LCS-FY2019-PP-14
ゼロカーボン社会に向かう産業構造の変化例
—拡張型産業連関表の適用—
概要
ゼロカーボン社会では、再生可能エネルギーが導入され、電気自動車が広く普及するなど多くの変化が起こる。低炭素社会戦略センターが行った再生可能エネルギー評価の結果を活用して、産業連関分析により、これらの変化が社会経済と環境負荷に与える影響を定量的に分析する手法を開発した。
まず公表されている産業連関表に再生可能エネルギーを新たに追加した拡張型産業連関表を作成し、産業部門別のCO2排出量を拡張型産業連関表に関連付けたCO2排出係数表を作成した。次いで低炭素社会戦略センターが評価した再生可能エネルギーの発電コストと材料使用量に基づいたゼロカーボン電源システムの計算結果を含め、将来起こると考えられる変化を与えて産業連関分析を行った。その結果から国内総生産GDPとCO2排出量を計算した。
本手法によってGDPの成長とCO2排出80%削減が両立するという計算結果例が得られた。本手法を用いれば、様々な変化を与えて産業連関分析を行うことにより明るく豊かなゼロカーボン社会実現のシナリオを示すことができる。
提案書全文
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