プログラム紹介

北川 勝浩PD 写真

目標62050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現

プログラムディレクター(PD)北川 勝浩大阪大学 量子情報・量子生命研究センター センター長

プログラム概要

従来のコンピュータの進歩が限界に達しつつあるといわれるなか、爆発的に増大する様々な情報処理の需要に対応しうる量子コンピュータが注目を集めています。多様かつ複雑で大規模な実問題を量子コンピュータで高速に解くには、量子的な誤りを直しながら正確な計算を実行する誤り耐性型汎用量子コンピュータの実現が鍵となります。そのため、本研究開発プログラムでは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク及び関連する研究開発を推進していきます。

2050年の社会像(イラストレーション)

2050年の社会像イラスト

2050年、目標6が実現したらどんな未来になっているでしょうか?
イラストレーションで解説しています

PDからのメッセージ

誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現するには、膨大な数の量子ビットを集積して、量子誤り訂正符号によって冗長性を持たせるとともに、物理的に生じる量子誤りを誤り耐性閾値以下にする必要があります。本事業では、一定規模の量子コンピュータを開発して量子誤り訂正の有効性を実証することを目標とします。多数の量子コンピュータを量子通信で結合して大規模化する可能性も念頭に置いて、1)コンピュータシステム、2)誤り耐性 3)通信ネットワーク、4)アプリケーションの4つのカテゴリで、競争と協力を図りながら、研究開発プロジェクトを推進していきます。

プロジェクト、プロジェクトマネージャー(PM)一覧

2025年度採択

プロジェクトマネージャー(PM) 大森 賢治(自然科学研究機構 分子科学研究所 教授/研究主幹)
大森 賢治PM 写真

中性原子型量子コンピュータは、光ピンセットで組み立てられた極低温原子のアレイを使用します。このアレイでは、各原子が高品質の量子ビットとして機能し、システム全体は室温で動作します。私たちは中性原子型の誤り耐性量子コンピュータシステムを開発・運用・高度化します。大森プロジェクトが有する量子ビット操作・大規模化・超高速レーザー技術・システムエンジニアリング等における多様なコアコンピタンスを最大限に活用します。緊密な産学連携のもとで、全ての構成要素をモジュラー/パッケージ化し、従来にない高い安定性とユーザビリティを実現します。

プロジェクトマネージャー(PM) 小芦 雅斗(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
小芦 雅斗PM 写真

本プロジェクトでは、誤り耐性型量子コンピュータの全技術レイヤーを包含した協調設計モデルを開発・拡張します。このモデルを用いて、量子情報、コンピュータアーキテクチャ、および様々な物理系の研究者が生み出す革新的なアプローチを統合し、2050年までに大規模量子コンピュータの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 小林 和淑(京都工芸繊維大学 電気電子工学系 教授)
小林 和淑PM 写真

本研究開発プロジェクトのミッションは、超伝導から中性原子まで多岐にわたる量子ビット方式にアジャイルに対応し、誤り訂正システムと小型かつ省電力な量子ビット制御装置を実現することです。その実現達成に向け、超伝導量子ビットを用いて次の研究開発項目に取り組みます。また、その成果を他の量子ビット方式へ展開します。

プロジェクトマネージャー(PM) 高橋 優樹(沖縄科学技術大学院大学 量子情報物理実験ユニット 准教授)
高橋 優樹PM 写真

イオントラップ方式による光接続型誤り耐性量子コンピュータの実現を目指すものです。2030年までに、100量子ビット規模の量子コンピュータを構築し、量子誤り訂正や論理演算の実証、さらに1,000量子ビット超へ拡張可能な万能単位セル(UUC)や多重光接続などの基盤技術を確立します。これらを発展させ、2050年には複数の量子処理ユニット(QPU)が連携する百万量子ビット級の量子スーパーコンピュータを実現し、新素材開発・創薬・エネルギー最適化など社会課題を根本から変革する計算基盤の創出を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 樽茶 清悟(理化学研究所 創発物性科学研究センター グループディレクター/量子コンピュータ研究センター チームリーダー)
樽茶 清悟PM 写真

シリコン量子コンピュータは産業技術との互換性や集積性の点で優れていますが、まだ大規模化や誤り訂正の技術が確立していません。本研究では、量子ビットの集積化と移送により、拡張性のある単位構造を作製し、その繰り返しにより量子コンピュータを大規模化します。2030年までに大規模化と誤り訂正に適した中規模量子コンピュータの技術を開発します。その後半導体産業と連携して開発を加速し、2050年には誤り耐性をもつ汎用量子コンピュータを実現します。

