第12回「社会における信頼(トラスト)のよりどころ」
開催日程
2026年7月10日(金) 9:30~12:00
開催形態
オンライン(Zoomウェビナー)
開催趣旨
デジタル化の進展につれて、バーチャルな空間にも人間関係が広がり、AIのような複雑な技術を用いたシステムへの依存が高まり、だます技術も高度化してしまいました。その結果、デジタル社会と言われる今日において、社会におけるトラスト(信頼)関係にほころびが見られます。この問題は、自動運転車、AIエージェント、生成AI、メタバースなどの新技術・新サービスの社会受容を左右するとともに、フェイク・偽装・なりすましなどによる詐欺・犯罪の懸念を高めています。このような問題意識から、JST CRDSでは総合知による取り組みの必要性を提言し、様々な分野に広がるトラスト研究の間の分野横断的な議論・連携の機会として「連続シンポジウム」を企画しました。
その第12回では「社会における信頼のよりどころ(トラストの基点)」をテーマとして取り上げます。私たちは、相手が信頼できる人・組織・システムであるかを判断するための材料として、資格、所属、証明書、認証マーク、電子署名、評判といったものを、根拠(よりどころ)の一つとして用いています。技術的には、信頼の基点(Root of Trust、Trust Anchor)を設けて、そこから信頼の連鎖(Chain of Trust)をつないでいく仕組みが作られています。しかし、生成AIの発展、サイバー攻撃や偽装・改ざん手法の巧妙化、サプライチェーンの複雑化などが進む中で、こうした信頼の基点・連鎖は十分に頑健なのかが問われています。誰が信頼の基点を設定し、誰がその公平性・正当性を管理・監査し、失敗時に誰が責任を負うのか。また、その仕組みを人々が納得し、社会的に受け入れることができるのか。今回は、技術と社会・制度の両面から、これからのトラスト基盤の在り方を考えます。
プログラム
| 9:30~9:45 | 開催趣旨説明 福島 俊一(科学技術振興機構 研究開発戦略センター) |
|---|---|
| 9:45~10:20 | 講演1「技術と制度の結節点としてのトラストアンカー」 島岡 政基(セコム株式会社 IS研究所) |
| 10:20~10:55 | 講演2「自己決定の現在:個人が信頼できない時代において」 大屋 雄裕(慶應義塾大学 法学部) |
| 10:55~12:00 | 質疑・総合討論 モデレータ:福島 俊一 パネリスト:島岡 政基、大屋 雄裕 ディスカッサント:岩下 直行(京都大学 名誉教授) |
講演概要
(1)講演1 島岡 政基「技術と制度の結節点としてのトラストアンカー」
デジタル空間における信頼の連鎖は、多くの場合はPKI(公開鍵基盤)やブロックチェーンなど暗号技術に依拠しており、一方で信頼の基点に対する(Trustorからの)信頼は、デジタルかアナログかを問わず社会制度に依拠しています。本講演では、この技術と社会制度の結節点としてのトラストアンカーについて、技術と制度の両面からその動向と課題を整理するとともに、デジタル社会におけるあるべき姿について考えます。
(2)講演2 大屋 雄裕「自己決定の現在:個人が信頼できない時代において」
近代社会の原則であるリベラリズムは、一人ひとりの個人が自分にとっての幸福のあり方を理解し、それに配慮して実現できることを前提としてきました。だが現代的な情報環境のなかでその実効性はゆらぎつつあります。自己決定への補助が必要だとして、それは誰がどのように担うべきなのか。別の選択肢はあるかについて考えます。
参加申込方法
- 事前登録制(参加無料)
こちらの 「参加登録受付フォーム」からご登録ください。 - 参加登録受付期限:2026年7月9日(木) 10:00
主催
国⽴研究開発法⼈科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)
問い合わせ窓口
福島 俊一(JST CRDSフェロー)