SCIENCE AGORA

2021年11月3日(水・祝)7日(日)

《プレアゴラ》10月10日(日)11日(月)

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No.10-A1010月10日(日) 10:00~12:00

ワークショップ:未来のマーク作りで創造する2050

Workshop/Make a signage for the future and think about 2050

博報堂アイ・スタジオ、JSTサイエンスアゴラ事務局
HAKUHODO I-STUDIO, Science Agora Secretariat

企画概要

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普段の生活で見慣れた「標識」というインターフェースを通して未来を考えるアート作品「NextSignage(ネクストサイネージ)」のアイデアを用いるワークショップです。すでに発表されたニュースなどの情報を基に、今後起こりうる未来の課題を解決する方法と、そこで必要となる標識をデザインします。

絵心がなくてもマークを作れる仕組みを用意しているので、誰でも気軽に参加できます。必要なのは、ほんの少しの想像力です。様々な年代の人と、考えた未来像を共有し、同じグループの中でいちばん気になる未来像を選んで、そのマークが必要な状態になったら、どんなテクノロジーが必要かを考えます。

考えた標識はサイエンスアゴラ2021の会期中に投票を行い、来場者のみなさんが、どんな未来に興味があるかを明らかにします。

登壇者プロフィール

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河野 洋輔(こうの ようすけ)

博報堂アイ・スタジオ アートディレクター・デザイナー。オーストリアで開催される世界最大級のメディアアートの祭典 「アルスエレクトロニカ」で、「Next Signage(ネクストサイネージ)」を発表。信憑性の高そうな未来の出来事を収集し、それに特定の場所をかけあわせて、その場所でどんなマークが必要になるかを想像してグラフィック化する手法が注目を集める。サイエンスアゴラ2020「未来のマークをつくろう」コンテスト審査員。

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今井 康之(いまい やすゆき)

博報堂アイ・スタジオ プロデューサー、UXデザイナー。スマートフォンの普及をはじめとした生活者のデジタル環境の大きな変化の中で、企業のウェブサイトやアプリ構築にプロデューサーとして関与。近年では制作領域での経験を活かして、ユーザー体験を軸に、新規事業開発やブランド構築など、UXデザイナーとして支援を行っている。

プログラム

    本企画はZoomミーティングのブレイクアウトルームを使ったグループワークがあります。
全体講義のあと、個人ワークでマークを作り、グループワークで選抜作品のマークを選びます。
選抜作品は、サイエンスアゴラ公式SNS・Webサイトで公開され、サイエンスアゴラの会期中どのマークが気になるか投票できます。
5分

オープニング


・進め方の説明
・昨年の「未来のマークをつくろう」優秀作品紹介Movie
20分

STEP 1 未来の風景を描いてみよう

20分

STEP 2 どんなマークがあったらいいか描いてみよう

20分

STEP 3 グループの代表作選出

10分

STEP 4 各グループの作品発表

5分

STEP 5 発見共有&アンケート

事前登録いただいた方には、開催当日までに事務局より資料をメールでお送りします。

参加の前に、Zoomアプリのインストールをおすすめします(Webからもアクセスは可能です)。

ご自身が紙に描いたマークをカメラで映し出すステップがありますので、PCでの利用の場合はWebカメラとマイクが必要です。PC機種やモニターの種類によっては内蔵されているので、事前にご確認ください。

ご不明の点は運営事務局(agora@kogeisha.co.jp)にお問い合わせください。

出展レポート

企画概要の補足

参加者にはあらかじめ資料を送付し、未来の課題として以下8事例を示してあった。

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上記を例に未来像を考えた(上記以外の未来像でも構わない)。

講師からの全体講義(マークの作成の仕方、注意するポイントの説明を含む)の後に参加者が未来像を描き、マークを作成。

2チームに分かれ、それぞれの考えを共有した。

セッションで話し合った未来像

Aチーム:AI(やWeb)への依存による「考える力」の低下×飲み会、×学校/日本の人口減少による年の縮小化×空き家が放置された地方/オンラインの進化により深い人間関係が築けない×学校×街中/情報格差×情報ステーション/感染症×ふるまいを制限されない社会/地域的な環境負荷が見て分かる仕組み×居住地の選択/未来の気温変動×不動産情報/運送にかかる環境負荷(Scope3)×スーパーマーケット

