低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2020-PP-17

ゼロカーボン電源システムの安定化と技術・経済性評価(Vol.2)
- 2050年のゼロカーボン電源に向けたシナリオ解析-

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概要

 2050年の明るく豊かなゼロカーボン社会の実現に向け、本提案書では定量的技術シナリオに基づく電源構成モデル計算手法を用いて2030年および2050年において経済的な電力を供給する低炭素およびゼロカーボン電源(ZC電源)構成を検討した。

 また、現在から2050年ZC電源に至る設備投資によってもたらされる経済効果を、シナリオ解析を通じて見積もった。電力の経済性について、2030年の発電燃料由来CO2排出量を2013年比で50%削減する場合では電力需要1,700TWh/y程度まで、70%削減では1,400TWh/y程度まで現在の電力コスト水準(送電費用を除いて14円/kWh程度)以下で供給できることが分かった。さらに2050年には、電力需要1,600TWh/yであってもZC電源構成が経済的に構築できる(送電を含めて17円/kWh程度。設備建設に伴うCO2排出23Mt/yの処理費は除く。)ことが明らかとなった。また、設備投資のシナリオ解析により、太陽光発電や風力発電設備、ならびに蓄電池の新設に伴う設備投資額が定量化され、その市場規模の拡大がうかがわれた。以上より、ZC電源達成のために必要となるPV、風力発電の産業育成ならびに、より効率的な蓄電池新技術を政策として推進することを提案する。

提案書全文

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