ELSIキーワードマップ 根源的な問いの言説化に向けて
言説化の取り組み
ELSIキーワードマップ Ver.2.0
科学技術と人・社会との<よりよい>関係とは?
ELSIキーワードマップ「根源的問い」解説
- 状況・時代・人によって変わる言葉の意味や価値ってなに?
- 自分以外の存在が自分に与える影響ってなに?
- 人間らしい生き方ってなに?動物やAIとはどう違う?
- 「専門家」や「市民」とは誰のこと?それぞれの役割はなに?
- 便利さや快適さは公平に与えられている?
- 未来に対してどう責任をとることができるの?
- ものごとを決めるにはどんな要因や問題点があるの?
マップ作成の目的・方法について
「ELSI キーワードマップ」は、各プロジェクトの言説化の取り組みに活用されることを前提として、当該研究テーマに関わる研究コミュニティやステークホルダーにも広く発信し、「生命や人・社会の根源的価値に関わる共通課題」(根源的問い)の問題提起を視覚的に伝えることを目的として作成しました。
ELSIプログラムでは、根源的価値に対する問いの探求と言説化のために、採択プロジェクトに対し、毎年1回インタビューを行っています。そのインタビュー結果から質的データ分析により論点を抽出し、マインドマップソフトウェアを用いてマップ化、さらに言説化チームによる議論を経て根源的問いの構造化やキーワードの選定し、2022年度に「ELSIキーワードマップ」(初稿)を作成しました。
また、市民対話やプロジェクト関係者が参加する言説化ワークショップの結果をもとに、マップの更新を行っています。
このマップは、①ELSIプログラムによるプロジェクト横断的な問いの思索のプロセスの記録として、②各プロジェクト内で論点や問いを発見し議論を深めていくツールとして、そして③問いをめぐるステークホルダーや社会との対話や協働のための素材として、活用していくことが期待されます。
マップの構造について
本プログラムでは、科学技術と社会、人間の関係を踏まえたELSIを考えるにあたって、「科学技術と人・社会との<よりよい>関係とは?」という大きな問いを立てました。
この「ELSIキーワードマップ」はその問いを探求していくにあたって、大きな問いのもとに3つの階層を持たせています。この問いを考えるとき、どのようなことを考えたらよいかのヒントや足がかりがちりばめられています。
大きな問いをより細かく分解したものが、紺色の丸に白字で書かれた7つの【根源的問い】です。これは人類が求める普遍的な価値、生命や人・社会の善きあり方に関わるもので、以下では問題の背景とともにいくつかの具体的な問いを記述しています。
それぞれの根源的な問いの周りに配置されているのは、インタビューやワークショップから抽出した21の【キーワード】であり、マップ上では白の長丸に青字で示されています。これは本プログラムにおける議論で鍵となる言葉であり、以下にその定義があります。
また、複数の根源的な問いをつなぐのは、根源的問いの【領域】です。「科学技術の将来」、「個人の生き方と意識」、そして「新たな社会のあり方」という3つの領域は、それぞれ異なる色の背景としてアメーバ状に配置されています。