ソロモン諸島
東京大学
農業畜産省 農業研究開発部門
令和7年(2025年度)
5年間
本研究は、サツマイモの個人消費量が世界一であり食糧の多くをサツマイモに依存するソロモン諸島において、包括的な種苗管理システムによるサツマイモの安定的増産を実現し、食料安全保障を強化することを目指す。ソロモン諸島は近年人口増加が著しく、サツマイモの増産が喫緊の課題であるが、根や茎を用いる栄養繁殖性作物※のため種苗の病害汚染による著しい収量低下が問題となっており、現地では種苗の検査・健全化による食糧供給の脆弱性の克服が希求されている。これらの現地ニーズに基づき、(1)種苗の健全化・維持・増殖の技術および施設の導入、(2)現地に最適化された栽培技術ガイドラインの策定、(3)生産を阻害する主要な伝染病に対する検査技術開発と発生監視システムの構築、(4)遺伝資源を収集・保管するジーンバンクの設立に取り組む。これらの知見と技術を現地農業指導者に実践教育し、生産現場に速やかに普及させる。
※植物体の一部を植え付けることにより新たな株を育てることができる作物。