SATREPSとは

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム

Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development

SATREPS(サトレップス)とは、地球規模課題解決に向けた日本開発途上国との国際共同研究を推進するプログラムです。

SATREPSは、科学技術と外交を連携し相互に発展させる「科学技術外交」の一環として、地球規模の課題解決を目指す国際共同研究を推進します。

昨今、SDGs(持続可能な開発目標)が世界で注目されている通り、気候変動や食糧問題、自然災害、感染症など、地球規模の課題は年々複雑化するとともに、特に影響を受けやすい開発途上国においては深刻な状況となっています。これらを解決するためには、国を越えた科学技術イノベーションの創出と研究成果の社会還元、人材の育成と研究能力の向上が必要です。

SATREPSでは、環境・エネルギー、生物資源、防災、感染症の4つの研究分野を対象に日本と開発途上国の研究者がともに課題に取り組み、現地のニーズを踏まえながら実社会で活用可能な知識や技術を新たに創り出していくことにより、持続可能な開発を目指す国際社会に貢献します。

※ 平成27年度より感染症の研究分野は国⽴研究開発法⼈科学技術振興機構(JST)から国⽴研究開発法⼈⽇本医療研究開発機構(AMED)に移管されました。感染症分野については、AMEDのサイトを参照してください。

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地球規模課題とは

一国や一地域だけで解決することが困難であり、国際社会が共同で取り組むことが求められている課題のこと。

SATREPSの3つの目標

  • 日本と開発途上国との国際科学技術協力の強化
  • 地球規模課題の解決と科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術の獲得、これらを通じたイノベーションの創出
  • キャパシティ・ディベロップメント

〜研究成果の社会実装に向けて〜

  • キャパシティ・ディベロップメントとは

    国際共同研究を通じた開発途上国の自立的研究開発能力の向上と課題解決に資する持続的活動体制の構築、また、地球の未来を担う日本と途上国の人材育成とネットワークの形成のこと。

  • 社会実装とは

    具体的な研究成果の社会還元。研究で得られた新たな知見や技術が、将来製品化され市場に普及する、あるいは行政サービスに反映されるなどにより、社会や経済に便益をもたらすこと。

SATREPS は"一石三鳥"のプログラム

SATREPSは、これまで個別に取り組まれてきたもの同士が手を取り合うことによって生まれる相乗効果を狙った、一石三鳥のプログラムです。

日本側の研究機関は開発途上国にあるフィールドや対象物を活用した研究を効果的に行うことができ、開発途上国側の研究機関は、研究拠点の機材整備や共同研究を通した人材育成等により、自立的・持続的活動の体制構築が可能となることが期待されます。

  • 科学技術の振興

    研究・開発、イノベーションの推進

  • 国際協力

    ODA・開発援助

  • グローバルなニーズへの対応

    地球規模課題の解決とそれに対する科学技術コミュニティの貢献

  • ローカルなニーズへの対応

    開発途上国においてローカルなニーズとして露見している課題への対応&キャパシティ・ディベロップメント

  • 日本の能力とパワー

    世界をリードする高い科学技術力とこれまでの研究実績

    ソフトパワー

  • 開発途上国の能力とポテンシャル

    地球規模課題の研究フィールドや対象物、関連データや経験・知見

    新たな市場・産業、グローバル・エコノミーへの貢献のチャンス

JSTとJICAの連携と支援

SATREPSでは、国内研究機関への研究助成のノウハウを有する国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と、開発途上国への技術協力を実施する独立行政法人国際協力機構(JICA)が、国際共同研究全体の研究開発マネージメントを協力して行います。

日本国内等、相手国内以外で必要な研究費についてはJSTが委託研究費として支援し、相手国内で必要な経費についてはJICAの技術協力プロジェクトの枠組みにおいてJICAが支援します。

※ JICAの経費は相手国の自立発展性を重視するODA技術協力プロジェクトによる支援であるため、相手国側の自助努力が求められます。したがって、相手国側の人件費、相手国における事務所借上費、相手国側が使用する消耗品、供与機材の運用や維持管理の経費、相手国側研究者の相手国内旅費、会議日当等は、原則として相手国側負担となります。

JSTとJICAの連携と支援の概略図
JSTとJICAの連携と支援の概略図

※ 政府開発援助資金については、日本側研究者の相手国における活動費、長期海外研究員や業務調整員の派遣費など、JICAが直接負担する費用を除き、日本の研究代表機関が管理します。

プロジェクトの規模

1課題あたり1億円程度/年

【内訳】 JST:3,500万円程度/年
JICA:6,000万円程度/年

実施実績・事業評価

実施実績

2008年以降、世界55カ国で174プロジェクトを実施してきました。

地域名 実施国数 プロジェクト数
アジア 14か国 95プロジェクト
アフリカ 20か国 41プロジェクト
中南米 9か国 26プロジェクト
その他 12か国 12プロジェクト

※ 2014年度まで JST が支援していた感染症分野の研究課題を含む。(2015年度以降はAMEDにて支援)

現在、環境・エネルギー/生物資源/防災分野において、34カ国で62プロジェクトを支援しています。(2023年5月18日現在)

事業評価

外部有識者・専門家による事業の総合的な評価を受け、その結果や提言を今後の事業改善に活かすため、SATREPSの事業評価を2016年に実施しました。

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