プロジェクト紹介

目標6 研究開発プロジェクト(2022年度採択)ナノファイバー共振器QEDによる大規模量子ハードウェア
プロジェクトマネージャー(PM)青木 隆朗早稲田大学 理工学術院 教授
概要
独自のナノファイバー共振器QED技術に基づき、大規模化と分散化が可能な新方式の量子コンピュータハードウェアを開発するとともに、社会実装を推進します。それにより、2050年には、圧倒的に大規模な量子ビット数を持つ分散型の誤り耐性型汎用量子コンピュータと量子インターネットの実現を目指します。
共振器量子電気力学(共振器QED)系は原子と光子のハイブリッド量子系であり、量子情報科学分野の黎明期より量子コンピュータの有望な動作原理として理論研究の主要な対象でした。特に、個々の原子と共振器の結合を強く保ったまま共振器内に多数の原子を配置し、それらに個別にアクセスできれば多量子ビットの量子コンピュータとして機能すること、また、複数の共振器QED系を低損失に接続できれば分散型量子コンピュータが可能になることが期待されていました。これらは空間光学共振器に基づく従来の共振器QED系では困難でした。
これに対し、本プロジェクトでは、世界で唯一の独自技術により開発したナノファイバー共振器QED系を用いて新方式の量子コンピュータハードウェアを開発します。ナノファイバー共振器QED系は、直径が光の波長よりも細い「ナノファイバー」を中央部に持つ光ファイバー共振器(ナノファイバー共振器)に閉じ込められた光子と、ナノファイバーの表面近傍に一列に並べられた原子とが量子力学的に相互作用する系です。個々の原子と共振器の結合を強く保ったまま共振器内に多数の原子を配置し、それらに個別にアクセスでき、また、複数の共振器QED系を低損失に接続できます。これらの特長により、大規模化と分散化が可能になると期待されます。
2030年までのマイルストーン
ナノファイバー共振器QED方式量子コンピュータハードウェアの大規模化と分散化を実現するとともに、量子誤り訂正の有効性を実証する。
2025年までのマイルストーン
ナノファイバー共振器QED方式量子コンピュータハードウェアのPoCを確立し、分散化に向けた要素技術を実現する。
研究開発項目
課題推進者リスト
研究開発項目[1] | 青木 隆朗 | 早稲田大学 理工学術院 教授 |
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研究開発項目[2] | 徳永 裕己 | 日本電信電話株式会社 コンピュータ&データサイエンス研究所 特別研究員 |
研究開発項目[3] | 稲場 肇 | 産業技術総合研究所 物理計測標準研究部門 研究グループ長 |
研究開発項目[4] | 青木 隆朗 | 早稲田大学 理工学術院 教授 |
研究開発項目[5] | 碁盤 晃久 | 株式会社Nanofiber Quantum Technologies 最高技術責任者(CTO) |
研究開発項目[6] | 高橋 義朗 | 京都大学 大学院理学研究科 教授 |
研究開発項目[7] | 青木 隆朗 | 理化学研究所 量子コンピュータ研究センター チームリーダー |
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- プロジェクト概要(226KB)