プロジェクトマネージャー(PM) 古澤 明(東京大学 大学院工学系研究科 教授/理化学研究所 量子コンピュータ研究センター 副センター長/OptQC株式会社 取締役)
古澤 明PM 写真

独自に開発した量子ルックアップテーブル法を発展させ、大規模な誤り耐性のある量子演算を実現します。それにより、2050年には、常温動作を特長とする大規模な光量子コンピュータの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 御手洗 光祐(量子情報・量子生命研究センター 准教授)
御手洗 光祐PM 写真

Computer Aided Engineering (CAE) と計算物質科学を中心に誤り耐性量子コンピュータのアプリケーション研究開発を推進します。機械学習等の新規応用に向けた探索的研究も実施します。理論の検討だけでなく、アルゴリズム設計からコンパイラ・実装評価までを一体化し、ユーザーが求めるEnd-to-Endアプリケーションにおける量子優位性を定量化します。

プロジェクトマネージャー(PM) 山本 俊(大阪大学 大学院基礎工学研究科/量子情報・量子生命研究センター 教授/副センター長)
山本 俊PM 写真

本研究開発プロジェクトは、多数の小中規模の量子プロセッサを互いに量子接続するためのネットワーク化技術を開発し、大規模な「誤り耐性ネットワーク型量子コンピュータ」の実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 山本 剛(産業技術総合研究所 特定フェロー)
山本 剛PM 写真

実用的な誤り耐性量子コンピュータを実現するためには、物理量子ビット数を現在の1万倍ほどに大規模化する必要があるとされていますが、現在の超伝導量子コンピュータでは、大規模システムへの拡張性が乏しく、まさに致命的な課題となっています。
我々は、同軸ケーブルの数を大幅に削減し、既存の超伝導量子コンピュータ開発の延長では不可能と目される拡張性を維持する新たなアーキテクチャを構想しており、それを実機として実現することに正面から挑みます。

終了したプロジェクト(クリックで開きます)

2020年度採択

プロジェクトマネージャー(PM) 小芦 雅斗(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
プロジェクト概要

量子情報、アーキテクチャおよび物理系の研究者を結集し、量子ビットの設計、誤り耐性方式の実装、効率的に計算を実行するためのコンパイラや言語までを包含した協調設計モデルを構築します。それにより、2050年には、大規模な量子コンピュータの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 小坂 英男(横浜国立大学 量子情報研究センター センター長/大学院工学研究院・先端科学高等研究院 教授)
プロジェクト概要

超伝導量子ビットと通信用光子をつなぐため、量子メモリとオプトメカニカル結晶を融合した量子インターフェースを開発します。それにより、2050年には、大規模な超伝導量子コンピュータの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 高橋 優樹(沖縄科学技術大学院大学 量子情報物理実験ユニット 准教授)
プロジェクト概要

複数のイオントラップを光で連結する新しいアイデアにより、従来技術では達成できない、大規模化が容易なイオントラップデバイスを開発します。それにより、2050年には、大規模な量子コンピュータの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 古澤 明(東京大学 大学院工学系研究科 教授/理化学研究所 量子コンピュータ研究センター 副センター長)
プロジェクト概要

独自に開発した量子ルックアップテーブル法を発展させ、大規模な誤り耐性のある量子演算を実現します。それにより、2050年には、常温動作を特徴とする大規模な光量子コンピュータの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 水野 弘之(株式会社日立製作所 研究開発グループ 技師長 兼 日立京大 ラボ長)
プロジェクト概要

半導体の回路集積化技術を活かし、シリコン量子ビットの大規模化、高集積化を実現します。それにより、2050年には、高集積性・低消費電力を特徴とする大規模な量子コンピュータの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 山本 俊(大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授/量子情報・量子生命研究センター 副センター長)
プロジェクト概要

光、原子、半導体等の量子コンピュータハードウェアをネットワーク化するための要素技術を開発し、複数の中小規模量子コンピュータを接続した「ネットワーク型量子コンピュータ」を構築します。それにより、2050年には、さらなる大規模化を進め、汎用的な量子コンピュータの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 山本 剛(日本電気株式会社 セキュアシステムプラットフォーム研究所 主席研究員)
プロジェクト概要

