LCS-FY2021-PP-05
ゼロカーボン電源システムの安定化と技術・経済性評価(Vol.3)
-2030年政府案実現の見通し評価と2050年ゼロカーボン電源化への課題-
概要
2050年のゼロカーボン電源およびそれに向けての2030年の電源構成をLCSの多地域電源構成モデルを用いて検討した。
予想される電力需要の増大に対し、時間変動の大きな太陽光発電や風力発電の利用を拡げるとともに、安定化のために蓄電システムを組み込んだ電源構成にすることで、大幅なコストアップなしに電力供給が可能である見通しを得た。さらに、資源エネルギー庁が2021年10月に示した第6次エネルギー基本計画の「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」についても、その電源構成と電源技術に関するパラメーターをLCSの多地域電源構成モデルに組み込んで評価した。政府が示した電源構成案に対し、蓄電システムを組み込み慣性力制約の緩和を可能にすることで、想定している電力需要だけでなく、より大きな需要にも対応でき、さらに原子力依存度も発電コストも低くできる見通しを得た。
提案書全文
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