 | 生物脱硫・メタン生成の融合デザインによる新しい嫌気性排水処理方法の創出 |
和田 健司 | 京都大学 大学院工学研究科 | 准教授 | 環境・資源・エネルギー負荷最小化触媒実装技術 |
和田 裕文 | 九州大学 大学院理学研究院 | 教授 | 高効率磁気ヒートポンプ材料の開発 |
渡邊 雄一郎 | 東京大学 大学院総合文化研究科 | 教授 | 土壌-植物コミュニケーション促進による低炭素化技術開発 |
和田山 智正 | 東北大学 大学院環境科学研究科 | 教授 | 水素循環エネルギープロセスにおけるCO2固定化のための合金最表面構造制御 |