超伝導量子コンピュータの研究開発を加速するため、超伝導量子ビットの大規模化、高集積化に必要とされるハードウエア要素技術を開発します。それにより、2050年には、大規模な超伝導量子コンピュータの実現を目指します。

2022年度採択

プロジェクトマネージャー(PM) 青木 隆朗(早稲田大学 理工学術院 教授)
プロジェクト概要

独自のナノファイバー共振器QED技術に基づき、大規模化と分散化が可能な新方式の量子コンピューターハードウェアを開発するとともに、社会実装を推進します。それにより、2050年には、圧倒的に大規模な量子ビット数を持つ分散型の誤り耐性汎用量子コンピュータと量子インターネットの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 大森 賢治(自然科学研究機構 分子科学研究所 教授/研究主幹)
プロジェクト概要

光ピンセットを用いて大規模に配列させた冷却原子量子ビットの各々を、自在かつ高速に移動させつつゲート操作、誤り検出・訂正を行う動的量子ビットアレーを実装します。さらに、緊密な産学連携の下で全ての構成要素を統合・パッケージ化し、従来に無い高い安定性とユーザビリティを達成します。これらのイノベーションにより、2050年までに経済、産業、安全保障に革新をもたらす誤り耐性量子コンピュータの実現を目指します。

プロジェクトマネージャー(PM) 小林 和淑(京都工芸繊維大学 電気電子工学系 教授)
プロジェクト概要

本プロジェクトでは誤り耐性汎用量子コンピュータを実現するために、エラー訂正のための古典ハードウェア向けアルゴリズムとスケーラブルバックエンド、スケーラブルな量子 - 古典間入出力フロントエンド、それらのLSI化、量子 - 古典入出力の高帯域・低電力化のための極低温動作光集積回路の技術課題に取り組みます。それにより2050年にエラー訂正により汎用的に使える量子コンピュータの誤り訂正システムを実現します。

プロジェクトマネージャー(PM) 樽茶 清悟(理化学研究所 創発物性科学研究センター グループディレクター/量子コンピュータ研究センター チームディレクター)
プロジェクト概要

シリコン量子コンピュータは産業技術との互換性や集積性の点で優れていますが、まだ大規模化への展開が見えていません。本研究では、スパースな集積化と中距離量子結合により拡張性のある単位構造を作製し、その繰り返しにより量子コンピュータを大規模化します。2030年までに大規模化に適した基盤技術を開発し、その後半導体産業と連携して開発を加速し、2050年には汎用量子コンピュータを実装します。

プロジェクトマネージャー(PM) 永山 翔太(慶應義塾大学 大学院 メディアデザイン研究科 准教授)
プロジェクト概要

本プロジェクトでは、分散型大規模量子コンピュータの主要技術である汎用量子通信ネットワークのテストベッドを構築し、実運用を見据えた通信アーキテクチャやプロトコル等の原理・技術実証にハードウェア・ソフトウェアを統合して取り組みます。本プロジェクトの成果は分散型大規模量子コンピュータのみならず量子インターネットにも繋がり、両者を両輪とする、量子情報を自在に生成・流通・分散処理する世界の実現に貢献します。

アドバイザー

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上妻 幹旺 東京科学大学 総合研究院 量子航法研究センター センター長・教授
中村 泰信 東京大学 大学院工学系研究科 教授
山下 茂 立命館大学 情報理工学部 教授
石内 秀美 株式会社先端ナノプロセス基盤開発センター(EIDEC) 元 代表取締役社長
井元 信之 東京大学 特命教授室 特命教授
宇都宮 聖子 OpenAI Japan 合同会社 Go To Market Principal Solutions Engineer
小澤 正直 名古屋大学 大学院情報学研究科 名誉教授
香取 秀俊 東京大学 大学院工学系研究科物理工学専攻 教授
川畑 史郎 法政大学 情報科学部 教授/NEDO イノベーション戦略センター フェロー
佐々木 雅英 情報通信研究機構 未来ICT研究所小金井フロンティア研究センター 主管研究員
佐藤 三久 順天堂大学 健康データサイエンス学部 特任教授
茂本 勇 ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター 技師長

*副構想ディレクター(サブPD)

関連情報目標6のプレスリリース、イベントなど

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国立研究開発法人科学技術振興機構 ムーンショット型研究開発事業部 目標6 担当

e-mail moonshot-goal6メールアドレスjst.go.jp