[微粒子] 生体における微粒子の機能と制御

※ 所属・役職は、活動終了時点のものです。

戦略目標

「細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御」

研究総括

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中野 明彦 (理化学研究所 光量子工学研究センター 副センター長)

概要

 本研究領域では、生体内の微粒子の動態や機能の解明、さらにはそれらの制御に関する研究開発の推進によって、微粒子により惹起される生命現象の本質的な課題に取り組みます。
 近年、環境中の様々な微粒子(外因性微粒子)の生体内への影響や、生体内で形成された微粒子(内因性微粒子)の機能が注目されています。例えば外因性微粒子では、PM2.5やカーボンナノチューブなどと疾患との関連性の研究が進められ、内因性微粒子ではエクソソームなどの体内動態や機能発現に基づく診断技術に関する研究が多数報告されています。
 しかしながら、外因性微粒子については、生体内への取り込み過程、分布や局在等の挙動については多くが未解明のままとなっており、有害微粒子の対策が遅々として進んでいません。また、内因性微粒子については、細胞内での生成過程、細胞外動態、さらにはその生物学的意義について不明な点が多く、これらの微粒子を対象とした診断や治療技術の開発における本質的な課題となっています。さらに、これらの微粒子の生体内での定量分析や動態把握は、粒径の多様さや観察技術の遅れなどから、既存の技術では正確な解析が十分には行われていない状況です。
 以上を踏まえ、本研究領域では、生体内の微粒子の機能の解明とその制御を目的とした研究開発を推進します。具体的には、環境や生体に影響を及ぼす微粒子の機能解明をしようとする課題、生体内の微粒子の動態解析の新技術に着目し、それを汎用的な技術に発展させようとする課題、さらには、微粒子の生理学的意義を通じた制御技術の開発から健康に寄与する新技術を創出する課題などに取り組み、環境や健康に関する各種課題解決に貢献します。

 本研究領域は、文部科学省の選定した戦略目標「細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御」のもとに、平成29年度に発足しました(リンク先は国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)となります)。

領域アドバイザー

        
齊藤 達哉 大阪大学 大学院 薬学研究科 教授
佐藤 健 群馬大学 生体調節研究所 教授
塩見 美喜子 東京大学 大学院 理学系研究科 教授
芝 清隆 がん研究会 がん研究所 部長
田名網 健雄 横河電機(株)マーケティング本部 主幹研究員
渡慶次 学 北海道大学 大学院 工学研究院 教授
中戸川 仁 東京工業大学 生命理工学院 准教授
前田 達哉 浜松医科大学 医学部 教授
山口 茂弘 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 教授
吉森 保 大阪大学 大学院 生命機能研究科 教授

採択課題一覧

  1. 平成29年度採択課題
  2. 平成30年度採択課題
  3. 令和元年度採択課題

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