Bチーム:自家用飛行自動車が飛ぶ未来×駐車場や道路/場所に根ざした他世代交流の可能なコミュニティの減少×公共施設/オンライン化が進み生徒の学習進捗が異なる(格差が生まれる)未来×学校/タイムマシンが実現している世界×労働の現場/撮影してよいものが分かりやすい(権利)×公共の場/養殖と天然が分かりやすく区別できる×/何でも分析しないと気が済まない世界×美術館

セッションでの意見、論点

  • コロナ禍を経てオンライン化が進んでくると、各種技術は現実として受け入れられている
  • 普段の暮らしに溶け込んでいる技術をふまえてのコミュニケーションや教育、人とのつながり、世代間の交流への関心が高かった
  • 資源・情報がありすぎると、それを整理するマークが必要になる。マーク作りを通して、共通の認識ができあがるとよい
  • 未来に潜んでいそうな課題を通してマークを考えると、よりリアルな未来が描ける
  • デザインが苦手でも参加できた、学校でやってもよさそう
  • ポジティブなものの見方を促すマークのほうが、人を動かす力がありそう
  • 未来を想像するところは難しかった(そこが大変だった)、枠がはっきりしていた方が考えやすそう
  • 未来の課題が最初に挙げられていて、これがあることで考えやすかった反面、これ自体を考える時間があればもっと違う結果が出たかも。そこから考えられれば、より新しいアイデアが出たかと思う
  • 新しい事業や取組を考えるときでも、このように場所と課題を掛け合わせると新しい視点が得られそう

ワークショップ参加者からは改めて「自分の中での解決したい社会課題が明確になった点で、とても意義のある時間だった」「参加者同士で、お互いの考えていた未来予想図を掘り下げられれば更によかった」「作ったマークに対するフィードバックをいただける時間が欲しかった」などの意見が寄せられたので、今後のワークショップの参考にしたい。

セッションで出たキーワード

考える力、人口減少、オンライン、リアル、人間関係、情報格差、感染症、個人の自由、環境負荷、未来の交通、教育の格差、理解の格差、労働力の分散、人材、人が集まる場、高齢者、学校、少子高齢化、ドローン、空飛ぶタクシー、タイムマシン、プライバシー、食糧問題、アートの価値、危険、警告、オンライン授業、様々な立場、多様性、自家用飛行機、共生、心理的安全

セッションで描かれた「未来のマーク」と投票結果

ワークショップでは、立場や年代が異なる多様な参加者によって、さまざまな未来像が描かれ、その未来における社会課題の解消に必要となるだろう「未来のマーク」が成果物として提出された。

それらのうち8作品について、サイエンスアゴラ2021特設ウェブサイト上で、「気になる未来像」の投票を行った結果、次の3作品が特に多くの方々の関心を集めた。

場所に根ざした多世代交流の可能なコミュニティが減少した未来。様々な立場や年齢の人が集まれる公共施設(誰でも使える)を示し、コミュニティとしての心理的安全性を示す。

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オンライン化がより進んだ未来。深い人間関係が築けなくなるという課題が生まれ、気軽に交流ができる場所・時間であることを示す。

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人工肉が普及した未来。天然の食料は昆虫でも価値が高くなっているため「食べるための虫捕りは禁止」のマークが出現する。

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また、ほかの5作品も、それぞれ多くの票を集めた。

オンライン化がより進んだ未来。時間割には、授業が対面かオンラインかを表示する必要がある。「文」は学校の地図記号と、先生を表すマークの意味がある。

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空飛ぶ自家用車(飛行機になる)が普及した未来。駐車・駐機の場所を示す。このマークがあれば「車が出入りするから注意する」という意味になる。

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環境問題が深刻化している未来。冷凍食品などに、運送にかかる環境負荷の度合いが表示されるようになり「負荷の低い商品を選ぶ」という行動がとりやすくなっている。

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タイムマシンの技術が実現化した未来。江戸時代の飢饉などで困っている人が現代で働けるようになり、その時代の文化(服装等)が認められる職場であることを示す。

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検索で欲しい答えが簡単に見つかる技術が確立された未来。思考を深めるための場所・時間ということを示すマーク。

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