パラグアイ共和国
神戸大学
アスンシオン大学
令和7年(2025年度)
5年間
本研究は、気候変動によりコムギいもち病被害の拡大が予想されるパラグアイにおいて、いもち病に対する総合防除(抵抗性遺伝子の利用、種子消毒、耕種的防除※)の実践を目標としている。抵抗性遺伝子の利用に関しては、抵抗性遺伝子の同定を行い、それらを交雑により導入した抵抗性コムギ品種を作出する。さらに、抵抗性遺伝子の機能解析を進め、遺伝子組み換え技術により罹病しやすい穂や地球温暖化に伴う高温環境でも機能する抵抗性遺伝子の作出を行う。種子消毒については、殺菌剤と抵抗性誘導剤を組み合わせ、消毒効果が持続する方法を開発する。耕種的防除に関しては、圃場(ほじょう)でサンプリングしたいもち病菌のゲノム解析や病原性試験を行い、コムギいもち病菌の伝染サイクルを解明し、抵抗性遺伝子の持続性の解析を行うことで、圃場管理モデルを提唱する。完成した総合防除マニュアルを農家に普及し、研究終了後も抵抗性品種や耕種的防除法を漸次投入していく。
※栽培法や品種、環境条件などを調整して、病害虫の発生を抑制する方法。