野入 英世
東京大学 医学部附属病院 准教授バングラデシュ人民共和国
愛知医科大学
国際下痢症研究センター (icddr,b)他
平成22年度(2010年度)
5年間
寄生虫により死に至る感染症、カラ・アザール
カラ・アザール*は、全世界の貧困層で毎年30万人以上が発病する深刻な感染症である。バングラデシュをはじめとする発生国では、最貧困者の病気として放置されており、健康被害だけでなく社会・経済開発の重大な阻害要因となっている。そこで現地の状況に合わせた遺伝子診断法・免疫診断法・検尿等の診断法確立を目指すとともに、疾患の制御に取り組む。
*カラ・アザール…黒熱病とも呼ばれる。寄生虫の一種、リーシュマニア原虫を病原体とする人獣共通の内蔵型疾患。高熱と重度の貧血、腹部の膨張、皮膚の乾燥・変色(濃灰色になる)等が特徴。
診断・治療・日本発疾患制御技術の現地投入へ向けた調査研究の始動
高度な設備がない地域でも高精度の遺伝子診断ができるLAMP法や、患者の尿中の特殊なタンパク質を分析する簡易な診断法等、日本発の技術を現地に適用していく。副作用の少ない治療薬の探索や、薬剤耐性をもつ寄生虫の研究も行う。同時に疾患を媒介するサシチョウバエの生態を調査し、殺虫剤を練り込んだ蚊帳の投入により感染拡大を防ぐ試みを実施する。また、バングラデシュ政府及び国際下痢症研究センター(icddr,b)、DNDi(顧みられない病気のための新薬イニシアティブ)との協力の下に流行地域に研究・診療拠点を設置し、研究を進めている。
感染症
効果的な結核対策のためのヒトと病原菌のゲノム情報の統合的活用
生物資源
稲の安全性と高栄養価に貢献する育種および水管理技術の開発
環境・エネルギー
(地球規模の環境課題)
水汚染耐性のある水供給システムの構築
環境・エネルギー
(地球規模の環境課題)
カンボジアにおける大気汚染リスク管理プラットフォームの構築