成果概要

気象制御のための制御容易性・被害低減効果の定量化[9] 気象制御へのRRIの推進

2024年度までの進捗状況

1. 概要

  • 環境倫理学分野における気候工学の倫理をめぐる国内外の研究動向の調査を実施(図1)。
  • 国内外の環境倫理学者へのインタビューによる気象制御技術のELSI(倫理的・法的・社会的課題)に関する年の動向の調査を実施。
  • 現代環境倫理学における気候工学の倫理の調査を通じた重要ELSI項目の特定。

2. これまでの主な成果

  • すでに一定程度研究が進んでいる気候工学の倫理研究におけるELSI項目を手がかりとして、気象制御研究における重要ELSI項目の特定作業をすすめました。その成果は、第23回科学技術社会論学会年次研究大会・総会での研究発表(博士後期課程研究員2名)や、AGU24(アメリカ地球物理学連合2024年大会)での研究発表を通じて(課題推進者、図2)、現在、気象制御の倫理研究における重要ELSI項目に関する体系的レビュー論文として、また、新たなELSI項目に関する論文として、それぞれ執筆し、現在査読中です。
図1
図1:関連文献のマッピング
図2
図2:AGU24での発表資料の抜粋

3. 今後の展開

  • 気候工学・気象制御工学技術における重要ELSI項目のそれぞれについて、その歴史的・文化的背景の解明。
  • 歴史的・文化的背景について、西洋と東洋のそれぞれの観点から解明。
  • ELSI項目の含意に関する意識の違いをテーマとしたワークショップの実施。
  • 気候/気象工学技術のELSIに関する市民向け公開シンポジウムの実施。
  • 気候/気象工学技術のELSIについて、文化差・地域差を考慮に入れたマインドマップの作成。
  • マインドマップに基づいて、気象制御研究および気象制御の屋外実験を日本で実施する際にとくに考慮すべきELSI項目の選定。